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ー最終部ー 本当の繋がりと想いを共に
ー第21話ー 聖夜に想う二人
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時期は十二月の半ば、文化祭の余韻なんてものはとうに無く。全く別の高揚感が学校全体にあると感じる。
当然と言えば当然。目前に冬休みとクリスマスがセットでやってくる。
学生なら誰もが高鳴る。というものなのかもしれない。
尤もクリスマスの方は主にカップルにとってのイベントなので・・・と思っていたけど。
探してみるとカップル成立の割合が結構高い事に気付く。
あの忙しい中でどうやって?と思うけど。修学旅行や文化祭など考えてみれば其れなりにチャンスがあったと気付く。
その辺りなら忙しくとも自由な時間も作ればあったしね。そしてカップルと言えば僕も・・・だね。
だからだと思う。クリスマスが近いこの時期になって嫌な視線に気付く事になったのは。
「いいなぁ・・・俺も彼女欲しいなぁ・・・。」
そしてセットで聞こえて来るようになった呪詛。それが彼だと判っていても怖いと感じる。
「なんで彼女出来ねぇんだよ。今年こそはって思っていたのによぉ。」
これもまた呪詛になりつつある彼の言葉。流石にそれは仕方ないと思うしかないと思うけど。
今まで大して気にしていなかった彼の人間関係。
でも修学旅行以降から見えて来た彼の人の悪さが見えてから気になるようになった。
で、見えて来た彼の人間関係の狭さ。少し変わった趣味も原因かな?と考えもしたけど。
どうも修学旅行で見せた自分勝手ななところが元々としてあったようで、
それが彼の人間関係の狭さに繋がってしまうようだ。
最初は僕の方が人間関係が狭かった。転校生だし、それが当たり前だけど。
でも気が付けばそれも逆転していた。正直、僕がここまで誰かと関わるようになるなんて驚く事だったけど。
彼と友人になった事がきっかけになり、そして彼女が意外と社交的で、より人間関係が広がった感じだ。
「なぁ、たのむよぉぅ、誰か女の子紹介してくれよぉ。」
えっ?、何時の間に?だった。僕の腕にしがみつき、泣いている様な声で言ってくる彼。正直気持ち悪い。
何より彼の本命は僕の方では無く彼女の方のはず。
何故なら彼女の交遊関係なら女の子が多くいると知っているから。
で、何故だったら僕に頼んでくるのか。僕と彼女の仲が良いから?。
実は最近になって知った事だったけど。彼と彼女の仲が悪いとの事。
え?、何で?。と思ったし、一応二人共に話しを聞こうとしたけど。
彼も彼女も話してはくれなかった。何故(なにゆえ)。
で、だから僕に頼んで来ているのだと思うんだけど、勘弁して・・・・・・。
「いい加減にして。」
と、考えている内に当人の声が聞こえて来た。彼女だ。
「貴方がそんな人だから女子に嫌われているって気付かない?。」
鋭い表情、鋭い声で言う彼女。でも般若さんは確認出来ないと。
「そっ、そんなって、どう言う事だよ。」
彼の、声は強がっているて伝わるけど。顔は動揺してる・・・だよね。
「他力本願。」
「自分勝手。」
「相手の事を知ろうとも思ってない。」
「他人を利用する事しか考えてない。」
「女子とセックスする事意外に女子に価値を見出だしていない。」
「美人以外は無価値だと思っている。」
以降五分程続くが、聞くに耐えないので省略。
えっとぉ・・・・結構初耳なのもあったけどぉ・・・・マジなの?。
ただ場が凍ったたのは事実で、それから少しの間教室は静まり返った。
で、結局真偽はうやむやのままになったまま・・・・。気まずい雰囲気だけが残っていた。
そしてもう一つ、彼に課せられていた大量の課題。結局免除となっていた。
明らかに量を間違えている事に教師が今更ながらに気付いた事もあったけど。
一応これまで彼が真面目に課題を片付けていた事が評価されたのもあったようだ。
尤も、それに関しては彼女が厳しく監視してくれていたお陰だと言えるけど。
実際彼自身課題をサボろうと何度画策したやら、だったし。
そして課題が免除されたらこうも好き勝手やっている。うん、呆れておこう。
「で、だ。クリスマスなんか予定あるのか?。無いなら一緒に遊ぼうぜ?。」
何か突然明るい感じで僕に言ってくる彼。何?、何なの?。
「駄目よ。」
彼の言葉に反応しての彼女の言葉。けどさっきとは違い、重く教室全体を絶対零度に導く恐ろしいプレッシャーを感じる。
確認するまでもない、けどやっぱり目を向けてしまう・・・いた。彼女の背後に般若さん。
「彼は私とクリスマスを過ごすの、邪魔をしないで。」
こうも睥睨しているなんて表現が似合う場面なんてそう無いじゃないかな。
何故なら彼女のプレッシャーのせいで教室の全員が腰を抜かし、床に尻を付いていたから・・・・。
ほんとに加減ってものを覚えてほしいし、相変わらず容赦がないなぁ。
「あぁ・・・分かった、分かったから・・・・。」
出ない声を無理に出している感じで言う彼。で、ついでに泣いているね。分かるけど・・・。
「そう・・・。」
そう彼女がいったと同時にプレッシャーが消えたと感じる。で、なんとも痛い視線が彼に集中する。
うん、そうだよね。彼女を怒らせた。だから彼を怒りたくなる。だよね・・・。
しかしだ、彼にはまだ問題が残っていたはずだけど。どうするんだろう?。
実は彼、現在大学受験へ向けての成績がかなり微妙だったはず。それも割りとヤバいレベルで。
尤もそれは本人に任せるしかなし、自分の責任・・・だね。うん、ほっとこう。
それから終業式まではほんとあっという間で、より受かれた感じを確認出来るようになっていた。
そしてクリスマスイブ。叔母が有給休暇をとって三人で過ごす事になる。
「相変わらず敵意を向けてくるねぇ、あんたは。」
「だって彼と自由に過ごさせてくれないから・・・。」
「だったら自重ってもんを覚えな。危なっかしいよ全く、あんたらは。」
相変わらず火花を散らす女性二人。
けど、この関係のお陰で程の良い家族関係になっていると思う。あんまり喧嘩は歓迎したくないけど・・・・・・。
「あんたもだよっ!。」
と、いきなり叔母に背中を叩かれる。て、え?、僕も?。何で?。
「あんたらが仲良いのは分かる。けどだからってほいほいとセックスするのは違うよ。
セックスてのは其れなりにリスクはあるし、責任を伴う行為だし、
間違っても子供の遊び感覚でして良い事じゃないよ。
その自覚をしてほしいのさ。あんたらが将来結婚するとしてもね。」
「・・・・分かった。彼との結婚は決まっている事だし、焦らないようにするわ。」
叔母の説教に彼女が応える様に返すって。
て、あれっ?。えっ?。ちょっと待って。僕達が結婚するって?、何時決めたっけ?、いや決めてないよね?。
同じく不意を突かれ、慌てる様に僕と彼女を交互に見る叔母。いやいやいやいや、そんな事実は無いからね。
その後、直ぐ様叔母の尋問が始まった。結構怖い顔になって・・・・・・。
彼女の方は僕との結婚は決まっていると一貫していて、頑なな態度を通した。
一方の僕は彼女の言った事の事実は無いと釈明をしたけど。
そこで彼女から「嘘、私とは遊びだったの?。あんなに愛しているって言ってくれたのに。」という、
凶悪かつ最悪の爆弾が投下される。
て、ちょっと待って、彼女の事。好きだと言った事はあるけど、愛しているって言った事無いよね?。
まあ、同じ意味の事を言っているのかもだけど・・・・。
でもそこからが滅茶苦茶だった。彼女の有る事無い事口撃。そしてそれにひたすら振り回されるだけの叔母と僕。
最終的には叔母は疲れきっていた。僕もだけど・・・・・・。
「はぁ・・・もう好きにしな・・・・・・。」
結局、叔母の逃走という形で決着していた。えっとぉ・・・もしかしてヤバい?。
「うふっ、やったね。」
そう考えている内に満面の笑みを向けて僕の目の前に立つ彼女。身の危険を感じた方が良いかな?。と思っていると。
「さぁて、お風呂に入ろっ。」
と言って去っていく彼女にずっこける事になる僕。気のせいだった?。
けど、それが気のせいではなかったと翌日思い知る事になる。
そして翌日の朝。
「悪いんだけど、今日は遅くなるからね、二人共頼んだよ。」
朝食中に叔母が言ってきた言葉に思わず?となる。
基本的に叔母は仕事で帰る時間が遅くなる事を伝える事はしない。
それは安易に僕と彼女がセックスをするチャンスを作らせない為だ。
それらは叔母と僕達との約束が成立しているからでもあったけど。
原則セックスはこの家のみでする事。そして叔母がいない夜の時間のみ。
一応叔母に許可を取っても良いとなっていたけど、降りた試しはない。
でもだからこそ今朝の叔母の言葉は不可思議に感じるものだけど・・・・。
とりあえず彼女の方を見てみる・・・うわぁ、嬉しそうにしてる、してるよ。
そしてどうこう考えている内に叔母が出勤する。
「ねぇ、今日は一日デートだね。」
極上の笑顔と言って良い彼女。で、するんだよね、久し振りに。
叔母の目を盗んで、何度かはしてたけど。修学旅行以降忙し過ぎてご無沙汰だった。
と言っても朝っぱらからというのもどうかというところ。
そこは彼女も同意見で、朝十時辺りからショッピングデートという事になった。
「クリスマスデート、クリスマスデート。」
呆れる位に浮かれ、嬉しそうにする彼女。
けど僕はそんな彼女の手を繋ぎ、握り、そして隣にいる。
ただショッピングデートと言っても大層な物は流石に買えず。
色々と見て回るブラインドショッピングがメインになっていた。
でも楽しい時間なのは確かで、気が付けば空も暗い時間になっていた。
「そろそろ帰りましょ。」
「うん、そうだね。」
思ったよりも早く彼女から帰ると言いだすけど異論は無く。夕食の時間を待つ事無く帰る事になった。
そして家での夕食。その後は予想通り、かな。
いつもながらだけど。どうしてセックスは僕の部屋でなんだろ?。一応聞いてみる。
「だって後が匂うし、それが私の部屋だったら尚嫌だし・・・ね。」
いや、最後で可愛い顔して誤魔化しても・・・てか自分勝手な事を言ってるって自覚あるんだ一応。まあ良いけど。
そしていつもの僕の部屋。実に嬉しそうにしながら服を脱ぐ彼女。ちょっと怖い。
僕もセックスは嫌いじゃない、好きだとは思う。けど彼女程積極的にはなれない。
そしてもう裸になった彼女を見て思う。もう少しで良いから恥じらいを持ってほしいと・・・・。
「ねぇ、早くしてよ。」
まだ服を脱ぎきれていない僕を見て彼女が言う。うわぁ、女の子なのにがつがつしてる・・・・。
少し慌てて僕も裸になる。すると「早くっ、ベッドにっ!。」とまた彼女にせっつかれる。
正直思春期の人間がこうも異性にこうも裸で煽られると、というのが普通かもしれない。
けど彼女がどうも何かに焦っていると今更ながらに気付き、それが伝わって来る。
だから彼女と体を重ね、繋がっているのを感じてもどこか違和感が残り続けていた。
「ねぇ、君をちゃんと好きになりたい。」
一度果てて、荒くなった呼吸を整えながら僕は言った。
「?。どういう事?。」
彼女から返って来る言葉。うん、そうなるよね。考えもあまり纏まっていないままに言ってしまったからかもしれないね。
「多分僕は誰かを好きなるという事を、ちゃんと理解出来てないんじゃないかと思う。
だからちゃんと好きという事を理解したい。そして君をちゃんと好きになりたい。」
多分端から見れば何を言っているんだってなるかもしれない。けど、それでも僕の気持ちを伝えたい。そう思った。
「難しい事を考えてるんだね。私はただ君を好きになって、それでセックスして。
それが恋人とという関係だと思ったし、君も満足してくれるって思ってた。」
「そういう関係もあるのかもしれない。けど僕は嫌だよ。そういうの。
だって教ええて貰えたから。誰かを大切に想う事。そして繋がっていくという事。
叔母さんの子になって、それから色々知って、色々教えて貰った。叔母さんだけじゃなく彼や君からも。
だから君が言った様なただ流されるだけの関係には絶対になりたくない。
君をもっと大切に想いたいし、大切な人になってほしい。」
途中から涙声になっていた。言っている中で色々と思い出したから・・・。
今まであったつらい事、痛いと思った事、そして楽しかった事。本当に色々と・・・・。
なんでか今の状況とは関係無い事まで頭に浮かび流れていた。
けど、そういう事があったから僕はこの考え方にたどり着いたのかもしれない。
痛みを知っているから、つらいという事を知っているから、そして楽しいという事も・・・・。
「本当に難しい事を考えるんだね。でもなんでだろ、私も嬉しいって感じてるの。
だからね、少しで良いから時間が欲しい。私も”大切”という事を知りたいから・・・。」
僕が涙声になってしまったからかな。彼女の言葉も途中から涙声になっていた。
だけど、僕が言いたかった事は伝わったんじゃないかと思う。そこは素直に嬉しい。
と、思っている内に彼女が僕の上に乗っていた。え~~とぉ、何かな?。
「で、もう一回しよ。」
え?、何でそうなるの?僕の話しちゃんと聞いていたかな?。って思っている内に僕のものからゴムを外してと・・・。
「今はは楽しみましょ。」
つまり・・・かな?、面倒な事は後で考えるみたいな感じなのかな。
結局また彼女に流されるままになってしまう。実は前途多難?。
もしかしたら僕達は恋人とという関係にはなれていないのかもしれない。
けど僕はそういう関係になりたい、目指したいと思っている。
そして彼女にもそれに気付いて、一緒に歩いていけたらと願う。ちょっと、前途多難っぽいど。
当然と言えば当然。目前に冬休みとクリスマスがセットでやってくる。
学生なら誰もが高鳴る。というものなのかもしれない。
尤もクリスマスの方は主にカップルにとってのイベントなので・・・と思っていたけど。
探してみるとカップル成立の割合が結構高い事に気付く。
あの忙しい中でどうやって?と思うけど。修学旅行や文化祭など考えてみれば其れなりにチャンスがあったと気付く。
その辺りなら忙しくとも自由な時間も作ればあったしね。そしてカップルと言えば僕も・・・だね。
だからだと思う。クリスマスが近いこの時期になって嫌な視線に気付く事になったのは。
「いいなぁ・・・俺も彼女欲しいなぁ・・・。」
そしてセットで聞こえて来るようになった呪詛。それが彼だと判っていても怖いと感じる。
「なんで彼女出来ねぇんだよ。今年こそはって思っていたのによぉ。」
これもまた呪詛になりつつある彼の言葉。流石にそれは仕方ないと思うしかないと思うけど。
今まで大して気にしていなかった彼の人間関係。
でも修学旅行以降から見えて来た彼の人の悪さが見えてから気になるようになった。
で、見えて来た彼の人間関係の狭さ。少し変わった趣味も原因かな?と考えもしたけど。
どうも修学旅行で見せた自分勝手ななところが元々としてあったようで、
それが彼の人間関係の狭さに繋がってしまうようだ。
最初は僕の方が人間関係が狭かった。転校生だし、それが当たり前だけど。
でも気が付けばそれも逆転していた。正直、僕がここまで誰かと関わるようになるなんて驚く事だったけど。
彼と友人になった事がきっかけになり、そして彼女が意外と社交的で、より人間関係が広がった感じだ。
「なぁ、たのむよぉぅ、誰か女の子紹介してくれよぉ。」
えっ?、何時の間に?だった。僕の腕にしがみつき、泣いている様な声で言ってくる彼。正直気持ち悪い。
何より彼の本命は僕の方では無く彼女の方のはず。
何故なら彼女の交遊関係なら女の子が多くいると知っているから。
で、何故だったら僕に頼んでくるのか。僕と彼女の仲が良いから?。
実は最近になって知った事だったけど。彼と彼女の仲が悪いとの事。
え?、何で?。と思ったし、一応二人共に話しを聞こうとしたけど。
彼も彼女も話してはくれなかった。何故(なにゆえ)。
で、だから僕に頼んで来ているのだと思うんだけど、勘弁して・・・・・・。
「いい加減にして。」
と、考えている内に当人の声が聞こえて来た。彼女だ。
「貴方がそんな人だから女子に嫌われているって気付かない?。」
鋭い表情、鋭い声で言う彼女。でも般若さんは確認出来ないと。
「そっ、そんなって、どう言う事だよ。」
彼の、声は強がっているて伝わるけど。顔は動揺してる・・・だよね。
「他力本願。」
「自分勝手。」
「相手の事を知ろうとも思ってない。」
「他人を利用する事しか考えてない。」
「女子とセックスする事意外に女子に価値を見出だしていない。」
「美人以外は無価値だと思っている。」
以降五分程続くが、聞くに耐えないので省略。
えっとぉ・・・・結構初耳なのもあったけどぉ・・・・マジなの?。
ただ場が凍ったたのは事実で、それから少しの間教室は静まり返った。
で、結局真偽はうやむやのままになったまま・・・・。気まずい雰囲気だけが残っていた。
そしてもう一つ、彼に課せられていた大量の課題。結局免除となっていた。
明らかに量を間違えている事に教師が今更ながらに気付いた事もあったけど。
一応これまで彼が真面目に課題を片付けていた事が評価されたのもあったようだ。
尤も、それに関しては彼女が厳しく監視してくれていたお陰だと言えるけど。
実際彼自身課題をサボろうと何度画策したやら、だったし。
そして課題が免除されたらこうも好き勝手やっている。うん、呆れておこう。
「で、だ。クリスマスなんか予定あるのか?。無いなら一緒に遊ぼうぜ?。」
何か突然明るい感じで僕に言ってくる彼。何?、何なの?。
「駄目よ。」
彼の言葉に反応しての彼女の言葉。けどさっきとは違い、重く教室全体を絶対零度に導く恐ろしいプレッシャーを感じる。
確認するまでもない、けどやっぱり目を向けてしまう・・・いた。彼女の背後に般若さん。
「彼は私とクリスマスを過ごすの、邪魔をしないで。」
こうも睥睨しているなんて表現が似合う場面なんてそう無いじゃないかな。
何故なら彼女のプレッシャーのせいで教室の全員が腰を抜かし、床に尻を付いていたから・・・・。
ほんとに加減ってものを覚えてほしいし、相変わらず容赦がないなぁ。
「あぁ・・・分かった、分かったから・・・・。」
出ない声を無理に出している感じで言う彼。で、ついでに泣いているね。分かるけど・・・。
「そう・・・。」
そう彼女がいったと同時にプレッシャーが消えたと感じる。で、なんとも痛い視線が彼に集中する。
うん、そうだよね。彼女を怒らせた。だから彼を怒りたくなる。だよね・・・。
しかしだ、彼にはまだ問題が残っていたはずだけど。どうするんだろう?。
実は彼、現在大学受験へ向けての成績がかなり微妙だったはず。それも割りとヤバいレベルで。
尤もそれは本人に任せるしかなし、自分の責任・・・だね。うん、ほっとこう。
それから終業式まではほんとあっという間で、より受かれた感じを確認出来るようになっていた。
そしてクリスマスイブ。叔母が有給休暇をとって三人で過ごす事になる。
「相変わらず敵意を向けてくるねぇ、あんたは。」
「だって彼と自由に過ごさせてくれないから・・・。」
「だったら自重ってもんを覚えな。危なっかしいよ全く、あんたらは。」
相変わらず火花を散らす女性二人。
けど、この関係のお陰で程の良い家族関係になっていると思う。あんまり喧嘩は歓迎したくないけど・・・・・・。
「あんたもだよっ!。」
と、いきなり叔母に背中を叩かれる。て、え?、僕も?。何で?。
「あんたらが仲良いのは分かる。けどだからってほいほいとセックスするのは違うよ。
セックスてのは其れなりにリスクはあるし、責任を伴う行為だし、
間違っても子供の遊び感覚でして良い事じゃないよ。
その自覚をしてほしいのさ。あんたらが将来結婚するとしてもね。」
「・・・・分かった。彼との結婚は決まっている事だし、焦らないようにするわ。」
叔母の説教に彼女が応える様に返すって。
て、あれっ?。えっ?。ちょっと待って。僕達が結婚するって?、何時決めたっけ?、いや決めてないよね?。
同じく不意を突かれ、慌てる様に僕と彼女を交互に見る叔母。いやいやいやいや、そんな事実は無いからね。
その後、直ぐ様叔母の尋問が始まった。結構怖い顔になって・・・・・・。
彼女の方は僕との結婚は決まっていると一貫していて、頑なな態度を通した。
一方の僕は彼女の言った事の事実は無いと釈明をしたけど。
そこで彼女から「嘘、私とは遊びだったの?。あんなに愛しているって言ってくれたのに。」という、
凶悪かつ最悪の爆弾が投下される。
て、ちょっと待って、彼女の事。好きだと言った事はあるけど、愛しているって言った事無いよね?。
まあ、同じ意味の事を言っているのかもだけど・・・・。
でもそこからが滅茶苦茶だった。彼女の有る事無い事口撃。そしてそれにひたすら振り回されるだけの叔母と僕。
最終的には叔母は疲れきっていた。僕もだけど・・・・・・。
「はぁ・・・もう好きにしな・・・・・・。」
結局、叔母の逃走という形で決着していた。えっとぉ・・・もしかしてヤバい?。
「うふっ、やったね。」
そう考えている内に満面の笑みを向けて僕の目の前に立つ彼女。身の危険を感じた方が良いかな?。と思っていると。
「さぁて、お風呂に入ろっ。」
と言って去っていく彼女にずっこける事になる僕。気のせいだった?。
けど、それが気のせいではなかったと翌日思い知る事になる。
そして翌日の朝。
「悪いんだけど、今日は遅くなるからね、二人共頼んだよ。」
朝食中に叔母が言ってきた言葉に思わず?となる。
基本的に叔母は仕事で帰る時間が遅くなる事を伝える事はしない。
それは安易に僕と彼女がセックスをするチャンスを作らせない為だ。
それらは叔母と僕達との約束が成立しているからでもあったけど。
原則セックスはこの家のみでする事。そして叔母がいない夜の時間のみ。
一応叔母に許可を取っても良いとなっていたけど、降りた試しはない。
でもだからこそ今朝の叔母の言葉は不可思議に感じるものだけど・・・・。
とりあえず彼女の方を見てみる・・・うわぁ、嬉しそうにしてる、してるよ。
そしてどうこう考えている内に叔母が出勤する。
「ねぇ、今日は一日デートだね。」
極上の笑顔と言って良い彼女。で、するんだよね、久し振りに。
叔母の目を盗んで、何度かはしてたけど。修学旅行以降忙し過ぎてご無沙汰だった。
と言っても朝っぱらからというのもどうかというところ。
そこは彼女も同意見で、朝十時辺りからショッピングデートという事になった。
「クリスマスデート、クリスマスデート。」
呆れる位に浮かれ、嬉しそうにする彼女。
けど僕はそんな彼女の手を繋ぎ、握り、そして隣にいる。
ただショッピングデートと言っても大層な物は流石に買えず。
色々と見て回るブラインドショッピングがメインになっていた。
でも楽しい時間なのは確かで、気が付けば空も暗い時間になっていた。
「そろそろ帰りましょ。」
「うん、そうだね。」
思ったよりも早く彼女から帰ると言いだすけど異論は無く。夕食の時間を待つ事無く帰る事になった。
そして家での夕食。その後は予想通り、かな。
いつもながらだけど。どうしてセックスは僕の部屋でなんだろ?。一応聞いてみる。
「だって後が匂うし、それが私の部屋だったら尚嫌だし・・・ね。」
いや、最後で可愛い顔して誤魔化しても・・・てか自分勝手な事を言ってるって自覚あるんだ一応。まあ良いけど。
そしていつもの僕の部屋。実に嬉しそうにしながら服を脱ぐ彼女。ちょっと怖い。
僕もセックスは嫌いじゃない、好きだとは思う。けど彼女程積極的にはなれない。
そしてもう裸になった彼女を見て思う。もう少しで良いから恥じらいを持ってほしいと・・・・。
「ねぇ、早くしてよ。」
まだ服を脱ぎきれていない僕を見て彼女が言う。うわぁ、女の子なのにがつがつしてる・・・・。
少し慌てて僕も裸になる。すると「早くっ、ベッドにっ!。」とまた彼女にせっつかれる。
正直思春期の人間がこうも異性にこうも裸で煽られると、というのが普通かもしれない。
けど彼女がどうも何かに焦っていると今更ながらに気付き、それが伝わって来る。
だから彼女と体を重ね、繋がっているのを感じてもどこか違和感が残り続けていた。
「ねぇ、君をちゃんと好きになりたい。」
一度果てて、荒くなった呼吸を整えながら僕は言った。
「?。どういう事?。」
彼女から返って来る言葉。うん、そうなるよね。考えもあまり纏まっていないままに言ってしまったからかもしれないね。
「多分僕は誰かを好きなるという事を、ちゃんと理解出来てないんじゃないかと思う。
だからちゃんと好きという事を理解したい。そして君をちゃんと好きになりたい。」
多分端から見れば何を言っているんだってなるかもしれない。けど、それでも僕の気持ちを伝えたい。そう思った。
「難しい事を考えてるんだね。私はただ君を好きになって、それでセックスして。
それが恋人とという関係だと思ったし、君も満足してくれるって思ってた。」
「そういう関係もあるのかもしれない。けど僕は嫌だよ。そういうの。
だって教ええて貰えたから。誰かを大切に想う事。そして繋がっていくという事。
叔母さんの子になって、それから色々知って、色々教えて貰った。叔母さんだけじゃなく彼や君からも。
だから君が言った様なただ流されるだけの関係には絶対になりたくない。
君をもっと大切に想いたいし、大切な人になってほしい。」
途中から涙声になっていた。言っている中で色々と思い出したから・・・。
今まであったつらい事、痛いと思った事、そして楽しかった事。本当に色々と・・・・。
なんでか今の状況とは関係無い事まで頭に浮かび流れていた。
けど、そういう事があったから僕はこの考え方にたどり着いたのかもしれない。
痛みを知っているから、つらいという事を知っているから、そして楽しいという事も・・・・。
「本当に難しい事を考えるんだね。でもなんでだろ、私も嬉しいって感じてるの。
だからね、少しで良いから時間が欲しい。私も”大切”という事を知りたいから・・・。」
僕が涙声になってしまったからかな。彼女の言葉も途中から涙声になっていた。
だけど、僕が言いたかった事は伝わったんじゃないかと思う。そこは素直に嬉しい。
と、思っている内に彼女が僕の上に乗っていた。え~~とぉ、何かな?。
「で、もう一回しよ。」
え?、何でそうなるの?僕の話しちゃんと聞いていたかな?。って思っている内に僕のものからゴムを外してと・・・。
「今はは楽しみましょ。」
つまり・・・かな?、面倒な事は後で考えるみたいな感じなのかな。
結局また彼女に流されるままになってしまう。実は前途多難?。
もしかしたら僕達は恋人とという関係にはなれていないのかもしれない。
けど僕はそういう関係になりたい、目指したいと思っている。
そして彼女にもそれに気付いて、一緒に歩いていけたらと願う。ちょっと、前途多難っぽいど。
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