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第六章 因縁と家族
第10話 終演
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その日、宮廷には多くの貴族が集まっていた。国民に愛されるルイス王子と、その王子が愛するライラ様の婚約発表のパーティーが開かれるからだ。
王子とライラ様の婚約はとんとん拍子で進んでいった。ライラ様が気にしていた「自分は次女だから」という懸念も、レイチェルお嬢様自らが身を引いたことで円満に解決することとなった。もともと貴族社会でも評価の高かったライラ様だ。宮廷の中でも反対する者はいなかったと聞く。
「綺麗ですね、ライラ様」
「ええ」
多くの貴族が見守る中、ライラ様は微笑んでいた。上品な桃色のドレスはスカート部分に白いチュールが幾重にも重ねられて優しく揺れていた。胸元部分には白い糸で細かな花の刺繍が施されている。パーティーの主役に相応しい出で立ちだった。
丁寧に編み込まれた栗色の髪に、王子がティアラを載せた。あちこちから上がる祝福の声。
王子とライラ様は手を取り合ってダンスホールの中央に進み出る。二人とも、幸せそうに微笑んでいた。奏でられる優雅な音楽にあわせて、お披露目のダンスが始まった。
会場にいる令嬢たちから、羨望のため息が聞こえる。
「婚約発表でこの祝福ぶりでは、挙式当日の想像ができんな」
「あら、パッサン卿。いらっしゃっていたんですね」
お嬢様が目をぱちぱちと瞬かせた。祝いの場には似合わない無愛想な顔をしたパッサン卿がいた。パッサン卿の後ろから「私もいますよ」とエマが顔を出す。パッサン卿は体が大きいから、小柄なエマはすっぽりと隠れてしまう。
「殿下直々に招待をされたので、さすがのじいちゃんも断ることができなかったんです。普段だったらこういう場所には絶対来ないんですけどね」
パッサン卿はふんっとそっぽを向いた。エマはレオンを見るとくすりと笑う。
「なんだか、街で過ごしていたレオンが宮廷にいるのって不思議だね。でも、すっかりこの世界が板についたみたい。最初バルド家のお屋敷に来たときは緊張でガチガチだったのに」
「ありがとう。今もすごく緊張しているんですけどね。でも皆さんが色々と教育をつけてくださったので、自信は少しずつついてきました」
レオンはそう言ってはにかんだ。当たり前じゃないですか、とマリーが胸を張る。
「なんといっても、レオンの教育係りは私ですからね。しっかりみっちり教え込みましたよ」
マリー、エマ、レオンはくすくすと笑いあった。それをみて、パッサン卿が「小動物の集まりだな」と言う。お嬢様が小さく吹き出した。ふと、私は人だかりに一際目立つ深緑の長髪を見つける。
「こういう場にいつも来ない天才が、もう一人いらっしゃるようですね」
ディーは私に気づくとぱっと笑顔を浮かべて手を振り近付いてくる。会いたかったですよ、と瞳が細められた。
「ディーも、殿下から招待を?」
「ええ。ダンスの曲を演奏してほしいと頼まれまして」
「え、それって、今ここにいても大丈夫なんですか?」
レオンが首を傾げた。今は王子とライラ様のダンス真っ最中だ。おそらく、この演奏をしてほしくてディーは招待をされているのだろう。心配する私たちをよそに、ディーはそうですねえと笑った。
「気分が乗らなかったので、またあとでとお断りしてしまいました」
え、と私たちの声が重なる。
「そんな緩い感じでいいんですか?」
「皆さん、仕方ないな、と笑いながら許してくださいましたよ」
にこりと微笑む。
ディーは演奏したいときに演奏し、歌いたいときに歌い、絵を描きたいときに描く。そうして気ままにしているからこそ、彼の芸術は完成するのだろう。彼に芸術を強制させるべきではないと、宮廷の人間も思っているのかもしれない。ディーも大物よね、とお嬢様は笑った。
「わたくしの周囲も、ずいぶん賑やかになったものだわ」
お嬢様は私たちを見まわした。
王子とライラ様のダンスが終わり、ダンスホールは拍手に包まれた。二人は互いにお辞儀をして微笑み合う。ライラ様はそっとその場を離れて、使用人のジルやメイドたちのもとに向かった。残された王子は誰かを探すように辺りを見回している。
「そういえば、二度目のダンスってどうされるんでしょうか」
エマが首を傾げた。
「二度目のダンスは婚約者の母親と踊る決まりですよね」
婚約発表のパーティーでは、王子は二回ダンスを踊ることになっている。一度目はお披露目のために婚約者の令嬢と。そして二度目のダンスは「あなたの娘を幸せにします」という約束をこめて、婚約者の母と踊るのだ。だがライラ様の母親であるアンナ様は、もういない。
「アンナ様も、この場で踊りたかったでしょうね」
お嬢様がそう呟いたとき、王子の視線がお嬢様を捉えた。
王子はお嬢様のもとにきて、うやうやしくその膝をつく。
「レイチェル嬢。二度目のダンスのお相手を、お願いできませんか」
「わたくしですか?」
「ええ。ライラ嬢と私からのお願いです」
お嬢様がライラ様をみると、ライラ様は微笑んで頷いた。最初から、そのつもりだったようだ。
「お嬢様、行ってらっしゃいませ」
「――ええ」
お嬢様はゆっくりと、王子の手を取る。
「レイチェル様が踊るのであれば、私も花を添えましょう」
ディーはそう言うと、楽しそうに楽器隊の中にまざっていった。お嬢様は王子に手を引かれて、ダンスホールの中央に進み出た。互いにお辞儀をして手を取り合う。
ディーの奏でるヴァイオリンの音色がホールに響いた。その一音で、談笑をしていた貴族たちも口を閉ざす。
お嬢様はドレスの裾を美しく揺らして、踊り始めた。
誰かが、惚れ惚れしたため息をこぼす。
王子とライラ様のダンスは華やかなものだったが、王子とお嬢様のダンスはどこまでも美しく洗練されたものだった。会場の人間の視線が集まっているのが分かる。
「私、お嬢様の使用人でいられて本当に幸せだわ」
思わず口にすれば、マリーをはじめ、みんなが笑った。
「リーフさんは本当にお嬢様のこと大好きですね。まあ、私も負けないくらい、いーっぱい大好きですけど! あ、もちろんリーフさんのことも大好きですよ!」
「ありがとう」
えへへ、とマリーが微笑む。そうして彼女はお嬢様を見た。
「綺麗ですね」
「ええ。さすが、私たちのお嬢様」
「はい!」
楽しそうに踊るお嬢様を、私たちは笑いあって見つめた。
最愛のお嬢様。信頼できる友。すべてがそろったこの時間がなによりも幸せだ。
くるくるとお嬢様は躍る。
音楽は、いつまでも鳴り響いた。
(了)
王子とライラ様の婚約はとんとん拍子で進んでいった。ライラ様が気にしていた「自分は次女だから」という懸念も、レイチェルお嬢様自らが身を引いたことで円満に解決することとなった。もともと貴族社会でも評価の高かったライラ様だ。宮廷の中でも反対する者はいなかったと聞く。
「綺麗ですね、ライラ様」
「ええ」
多くの貴族が見守る中、ライラ様は微笑んでいた。上品な桃色のドレスはスカート部分に白いチュールが幾重にも重ねられて優しく揺れていた。胸元部分には白い糸で細かな花の刺繍が施されている。パーティーの主役に相応しい出で立ちだった。
丁寧に編み込まれた栗色の髪に、王子がティアラを載せた。あちこちから上がる祝福の声。
王子とライラ様は手を取り合ってダンスホールの中央に進み出る。二人とも、幸せそうに微笑んでいた。奏でられる優雅な音楽にあわせて、お披露目のダンスが始まった。
会場にいる令嬢たちから、羨望のため息が聞こえる。
「婚約発表でこの祝福ぶりでは、挙式当日の想像ができんな」
「あら、パッサン卿。いらっしゃっていたんですね」
お嬢様が目をぱちぱちと瞬かせた。祝いの場には似合わない無愛想な顔をしたパッサン卿がいた。パッサン卿の後ろから「私もいますよ」とエマが顔を出す。パッサン卿は体が大きいから、小柄なエマはすっぽりと隠れてしまう。
「殿下直々に招待をされたので、さすがのじいちゃんも断ることができなかったんです。普段だったらこういう場所には絶対来ないんですけどね」
パッサン卿はふんっとそっぽを向いた。エマはレオンを見るとくすりと笑う。
「なんだか、街で過ごしていたレオンが宮廷にいるのって不思議だね。でも、すっかりこの世界が板についたみたい。最初バルド家のお屋敷に来たときは緊張でガチガチだったのに」
「ありがとう。今もすごく緊張しているんですけどね。でも皆さんが色々と教育をつけてくださったので、自信は少しずつついてきました」
レオンはそう言ってはにかんだ。当たり前じゃないですか、とマリーが胸を張る。
「なんといっても、レオンの教育係りは私ですからね。しっかりみっちり教え込みましたよ」
マリー、エマ、レオンはくすくすと笑いあった。それをみて、パッサン卿が「小動物の集まりだな」と言う。お嬢様が小さく吹き出した。ふと、私は人だかりに一際目立つ深緑の長髪を見つける。
「こういう場にいつも来ない天才が、もう一人いらっしゃるようですね」
ディーは私に気づくとぱっと笑顔を浮かべて手を振り近付いてくる。会いたかったですよ、と瞳が細められた。
「ディーも、殿下から招待を?」
「ええ。ダンスの曲を演奏してほしいと頼まれまして」
「え、それって、今ここにいても大丈夫なんですか?」
レオンが首を傾げた。今は王子とライラ様のダンス真っ最中だ。おそらく、この演奏をしてほしくてディーは招待をされているのだろう。心配する私たちをよそに、ディーはそうですねえと笑った。
「気分が乗らなかったので、またあとでとお断りしてしまいました」
え、と私たちの声が重なる。
「そんな緩い感じでいいんですか?」
「皆さん、仕方ないな、と笑いながら許してくださいましたよ」
にこりと微笑む。
ディーは演奏したいときに演奏し、歌いたいときに歌い、絵を描きたいときに描く。そうして気ままにしているからこそ、彼の芸術は完成するのだろう。彼に芸術を強制させるべきではないと、宮廷の人間も思っているのかもしれない。ディーも大物よね、とお嬢様は笑った。
「わたくしの周囲も、ずいぶん賑やかになったものだわ」
お嬢様は私たちを見まわした。
王子とライラ様のダンスが終わり、ダンスホールは拍手に包まれた。二人は互いにお辞儀をして微笑み合う。ライラ様はそっとその場を離れて、使用人のジルやメイドたちのもとに向かった。残された王子は誰かを探すように辺りを見回している。
「そういえば、二度目のダンスってどうされるんでしょうか」
エマが首を傾げた。
「二度目のダンスは婚約者の母親と踊る決まりですよね」
婚約発表のパーティーでは、王子は二回ダンスを踊ることになっている。一度目はお披露目のために婚約者の令嬢と。そして二度目のダンスは「あなたの娘を幸せにします」という約束をこめて、婚約者の母と踊るのだ。だがライラ様の母親であるアンナ様は、もういない。
「アンナ様も、この場で踊りたかったでしょうね」
お嬢様がそう呟いたとき、王子の視線がお嬢様を捉えた。
王子はお嬢様のもとにきて、うやうやしくその膝をつく。
「レイチェル嬢。二度目のダンスのお相手を、お願いできませんか」
「わたくしですか?」
「ええ。ライラ嬢と私からのお願いです」
お嬢様がライラ様をみると、ライラ様は微笑んで頷いた。最初から、そのつもりだったようだ。
「お嬢様、行ってらっしゃいませ」
「――ええ」
お嬢様はゆっくりと、王子の手を取る。
「レイチェル様が踊るのであれば、私も花を添えましょう」
ディーはそう言うと、楽しそうに楽器隊の中にまざっていった。お嬢様は王子に手を引かれて、ダンスホールの中央に進み出た。互いにお辞儀をして手を取り合う。
ディーの奏でるヴァイオリンの音色がホールに響いた。その一音で、談笑をしていた貴族たちも口を閉ざす。
お嬢様はドレスの裾を美しく揺らして、踊り始めた。
誰かが、惚れ惚れしたため息をこぼす。
王子とライラ様のダンスは華やかなものだったが、王子とお嬢様のダンスはどこまでも美しく洗練されたものだった。会場の人間の視線が集まっているのが分かる。
「私、お嬢様の使用人でいられて本当に幸せだわ」
思わず口にすれば、マリーをはじめ、みんなが笑った。
「リーフさんは本当にお嬢様のこと大好きですね。まあ、私も負けないくらい、いーっぱい大好きですけど! あ、もちろんリーフさんのことも大好きですよ!」
「ありがとう」
えへへ、とマリーが微笑む。そうして彼女はお嬢様を見た。
「綺麗ですね」
「ええ。さすが、私たちのお嬢様」
「はい!」
楽しそうに踊るお嬢様を、私たちは笑いあって見つめた。
最愛のお嬢様。信頼できる友。すべてがそろったこの時間がなによりも幸せだ。
くるくるとお嬢様は躍る。
音楽は、いつまでも鳴り響いた。
(了)
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