上 下
2 / 7

他人との初めての会話

しおりを挟む


「兄さん!兄さん!あの人助けなくちゃ!」
「そうだね。でも、どうしてこんな辺鄙な所に?」と言いながら、僕は千景を結界の中で待機させ倒れてる人を助けに行った。


「うわ、血だらけで今にも死にそう」
沢山怪我をしていた為魔法で怪我を治し、頑張って倒れてる男の人を背負って結界の中に入った。


「兄さん……その人死んじゃった?」
「千景大丈夫。生きてるよ」
「良かったぁ」と千景はとてもほっとしていた。千景は父と母以外とは会話をしたことが無い。そのせいかこの男の人に興味があるみたいだ。


少し前までは人がいる村にいたのだが、母が外国人ということもあり村八分にされていた為村の人から避けられていた。
僕は小学校までは村にいたから一応会話したことがある。弟の千景は幼稚園も行ってなかったから家族以外との会話を知らない。


3年前村を出て暮らそうという事になり人が誰もいない所に両親が家を建てた。
そこから学校に通うということになったのだが、モンスターが出現をし環境が変わった。


そんなモンスターから僕達を守った為両親が死んでしまった。
2年僕と千景だけで暮らしている。


「千景、この人家に入れるから扉開けて」
「あ、うん!」
僕はまた頑張って意識を失っている男の人をおんぶをして家に入った。
この男の人は僕より背が高い……僕の身長は145センチだから、この人は180センチくらいかな?羨ましい!でもまだまだ僕は成長するはずだから!!


意識のない男の人を父のベットに寝かして、僕と千景は夜ご飯を食べることにした。


ご飯を食べてる最中父の部屋からあの男の人が出てきた。
「君たちは?それにここは……」とキョロキョロとしている。
千景はびっくりしたのかそれとも人見知りなのか僕の後ろに隠れてしまった。


「ここは僕達の家です。貴方が森の中で倒れていた為この家に運びました。治療も僕です」
「そうか。君たちのご両親に礼を言いたいのだがどこにいるんだ?」
どうやらこの男の人は助けたのは僕達の両親とだと思っているみたいだ。


「貴方を助けたのは僕です。両親はいません。この家には僕と弟の千景だけです」と言うと目の前の男の人は驚いている。
「色々説明する前にご飯食べませんか?お腹空いてますか?」
「あ、ああ。」
「良かったら一緒に食べますか?」と聞くと返事より前に「ぐぅー」というお腹の音が聞こえた。


「座って下さい。貴方の分もありますから」
僕は前もってご飯を多く作っていたからこの男の人の分まで一応あるのだ。
「すまない。ありがとう」
男の人を椅子に座らせご飯をよそいテーブに置いた。


「色々話を聞く前に俺の名だけ名乗っておくな。俺は間宮蓮まみやれんという。助けてくれてどうもありがとう」
「間宮さんですね。僕は相川千尋です。こっちは弟の千景です」と自己紹介をすると千景はペコッとお辞儀をした。


「君達の年齢を聞いても?」
「僕が15歳で弟が9歳です」と答えるとまたしても間宮さんは驚いていた。
「千尋君と呼んでもいいかい?」
「どうぞ」
「失礼かもしれないが、千尋君はもうちょい幼いのかと……」


僕は少し行儀が悪いがお箸を間宮さんに指して「僕はこれからどんどん伸びるんです!」と答えた。すると、すぐさま「すまない」と謝ってくれた。
僕チビだけどすぐ伸びるもんね!!伸びるんだもん!!


ご飯を食べ終え間宮さんを助けた経緯を説明した。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

現代ダンジョンで成り上がり!

カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる! 現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。 舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。 四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。

強奪系触手おじさん

兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。

寡黙な男はモテるのだ!……多分

しょうわな人
ファンタジー
俺の名前は磯貝澄也(いそがいとうや)。年齢は四十五歳で、ある会社で課長職についていた。 俺は子供の頃から人と喋るのが苦手で、大人になってからもそれは変わることが無かった。 そんな俺が何故か課長という役職についているのは、部下になってくれた若者たちがとても優秀だったからだと今でも思っている。 俺の手振り、目線で俺が何をどうすれば良いかと察してくれる優秀な部下たち。俺が居なくなってもきっと会社に多大な貢献をしてくれている事だろう。 そして今の俺は目の前に神と自称する存在と対話している。と言ってももっぱら喋っているのは自称神の方なのだが……

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

異世界で【配達スキル】を使ってダンジョンまでデリバリーしたいと思います。

黒猫
ファンタジー
日本でアルバイトでデリバリーの仕事をしたらトラックに跳ねられてしまった。 でも、神様のイタズラなのか目を覚ますと僕は異世界に着ていた。 神様からもらった[配達]のスキルを使ってこの世界でもお金を稼いでみせる! でも、まさかトラブルの連続に僕の異世界ライフはどうなってるんだ!? 攻撃力ゼロでも配達のスキルで生き抜くファンタジーをお届けします!

動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!

海夏世もみじ
ファンタジー
 旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました  動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。  そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。  しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!  戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜

華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日  この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。  札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。  渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。  この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。  一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。  そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。 この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。 この作品はフィクションです。 実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

処理中です...