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おまけ(仲良し兄弟)
3かりんとう
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三人はスーパーに行くより先に喫茶店に寄ることにした。
「お客さん多いね」
古びた喫茶店は女子高生の溜まり場になっている。それにはちゃんと理由があった。
「修平、リック、ラウル、来たのか」
修平達の兄ルーシェン(高校生17歳)がウェイターの制服を着てやって来た。彼は喫茶店でアルバイトをしているのだ。
「スーパーに買い物に行くついでに寄ったんだ。邪魔したら悪いからすぐ帰るよ」
「ジュース飲んでいくか?」
「のむ~」
ラウルが空いている席に走っていく。
ルーシェンがアルバイトを始めてから女性のお客さんがかなり増えたらしく、喫茶店のオーナーはルーシェンと修平達兄弟に甘かった。たまに店に寄ると軽食をおごってくれる。
ルーシェンがお子様ジュースとミックスジュース、それに可愛くラッピングされたクッキーをテーブルに持ってくる。
「これもおごり?」
「学校でもらったんだ。食べていいぞ。七時には帰るよ」
ルーシェンはそう言って仕事に戻っていった。
「相変わらずモテるな~ルー兄は。学校でお菓子なんてもらった事ないぞ」
修平が言うと、リックは驚いた顔で兄を見つめた。
「え?僕あるよ。調理実習の時とか遠足の時とか」
「ラウルもある。ようちえんでせんせいがくれた」
「え!?もらった事ないの俺だけ?」
修平はバレンタインデーの悪夢を思い出した。
みんなが複数のリアルなチョコを持ち帰る中、自分は母親から1つと近所に住むお婆さんに何故かかりんとうをもらった事を。
軽く凹んでいると、女子高生達の会話が聞こえてきた。
「ねえ、あの子達がルーシェン君の弟じゃない?」
「可愛い~」
「さすが兄弟よね。あの小学生くらいの子、すごい美形」
「ちっちゃい子も可愛い~!」
修平は耳を澄ましたが、それ以上の会話は聞こえてこなかった。
リックが修平の手を握る。
「へこまないで。僕、修兄が一番好きだよ」
「ラウルもしゅうへいだいすき。きょうもとなりでねる」
「ラウル、たまにはルー兄と寝てよ。今日は僕が隣り」
「やだ」
二人の会話を聞いていると、自分だけもてなくても兄弟で良かったと思う修平だった。
「お客さん多いね」
古びた喫茶店は女子高生の溜まり場になっている。それにはちゃんと理由があった。
「修平、リック、ラウル、来たのか」
修平達の兄ルーシェン(高校生17歳)がウェイターの制服を着てやって来た。彼は喫茶店でアルバイトをしているのだ。
「スーパーに買い物に行くついでに寄ったんだ。邪魔したら悪いからすぐ帰るよ」
「ジュース飲んでいくか?」
「のむ~」
ラウルが空いている席に走っていく。
ルーシェンがアルバイトを始めてから女性のお客さんがかなり増えたらしく、喫茶店のオーナーはルーシェンと修平達兄弟に甘かった。たまに店に寄ると軽食をおごってくれる。
ルーシェンがお子様ジュースとミックスジュース、それに可愛くラッピングされたクッキーをテーブルに持ってくる。
「これもおごり?」
「学校でもらったんだ。食べていいぞ。七時には帰るよ」
ルーシェンはそう言って仕事に戻っていった。
「相変わらずモテるな~ルー兄は。学校でお菓子なんてもらった事ないぞ」
修平が言うと、リックは驚いた顔で兄を見つめた。
「え?僕あるよ。調理実習の時とか遠足の時とか」
「ラウルもある。ようちえんでせんせいがくれた」
「え!?もらった事ないの俺だけ?」
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軽く凹んでいると、女子高生達の会話が聞こえてきた。
「ねえ、あの子達がルーシェン君の弟じゃない?」
「可愛い~」
「さすが兄弟よね。あの小学生くらいの子、すごい美形」
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修平は耳を澄ましたが、それ以上の会話は聞こえてこなかった。
リックが修平の手を握る。
「へこまないで。僕、修兄が一番好きだよ」
「ラウルもしゅうへいだいすき。きょうもとなりでねる」
「ラウル、たまにはルー兄と寝てよ。今日は僕が隣り」
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二人の会話を聞いていると、自分だけもてなくても兄弟で良かったと思う修平だった。
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