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他人との初めての会話
しおりを挟む「兄さん!兄さん!あの人助けなくちゃ!」
「そうだね。でも、どうしてこんな辺鄙な所に?」と言いながら、僕は千景を結界の中で待機させ倒れてる人を助けに行った。
「うわ、血だらけで今にも死にそう」
沢山怪我をしていた為魔法で怪我を治し、頑張って倒れてる男の人を背負って結界の中に入った。
「兄さん……その人死んじゃった?」
「千景大丈夫。生きてるよ」
「良かったぁ」と千景はとてもほっとしていた。千景は父と母以外とは会話をしたことが無い。そのせいかこの男の人に興味があるみたいだ。
少し前までは人がいる村にいたのだが、母が外国人ということもあり村八分にされていた為村の人から避けられていた。
僕は小学校までは村にいたから一応会話したことがある。弟の千景は幼稚園も行ってなかったから家族以外との会話を知らない。
3年前村を出て暮らそうという事になり人が誰もいない所に両親が家を建てた。
そこから学校に通うということになったのだが、モンスターが出現をし環境が変わった。
そんなモンスターから僕達を守った為両親が死んでしまった。
2年僕と千景だけで暮らしている。
「千景、この人家に入れるから扉開けて」
「あ、うん!」
僕はまた頑張って意識を失っている男の人をおんぶをして家に入った。
この男の人は僕より背が高い……僕の身長は145センチだから、この人は180センチくらいかな?羨ましい!でもまだまだ僕は成長するはずだから!!
意識のない男の人を父のベットに寝かして、僕と千景は夜ご飯を食べることにした。
ご飯を食べてる最中父の部屋からあの男の人が出てきた。
「君たちは?それにここは……」とキョロキョロとしている。
千景はびっくりしたのかそれとも人見知りなのか僕の後ろに隠れてしまった。
「ここは僕達の家です。貴方が森の中で倒れていた為この家に運びました。治療も僕です」
「そうか。君たちのご両親に礼を言いたいのだがどこにいるんだ?」
どうやらこの男の人は助けたのは僕達の両親とだと思っているみたいだ。
「貴方を助けたのは僕です。両親はいません。この家には僕と弟の千景だけです」と言うと目の前の男の人は驚いている。
「色々説明する前にご飯食べませんか?お腹空いてますか?」
「あ、ああ。」
「良かったら一緒に食べますか?」と聞くと返事より前に「ぐぅー」というお腹の音が聞こえた。
「座って下さい。貴方の分もありますから」
僕は前もってご飯を多く作っていたからこの男の人の分まで一応あるのだ。
「すまない。ありがとう」
男の人を椅子に座らせご飯をよそいテーブに置いた。
「色々話を聞く前に俺の名だけ名乗っておくな。俺は間宮蓮という。助けてくれてどうもありがとう」
「間宮さんですね。僕は相川千尋です。こっちは弟の千景です」と自己紹介をすると千景はペコッとお辞儀をした。
「君達の年齢を聞いても?」
「僕が15歳で弟が9歳です」と答えるとまたしても間宮さんは驚いていた。
「千尋君と呼んでもいいかい?」
「どうぞ」
「失礼かもしれないが、千尋君はもうちょい幼いのかと……」
僕は少し行儀が悪いがお箸を間宮さんに指して「僕はこれからどんどん伸びるんです!」と答えた。すると、すぐさま「すまない」と謝ってくれた。
僕チビだけどすぐ伸びるもんね!!伸びるんだもん!!
ご飯を食べ終え間宮さんを助けた経緯を説明した。
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