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魔物の島
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日が沈んで少し経った頃、島では本格的に雨が降り始めた。
雨は時間とともに暴風を伴ってだんだんと激しくなる。まるで台風が近づいている時のようだ。と言っても、この島では昨日も嵐になっていたから、これが当たり前の光景なのだろう。
このぼろぼろの船が壊れたり流されたりしないかすごく不安だ。でも、魔方陣に魔力がたまるまでどうする事も出来ない。
俺は扉が風で開かないように物を置いて封鎖し、雨漏りの激しい箇所をその場にあったもので塞いだ。快適とはほど遠い環境だけど、アニキはまだ眠っている。魔方陣はチョークの光が淡く光っているだけで、全く魔力がたまった気配はない。せめて半日くらいで使えるようにならないかな。
雨漏り対策が終わったので、上着を脱いでアニキの隣に座った。
血が痛々しいから拭ってあげたいけど、余計な事をすると起きるだろうな。取りあえず保存食を食べて空腹を紛らわし、後はすることもないので魔方陣をじっと見張る事にした。
「……!?」
ガタンと船に何かが当たり、ぎょっとして目を開ける。
見張るはずが寝ていたらしい。でも、雨がずっと降って、風で船がガタガタ揺れている以外は、船内に変化はなかった。
魔方陣も相変わらずだ。さっきから全然魔力がたまっているように見えない。今何時なんだろう。
「……うわ!?」
急に足を掴まれて、ものすごくびっくりした。
『アニキ?』
アニキが俺の足を掴んでのそりと起き上がる。光る石の瓶が船室に、黒い獣のようなアニキの影を浮かび上がらせた。
影が……黒い獣に似てる。
一瞬獣が船内に入って来たのかと思った。それとも俺の見間違いかな。久々の霊感が見せた見てはいけないものなんだろうか。
獣の影に怯えている間に、アニキが俺の上に覆い被さって来た。
「……ミサキ」
寝起きの低い声が、耳元で俺の名前を呼ぶ。そのままイヤリングをした耳を噛まれて、背筋にぞくりとした感覚が走った。
『お、起きたんですか……? どこか、痛くな……んっ』
言葉はアニキの口づけで飲み込まれた。激しく舌を吸われ、口内を執拗に舐められる。息苦しくて何も考えられなくなっても離してもらえない。
「ん……ふうっ……はあっ、はあ……」
唇と舌が麻痺するんじゃないかと思うほど口づけをされて、簡単に息が上がってしまった。アニキは、実はキスするのが好きだよな……。
ぼんやりとキスの余韻に浸っていると、アニキの手が俺のシャツにかかった。無言のままシャツを破られて、ボタンが弾け飛ぶ。ちょっともったいない気分になる。言ってくれれば脱ぐのに。
アニキは破れたシャツの隙間から覗く、俺の胸元を凝視していた。男の裸なんて見慣れているはずなのに、何がそんなに気になるんだろう。
『どうし……あ、うあっ!』
唐突にアニキが、俺の胸を指でするりと撫でた。ただそれだけなのに、ぎゅっと心臓を鷲掴みにされたような感覚におちいって、全身が総毛だつ。アニキはそんな俺の事など気にする事なく、そのままつづけて手のひらを擦りつけ、爪を立てる。
「や、やあ……うっ!」
「動くな」
必死の抵抗はなんなくアニキに押さえつけられた。でも触られた部分が熱くて、そこから痛みと快感が全身に広がっていく。心臓が苦しい。
「ミサキ……お前、悪魔に会ったな」
『っ……アニキ、やめ……痛い、あうっ』
「何を契約した……? 代償は何だ、答えろ」
アニキが心臓のあたりを撫でていた手をずらし、乳首をきゅうっと捻る。
「ひ、あああっ!!」
股間がじわりと熱くなって、俺は自分が乳首をひねられただけでイってしまった事を理解した。
『な……何で……』
「見ろ」
アニキが俺の身体を少し抱き上げると、自分の胸が朦朧とした視界に入る。破れたシャツの下から覗く俺の胸には、異世界文字で描かれた黒い模様が円のように浮かび上がっていた。
『こ、これ……』
アニキと一緒に薬を飲んで、心臓が締め付けられたように苦しくなったあの一瞬を思い出す。きっとあの時に付いたんだ。
「悪魔との契約の証だ。だが、俺のものとは少し模様が違っているな」
アニキがそう言いながら黒い模様を指で撫で上げる。模様を触られる度に、イったばかりの身体に新たな快感の波が押し寄せた。
***
多分アニキは怒っている。
俺が勝手な事をして、悪魔と契約をしたから。契約の内容を話せばさらに激怒するかもしれない。
あれからシャツだけじゃなく、ズボンも靴も靴下も濡れた下着も脱がされて全裸にされていた。何がいるか分からないかび臭い廃船で全裸はちょっと嫌だ。でもアニキが怒っているのだから、抵抗できる訳がない。
「ん、ううっ……」
一年以上何も侵入していなかった場所に、アニキの指が出入りしている。それもゆっくりと。腰が砕けそうだけど、四つん這いで腰を高く上げろとアニキに命令されているから必死で耐える。
「話す気になったか?」
アニキが優しい声で俺に聞く。
いや、話したいけど今は無理。こんな状況で話せる訳ないから。
『あ、悪魔……会って、アニキ、の……はあっ……』
「お前も強情だな」
アニキはそう言って、グチュグチュと指を動かし、身体の中の気持ちいい部分を指で叩いた。
駄目だ。意識が飛ぶ。ていうかアニキ、絶対俺の話聞く気ないだろ!
雨は時間とともに暴風を伴ってだんだんと激しくなる。まるで台風が近づいている時のようだ。と言っても、この島では昨日も嵐になっていたから、これが当たり前の光景なのだろう。
このぼろぼろの船が壊れたり流されたりしないかすごく不安だ。でも、魔方陣に魔力がたまるまでどうする事も出来ない。
俺は扉が風で開かないように物を置いて封鎖し、雨漏りの激しい箇所をその場にあったもので塞いだ。快適とはほど遠い環境だけど、アニキはまだ眠っている。魔方陣はチョークの光が淡く光っているだけで、全く魔力がたまった気配はない。せめて半日くらいで使えるようにならないかな。
雨漏り対策が終わったので、上着を脱いでアニキの隣に座った。
血が痛々しいから拭ってあげたいけど、余計な事をすると起きるだろうな。取りあえず保存食を食べて空腹を紛らわし、後はすることもないので魔方陣をじっと見張る事にした。
「……!?」
ガタンと船に何かが当たり、ぎょっとして目を開ける。
見張るはずが寝ていたらしい。でも、雨がずっと降って、風で船がガタガタ揺れている以外は、船内に変化はなかった。
魔方陣も相変わらずだ。さっきから全然魔力がたまっているように見えない。今何時なんだろう。
「……うわ!?」
急に足を掴まれて、ものすごくびっくりした。
『アニキ?』
アニキが俺の足を掴んでのそりと起き上がる。光る石の瓶が船室に、黒い獣のようなアニキの影を浮かび上がらせた。
影が……黒い獣に似てる。
一瞬獣が船内に入って来たのかと思った。それとも俺の見間違いかな。久々の霊感が見せた見てはいけないものなんだろうか。
獣の影に怯えている間に、アニキが俺の上に覆い被さって来た。
「……ミサキ」
寝起きの低い声が、耳元で俺の名前を呼ぶ。そのままイヤリングをした耳を噛まれて、背筋にぞくりとした感覚が走った。
『お、起きたんですか……? どこか、痛くな……んっ』
言葉はアニキの口づけで飲み込まれた。激しく舌を吸われ、口内を執拗に舐められる。息苦しくて何も考えられなくなっても離してもらえない。
「ん……ふうっ……はあっ、はあ……」
唇と舌が麻痺するんじゃないかと思うほど口づけをされて、簡単に息が上がってしまった。アニキは、実はキスするのが好きだよな……。
ぼんやりとキスの余韻に浸っていると、アニキの手が俺のシャツにかかった。無言のままシャツを破られて、ボタンが弾け飛ぶ。ちょっともったいない気分になる。言ってくれれば脱ぐのに。
アニキは破れたシャツの隙間から覗く、俺の胸元を凝視していた。男の裸なんて見慣れているはずなのに、何がそんなに気になるんだろう。
『どうし……あ、うあっ!』
唐突にアニキが、俺の胸を指でするりと撫でた。ただそれだけなのに、ぎゅっと心臓を鷲掴みにされたような感覚におちいって、全身が総毛だつ。アニキはそんな俺の事など気にする事なく、そのままつづけて手のひらを擦りつけ、爪を立てる。
「や、やあ……うっ!」
「動くな」
必死の抵抗はなんなくアニキに押さえつけられた。でも触られた部分が熱くて、そこから痛みと快感が全身に広がっていく。心臓が苦しい。
「ミサキ……お前、悪魔に会ったな」
『っ……アニキ、やめ……痛い、あうっ』
「何を契約した……? 代償は何だ、答えろ」
アニキが心臓のあたりを撫でていた手をずらし、乳首をきゅうっと捻る。
「ひ、あああっ!!」
股間がじわりと熱くなって、俺は自分が乳首をひねられただけでイってしまった事を理解した。
『な……何で……』
「見ろ」
アニキが俺の身体を少し抱き上げると、自分の胸が朦朧とした視界に入る。破れたシャツの下から覗く俺の胸には、異世界文字で描かれた黒い模様が円のように浮かび上がっていた。
『こ、これ……』
アニキと一緒に薬を飲んで、心臓が締め付けられたように苦しくなったあの一瞬を思い出す。きっとあの時に付いたんだ。
「悪魔との契約の証だ。だが、俺のものとは少し模様が違っているな」
アニキがそう言いながら黒い模様を指で撫で上げる。模様を触られる度に、イったばかりの身体に新たな快感の波が押し寄せた。
***
多分アニキは怒っている。
俺が勝手な事をして、悪魔と契約をしたから。契約の内容を話せばさらに激怒するかもしれない。
あれからシャツだけじゃなく、ズボンも靴も靴下も濡れた下着も脱がされて全裸にされていた。何がいるか分からないかび臭い廃船で全裸はちょっと嫌だ。でもアニキが怒っているのだから、抵抗できる訳がない。
「ん、ううっ……」
一年以上何も侵入していなかった場所に、アニキの指が出入りしている。それもゆっくりと。腰が砕けそうだけど、四つん這いで腰を高く上げろとアニキに命令されているから必死で耐える。
「話す気になったか?」
アニキが優しい声で俺に聞く。
いや、話したいけど今は無理。こんな状況で話せる訳ないから。
『あ、悪魔……会って、アニキ、の……はあっ……』
「お前も強情だな」
アニキはそう言って、グチュグチュと指を動かし、身体の中の気持ちいい部分を指で叩いた。
駄目だ。意識が飛ぶ。ていうかアニキ、絶対俺の話聞く気ないだろ!
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