One week

カム

文字の大きさ
上 下
121 / 204
金曜日、午後1時(レヴィン編)

10 ペットではありません

しおりを挟む
 ……よし、トイレだな。

 トイレだけの建物は見当たらないから店か民家で借りよう。
 俺はすぐ近くにある建物の扉に亀より遅いスピードでたどり着くと、扉をあけた。

『……すみません。トイレ、貸してください』

 俺が声をかけると、中にいた人々が一斉にこっちを向いた。武器屋だったらしい。

「なんだ兄ちゃん、腹でも壊したか?」

 マッチョな男がでかい斧を磨きながらカウンターごしに返事をした。
 店内には所狭しと刀剣類やハンマーとか恐ろしげな武器が並んでいる。数人いる客もみんな体格のいい男ばかりだ。ちょっと怖い。いや待て。この人達ならアニキに勝てるかも。

「トイレなら通路の奥だ」
『……ありがとうございます』

 取りあえずトイレが先だ。スッキリしてから助けを求めよう。

 前屈みでトイレに向かう俺を客たちが笑っているけど、そんな事にかまってはいられない。
 やっとの思いでトイレにたどり着き、一番奥の個室に滑り込んだ。

「……はあっ、はぁ」

 大急ぎで異世界ズボンを下ろす。下着が濡れてるから後で履き替えよう。
 下着の中に手を入れて、元気いっぱいのムスコに恐る恐る触れてみた。

「……っ、ふ、あ……」

 ヤバい。触るだけでこの有り様だ。腰が抜けそうで手を動かせない。これ以上汚したくないから、もう片方の手で何とか下着をずらす事にする。
 異世界のトイレは蓋付きの椅子みたいな感じだ。蓋も外さないと……。

 ゆっくり手を動かして、慎重に下着を下ろしていると、トイレに誰かが入ってくる気配がした。

「……っ!?」

 無意識にハアハア言っていた息を止める。
 誰かいると集中できないから、じっと息を止めて、誰かが出ていくのを待つ事にした。正直早く出ていって欲しい。もう我慢の限界だ。

 ……あれ?足音が消えた?もう出ていったのか?
 俺の気のせいだったのかな。誰かが入って来たと思ったのに。

「……はぁ」

 小さく息をした瞬間、俺の入っていた個室のドアがバタンと勢いよく開いた。

「……あ」

 立っていたのは、フードを被った盗賊のアニキ。
 一目で機嫌の悪さが分かる。マッチョさでは武器屋の店主に負けてるけど、身にまとう恐ろしいオーラでは勝負にならない。元気いっぱいのムスコが縮み上がりそうになった。

「てめえ、薬一つ買うのにどれだけ時間かかってんだよ」

 入ってくるなりそう言うと、後ろ手にドアを閉めた。

『は……』

 入ってます、と言おうとして断念した。アニキが俺との距離をつめ、俺の顎を掴んで上むかせたからだ。近い。怖い。

「なあ、兄ちゃん……お前今、大声を出そうとした訳じゃないよな」

 動かせる範囲内で首を振ると、アニキの目が満足気に細められた。

「俺は盗賊だ。この国の法律では盗賊は捕まったら処刑される。だから俺は大人しく捕まるつもりはない。お前が誰かを呼べば、最初に入って来た奴は死ぬことになる。お前は優しいから、見ず知らずの人間を、自分が助かるために犠牲にはしないよなぁ?」

 至近距離で囁かれ、有無を言わせない迫力に動機が激しくなる。
 高速で頷くと、アニキはようやく顎を放してくれた。

「……いい子だ。もの分かりのいいペットで嬉しいよ」
「ワン」
「だが……勝手にトイレに入るのは良くねえな」

 え?

 アニキの片手が、所在無さげに自己主張していた俺のムスコをギュッと掴む。

「あ!っ、あ、ああっ……!」

 体にビリビリと電流が走ったみたいに跳ねた。掴まれていなかったら絶対に何か出てたはずだ。

「おい、今大声を出すなって言ったよな?」

 そんな無茶な……!
 内心そう思ったけど、アニキが怖いから片手で口を押さえる。もう片方の手で、下げようとしていた下着を握って快感に耐えた。

「ペットがご主人様に無断でイッたら駄目だろ。しかも勝手にトイレで扱くとか、俺を馬鹿にしてんのか?」

 ヒィー。トイレに入っただけでキレられた。

『……し、してませ、んぅー』

 アニキの握力半端ない!圧縮されてミクロになるんじゃないだろうか、という疑念が生まれそうなほど強く握られて、俺はほとんど涙目だ。

『……っ、道に迷って……っ、アニキを探して、たら、偶然トイレに……あ、ふあぁ……』

 声のトーンを極力落とし、口から出まかせの言い訳をしているうちに、アニキの手の力が弱くなった。程よい力に変わってきて、先端を擦るように揉まれて気持ちいい。

『あっ……あうぅ』
「迷ったのなら仕方ねぇな」

 アニキはそう言うと、俺のムスコを握っていた手を放した。え?終わり?そして今の話信じたのか?

「最初だから許してやる。取り合えず脱げ」

 良かった、許された。脱げばいいのか。
 何だか頭がぼうっとして、何が正しくて自分がどうするべきなのか、判断出来なくなってきた。俺に分かるのは、アニキに逆らったら怖いという事と、助けを呼べば誰かが殺されるかもしれないという事だけだ。だから大人しくジャケットのボタンに手をかける。

「上はいい。下だけ脱げ」

 下なんてもうほとんど脱いでますけど。
 頭の中で反論し、ズボンと下着を脱いでジャケットとTシャツにブーツだけという間抜けなスタイルになった。動くと気持ちよくなるから、動きはスローだ。

 アニキに椅子型トイレの蓋の上に座れと言われたので、正座をすると再びキレられた。

「膝を抱えて足を開け」
『何言ってるか分かりません』

 分かるけど嫌だ。
 体育座りはお尻の薬が奥を刺激するから嫌だし、露出狂でもないのにそんな変態ポーズできるか。

「ご主人様に逆らうのか?」

 当たり前だ。誰がご主人様だ。俺はペットじゃない。自分の主人は自分だけだ。例えどんなに脅されても、やりたくないことはやらない。そんな事するくらいなら死んだ方がましだ。

「いい子だ」

 って、あれ?
 アニキが目を細め、俺は気づけばストリップ男優のように露出狂ポーズをとっていた。いつの間に……!?

『やっぱり今のは無しで……!』

 ノリのいい性格が災いした!だけど便座から降りるより早く、アニキが俺の体を押さえつけ、外気にすっかり馴染んできていた俺のムスコを口内におさめた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

オムツの取れない兄は妹に

rei
大衆娯楽
おねしょをしてしまった主人公の小倉莉緒が妹の瑞希におむつを当てられ、幼稚園に再入園させられてしまう恥辱作品。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

我慢できないっ

滴石雫
大衆娯楽
我慢できないショートなお話

ずっと女の子になりたかった 男の娘の私

ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。 ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。 そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。

童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった

なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。 ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

処理中です...