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誕生! 正義の美少女ヒロイントリオ

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 アンビシャス学園のアイドルで、小早川ユウキの幼馴染の桜小路カズサは、遂に長い間
追い求めてきた、正義のヒロインに変身する能力を手に入れたのだ。今はやめていたが、小学生時代にはユウキと共に空手教室に通い、全国大会で優勝したこともあった。

 多彩な能力を持ち、美しい容姿を誇る彼女は大変な努力家でもあり、勉強でもスポーツでもトップクラスの成績を残しているスーパー女子高生だったが、それもこれもこの日のためだったのだ。

(わたしが正義のヒロインなのよ。これからわたしの力で正義と平和を守っていくの)

 いささか自意識過剰気味の美少女カズサの気分は最高に高揚していたのだった。だが、まだ自分の力を発揮する場面は訪れていなかった。そこで、彼女は自分と同じく変身能力を手に入れたユウキに、話を持ち掛けた。

「ねえユウキ、ちょっと特訓しない? わたしもユウキも、まだ変身能力をもらったばっかりで、経験が不足してるわ。まだ未熟なのよ。もっと訓練して力をつけておく必要があると思うの。リリアンにも指導してもらったらいいわ」

 カズサは、まだユウキが変身する女体化ヒロイン、ブライトジェミニの姿を見たことがなかった。あのユウキが女の子になってしまうなんて、いったいどうなるのだろう? それも見てみたい気持ちもあった。

「いいけど、どこでやるの?」
「お父様の会社の体育館を借り切ってもらったの。誰も勝手に中に入れないから安心よ」

 カズサの父親は有名大企業の社長だったのだ。娘の頼みなら、たいていのことは聞いてくれた。リリアンも賛同して、早速放課後に、三人で特訓場に向かったのだった。

 三人で揃って変身するのは初めてだった。ただの訓練なのに、この3人を不思議な緊張感が包んでいた。

 体育館の中で右から順にリリアン、ユウキ、カズサの順番に三人で並んで、魔法スティックを右手で掲げ、一斉に「変身!」と叫んだ。すると三人を光の帯が包んだ。リリアンはブライトリオンに、ユウキは女体化してブライトジェミニに、カズサはブライトアリエスに変身したのだった。

 ブライト三戦士が初めて勢ぞろいしたのだった。アリエスのカズサは、ミニスカートを穿いたジェミニのユウキの方を見て、そのハマり切った美少女戦士ぶりに驚きの声をあげた。

「ええっユウキ、本当に女になっちゃうんだ。しかも結構キレイだなんて」

 アリエスは、ジェミニの近くに寄ると、いきなりピロッとミニスカートの裾を持ってめくり上げて、中を覗いたのだ。

「きゃあっ、いきなり何するの!」

 ジェミニは、女性そのもののしゃべり方で抗議をした。

「うわあ、パンツも女物だけど、感性も話し方も本当に女の子になっちゃうのね」
「もう、アリエスったらイジワルね」

 ユウキの女体化にいたく感心したようなカズサのアリエスに、リリアンは

「そうよ。ユウキは魔法戦士に変身したら、身も心も完全に女性になっちゃうのよ」
 
 と教えた。

「ということは、わたしたちは正義のヒロイン三人組ということね」

 ジェミニが応じると

「そうね、自分で言うのもなんだけど、美少女ヒロイントリオと言っていいわね」

 少し照れた様子で、アリエスがまとめたのだった。

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