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別れ?
3 牢獄
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俺の目論見はそううまくいかなかった。せっかく非力な竜アピールをしていたのに何故か
「とにかく祭典が終わるまで王城で預からせてもらおう」
と言うことに決まってしまったのだ。
かごの蓋がパタンと閉められて真っ暗になった。
「キューーー!」
「カル……!」
「祭典が終わるまで預かるだけだ。竜は珍しいからいろいろと調べる必要がある」
多分城の兵士の誰かに抱えられてどこかに運ばれ、ヒースの気配もジェイソンの気配もどんどん遠くなっていった。
***
目を閉じて周囲の様子を探る。かごを持った二人の男(多分槍を持っていた兵士)は誰かに先導されて長い廊下を歩き、そのあと階段を降りて行く。長い階段だ。これはもう地下何階とかいうレベルじゃないかな。
途中で何度か止まり、ガチャガチャいう音が聞こえて再び出発する。多分鍵を開けたり閉めたりしてるんだと思う。それとは別に、このお城には人の光じゃない別の光がいくつか見えた。あれは魔法の力じゃないかと思う。複雑だけど、頑張ればなんとか突破できそうな気もする。
ようやくかごが下されたので顔を出すと、そこはお世辞にも綺麗とは言えない場所だった。
石の床の部屋には窓も灯りも見当たらない。廊下に面した場所は全面鉄格子になっている。部屋の床の一部には窪みがあって、それは鉄格子の先のちいさな水路に続いている。石の床にボロボロの布が敷いてあって、洗われていない食器が一つ転がってる。
おかしいな。どこからどう見ても囚人を閉じ込めておく牢獄に見える。
「キュゥ……」
やっぱり途中で逃げ出せばよかったかな。でもヒースがいい子にしてろって言ってたから、誰も傷つけなかったしずっといい子にしてたんだけど。
「しかしこんな小さい生き物が竜とはな」
「ただのトカゲの変異種じゃないか?」
槍を持った兵士に掴まれて、何か冷たいものを首にガチャリと巻き付けられた。これは首輪ってやつだ。その先に鎖が付いていて、鉄格子の一本に繋げられる。
「無駄口をたたくな。いいか? 決して殺すな。餌だけは豊富に与えろ。竜は成長すれば角や鱗が交易品になる。身体が大きくなれば戦争の時の盾にちょうどいい。他国に送り込めば武器にもなる」
兵士二人を先導していたローブのおじさんがそう言った。こいつはさっきの部屋にもいたような気がする。悪人顔だ。
「しかし祭典が終わればヒース王子に返すのでは?」
「返すわけがなかろう。ヒース王子はしょせん第三王子、後ろ盾もない子供の言うことなどどうとでもなる。竜の生き肝はあらゆる病気に効くと言われているからな、それを第一王子のために使うと言われたら文句も言えんだろう」
生き肝! レバーか?
こいつら俺を殺すか成長させて利用するつもりだ。ヒースの言葉なんて全く聞く気がないんだ。
「餌と水をやっておけ。これも忘れるな」
おじさんが兵士に渡したのは、やばそうな薬だった。どうする俺? 竜生が始まって以来何度目か分からないけどわりと大きなピンチだぞ。
「とにかく祭典が終わるまで王城で預からせてもらおう」
と言うことに決まってしまったのだ。
かごの蓋がパタンと閉められて真っ暗になった。
「キューーー!」
「カル……!」
「祭典が終わるまで預かるだけだ。竜は珍しいからいろいろと調べる必要がある」
多分城の兵士の誰かに抱えられてどこかに運ばれ、ヒースの気配もジェイソンの気配もどんどん遠くなっていった。
***
目を閉じて周囲の様子を探る。かごを持った二人の男(多分槍を持っていた兵士)は誰かに先導されて長い廊下を歩き、そのあと階段を降りて行く。長い階段だ。これはもう地下何階とかいうレベルじゃないかな。
途中で何度か止まり、ガチャガチャいう音が聞こえて再び出発する。多分鍵を開けたり閉めたりしてるんだと思う。それとは別に、このお城には人の光じゃない別の光がいくつか見えた。あれは魔法の力じゃないかと思う。複雑だけど、頑張ればなんとか突破できそうな気もする。
ようやくかごが下されたので顔を出すと、そこはお世辞にも綺麗とは言えない場所だった。
石の床の部屋には窓も灯りも見当たらない。廊下に面した場所は全面鉄格子になっている。部屋の床の一部には窪みがあって、それは鉄格子の先のちいさな水路に続いている。石の床にボロボロの布が敷いてあって、洗われていない食器が一つ転がってる。
おかしいな。どこからどう見ても囚人を閉じ込めておく牢獄に見える。
「キュゥ……」
やっぱり途中で逃げ出せばよかったかな。でもヒースがいい子にしてろって言ってたから、誰も傷つけなかったしずっといい子にしてたんだけど。
「しかしこんな小さい生き物が竜とはな」
「ただのトカゲの変異種じゃないか?」
槍を持った兵士に掴まれて、何か冷たいものを首にガチャリと巻き付けられた。これは首輪ってやつだ。その先に鎖が付いていて、鉄格子の一本に繋げられる。
「無駄口をたたくな。いいか? 決して殺すな。餌だけは豊富に与えろ。竜は成長すれば角や鱗が交易品になる。身体が大きくなれば戦争の時の盾にちょうどいい。他国に送り込めば武器にもなる」
兵士二人を先導していたローブのおじさんがそう言った。こいつはさっきの部屋にもいたような気がする。悪人顔だ。
「しかし祭典が終わればヒース王子に返すのでは?」
「返すわけがなかろう。ヒース王子はしょせん第三王子、後ろ盾もない子供の言うことなどどうとでもなる。竜の生き肝はあらゆる病気に効くと言われているからな、それを第一王子のために使うと言われたら文句も言えんだろう」
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こいつら俺を殺すか成長させて利用するつもりだ。ヒースの言葉なんて全く聞く気がないんだ。
「餌と水をやっておけ。これも忘れるな」
おじさんが兵士に渡したのは、やばそうな薬だった。どうする俺? 竜生が始まって以来何度目か分からないけどわりと大きなピンチだぞ。
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