23 / 34
第23話 国王策謀
しおりを挟む
アルトバルト城にて地龍討伐の褒賞授与式が急遽執り行われ、シーリア含め、『翼竜の翼』も褒賞授与式に呼ばれ、国王からは褒賞を頂いた。
俺に関しては何故かこの件によって、貴族入りを果たしてしまった。
そして俺達は褒賞授与式の後に王城の侍女に案内されて、待合室のような場所に居た。
そこには伯爵令嬢であるシーリア・フォン・フィンブルドと侍女であるルミナ、『翼竜の翼』メンバーが控えている。
シーリアはどうやら褒賞に不服がある様で、
「それにしても国王様は何を考えているのかしら!ソウタを子爵に授爵してしまうなんて! それじゃあ、私の専属料理人は誰にすれば良いのよ!」
「いえいえ、お嬢様~! 何言ってるんですか~? まず、もうソウタさんは専属料理人ではないですよ~! それに専属料理人は他に居るじゃないですか~」
侍女のルミナはシーリアを宥める。だが効果はあまりない様で、
「それとこれとはべ、別問題よ! もうどうすれば良いのよ!」
シーリアは何故か頭を悩ませている。『翼竜の翼』はというと先程の褒賞授与式での緊張感でぐったりとしている。
「お前らそんなにぐったりして大丈夫なのか?」
ケインは呆れ顔で上を向いて呟く。
「逆にソウタは何でそんな大丈夫なんだよ?」
俺は『翼竜の翼』に今聞くのもどうかと思ったため、ルミナに聞くことにした。
「ルミナさん、俺、元々田舎出身だから貴族のことが分からないんだよね。俺が授爵した子爵ってのはどれくらいの地位なんだ?」
「そうですね。貴族の爵位の序列から説明すると上から公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵、騎士爵、名誉騎士爵の順番ですね。子爵は貴族の中でも真ん中の地位になりますね」
なるほどある程度、中世西欧の知識はあったので、それとほぼ一緒であることがわかった。
「それで具体的に貴族は何をすれば良いの? 後、国王様から家名の命名権なんて物を貰ったんだけど、貰うほど特別なものなのか?」
ルミナは俺の発言に珍しく驚いた表情を浮かべる。
「貴族の役目はまだしも、家名の命名権の貴重さを知らないのですか?」
俺は黙って頷く。
「はぁ~。じゃあ説明致しますね。まず貴族の役目は国から下賜された領地の経営と領地の守護ですね。それに家名の命名権はというと」
ルミナが貴族に関する事を教えてくれる。
ルミナによると貴族の役割は領地の経営と領地の守護、そして家名の命名権というのは名の通り、家名を自分で決めることができる権利だという。
普通であれば国王から家名と爵位を下賜されるものらしい。
この家名の命名権を与えられた者はアルトバルト王国史上の中でも数少ないと言う。
「なるほどね。自分の家名を自分で決定できるという権利か。まぁ変な家名を付けられなくて済んだってことかな」
「変な家名って。そうならない為の家名の命名権ってなんだか可笑しいですね」
侍女のルミナがクスッと笑う。
俺は侍女ルミナが淹れてくれた紅茶を一口飲む。
俺も貴族になってしまった訳だし、これから色々と準備を進めていかないといけないわけか。
暫くしてから待合室の扉がトントンと叩かれる。
そして白銀の髪に、蒼色の瞳をした美少女が現れた。
「ソウタ様、先程は子爵の授爵おめでとうございます。本当にこの度は私の命を救って頂きありがとうございます」
この口振りを察するにフィリナだが、
「も、もしかしてフィリナ王女殿下!?」
扉の先から現れた美少女は白銀の甲冑に身を包んだあの時の王女殿下ではなく、華やかで可憐なドレスに身を包んだ王女様がそこには居た。
可憐さのあまり、俺は思わずフィリナ王女殿下を凝視してしまう。
「あの~、ソウタ様……そんなにジーと見つめられると私も恥ずかしいのですけど……」
フィリナ王女殿下は俺があまりにも凝視したせいか顔をポット赤らめる。
「あまりにも綺麗だったのでつい……」
俺は頭を掻いてぎこちなく謝罪をする。
フィリナ王女殿下の方もどことなく余所余所しい。
フィリナ王女殿下は何か思い出した様に、
「ソウタ様、国王様が個人的に貴方をお呼びしております。ですので、私に付いて来てください」
どうやら国王様からの直々のお呼びらしく、そのためにフィリナ王女殿下が呼びに来てくれたとのことだった。
シーリアやパーティメンバーも一緒かどうか聞いたのだが、俺一人だけで来いとの事だった。
流石の俺も国王様からの個人的なお呼びとなるとどんな事を聞かれるのか少しばかり不安になった。
俺は待合室を出て、フィリナ王女殿下と一緒に国王の応接室へと向かっていく。
そして俺はフィリナ王女殿下と国王の応接室へと足を踏み入れた。
そこには先程玉座に座っていた国王様とフィリナ王女にそっくりで白銀の髪に、蒼色の瞳の大人っぽい女性がいた。
察するにフィリナ王女殿下の母親、この国に妃后様なのだろう。
「おぉ、よく来てくれたなソウタ殿。儂はこの国アルトバルト王国の第32代国王のデイドルド・アルバ・アルトバルトだ」
「えぇ、よく来てくれたわ、ソウタ様。私はフィリナの母のマリアリア・ティア・アルトバルトよ。マリアと呼んでくれて構わないわよ」
「俺、いや私は冒険者パーティの『翼竜の翼』ソウタです。本日はお呼び頂きありがとうございます。して本日は何用で?」
流石にこの国の国王様と妃后ということもあって無礼な態度や失礼な言葉遣いは出来ない。
だが何故ここに俺が呼ばれたのかが疑問である。
「ソウタ殿、そんなに畏まらないで良いぞ。お主は儂の娘の命の恩人だ。其方に畏まられるのも儂としてもむず痒い。一国の王としてではなく、フィリナの親としてお主のことを感謝しておる」
「そうだわね。まさかあのフィリナが助けられることになるとわね。いつもは助ける側の子でしたのに」
「はぁ……畏まりました。国王様がそうおっしゃるのでしたら」
国王であるデイドルドは蓄えた髭を撫でるようにして
「ソウタ殿、近くで見ると本当に若い様だな、して今は幾つなんだ?」
「え? 年齢ですか? 俺は今15歳ですね。年齢がどうかしましたか」
俺が年齢を教えると国王デイドルドと妃后マリアリアは喜色を浮かべて見つめ合う。
「あなたこんな奇跡が本当に起こるのですね!」
「あぁ、そうだな。マリア。これで儂らも少しは安心できそうだな」
そして、国王は再度こちらを覗く様にして、
「して、ソウタ殿。お主は儂の命によりアルトバルト王侯貴族の仲間入りを果たしたわけだが、貴族の役割とやらを知っておるか?」
「えぇ、先程、伯爵令嬢の侍女の方からお聞きしました。領地の経営と領地の守護だとそう伺っておりますが」
俺が解答するのに対し、国王は首を横に振る。
「まぁ大体は合っておるが、貴族の役割はそれだけではないぞ?」
俺が不思議そうな顔を浮かべていると、国王デイドルドがニヤリとした表情でこう告げる。
「貴族の役割の一つには『子孫繁栄』というものがあるぞ」
子孫繁栄という言葉に俺の心臓がどきりとする。
そして国王デイドルドは何かを企んでいる様な笑みを浮かべている。
「して貴族になったお主にはその役割を果たしてもらう必要があるんだが、お主、ソウタ殿はもうこの国では成人の身だ。となると直ぐにでもその任を果たす義務がある」
その言葉に妃后マリアリアもニヤリとした笑みを浮かべている。
「そうね、あなた。ソウタ様ももう成人ですもんね。それに———」
妃后マリアリアはチラリとフィリナ王女殿下の方へと視線をやる。
そして国王デイドルドは「コホン」と咳払いしてから、突如こんな事を口にした。
「そこでだな、お主ソウタ殿には儂の娘、『第3王女フィリナ・ティア・アルトバルト』をお主の子爵家へと降嫁させることにする。つまり、ここにいるフィリナがソウタ殿の妻になるということだ」
俺は突如言われた事に眼を丸くする。
だがこんな事を国王、妃后であろうとも王女フィリナの意思なくして決める事は出来ないだろう。
俺はそれを伝えるため国王に奏上する。
「ですが、それはフィリナ王女殿下の意思がない事には結婚など……」
すると国王デイドルドは俺にさらにニヤリと微笑む。
「そうかそうか……ソウタ殿はフィリナが結婚の意思が有れば結婚しても良いという事だな?」
「まぁ…………もしあればですけど……」
フィリナ王女殿下に関しては、一目見た時からとても綺麗な女性だと思っていたし、数日間、一緒に過ごしてある程度はどんな人かわかっているつもりだ。
そして彼女が外見内面総じて、魅力的な女性だということも。
俺が一応国王にそう答えると「ふむ」と声を漏らして、
「では、お望み通りフィリナに聞いてみれば良い。そして今のフィリナの表情を見るが良い」
俺は国王デイドルドに言われるがまま、隣に控えていたフィリナ王女殿下へと目を向ける。
するとフィリナ王女の耳が茹蛸のように真っ赤に染まりあがり、頬からは湯気が出そうな勢いだった。
そして、恥ずかしそうな表情を浮かべ、瞳にはうっすらと涙を浮かべ、上目遣いで俺を覗く。
「ソウタ様……私じゃ駄目ですか?」
その瞬間、俺の脳の活動は休止した。
俺はこうして国王デイドルド、妃后マリアリアの策謀、さらにはフィリナ王女殿下の魅惑的な魅力に負け、フィリナ王女殿下を妻に頂くことになった。
この決定が色々と面倒事を引き連れてくるという事には余りの可愛さにのぼせた頭の俺には考えることができなかった。
俺に関しては何故かこの件によって、貴族入りを果たしてしまった。
そして俺達は褒賞授与式の後に王城の侍女に案内されて、待合室のような場所に居た。
そこには伯爵令嬢であるシーリア・フォン・フィンブルドと侍女であるルミナ、『翼竜の翼』メンバーが控えている。
シーリアはどうやら褒賞に不服がある様で、
「それにしても国王様は何を考えているのかしら!ソウタを子爵に授爵してしまうなんて! それじゃあ、私の専属料理人は誰にすれば良いのよ!」
「いえいえ、お嬢様~! 何言ってるんですか~? まず、もうソウタさんは専属料理人ではないですよ~! それに専属料理人は他に居るじゃないですか~」
侍女のルミナはシーリアを宥める。だが効果はあまりない様で、
「それとこれとはべ、別問題よ! もうどうすれば良いのよ!」
シーリアは何故か頭を悩ませている。『翼竜の翼』はというと先程の褒賞授与式での緊張感でぐったりとしている。
「お前らそんなにぐったりして大丈夫なのか?」
ケインは呆れ顔で上を向いて呟く。
「逆にソウタは何でそんな大丈夫なんだよ?」
俺は『翼竜の翼』に今聞くのもどうかと思ったため、ルミナに聞くことにした。
「ルミナさん、俺、元々田舎出身だから貴族のことが分からないんだよね。俺が授爵した子爵ってのはどれくらいの地位なんだ?」
「そうですね。貴族の爵位の序列から説明すると上から公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵、騎士爵、名誉騎士爵の順番ですね。子爵は貴族の中でも真ん中の地位になりますね」
なるほどある程度、中世西欧の知識はあったので、それとほぼ一緒であることがわかった。
「それで具体的に貴族は何をすれば良いの? 後、国王様から家名の命名権なんて物を貰ったんだけど、貰うほど特別なものなのか?」
ルミナは俺の発言に珍しく驚いた表情を浮かべる。
「貴族の役目はまだしも、家名の命名権の貴重さを知らないのですか?」
俺は黙って頷く。
「はぁ~。じゃあ説明致しますね。まず貴族の役目は国から下賜された領地の経営と領地の守護ですね。それに家名の命名権はというと」
ルミナが貴族に関する事を教えてくれる。
ルミナによると貴族の役割は領地の経営と領地の守護、そして家名の命名権というのは名の通り、家名を自分で決めることができる権利だという。
普通であれば国王から家名と爵位を下賜されるものらしい。
この家名の命名権を与えられた者はアルトバルト王国史上の中でも数少ないと言う。
「なるほどね。自分の家名を自分で決定できるという権利か。まぁ変な家名を付けられなくて済んだってことかな」
「変な家名って。そうならない為の家名の命名権ってなんだか可笑しいですね」
侍女のルミナがクスッと笑う。
俺は侍女ルミナが淹れてくれた紅茶を一口飲む。
俺も貴族になってしまった訳だし、これから色々と準備を進めていかないといけないわけか。
暫くしてから待合室の扉がトントンと叩かれる。
そして白銀の髪に、蒼色の瞳をした美少女が現れた。
「ソウタ様、先程は子爵の授爵おめでとうございます。本当にこの度は私の命を救って頂きありがとうございます」
この口振りを察するにフィリナだが、
「も、もしかしてフィリナ王女殿下!?」
扉の先から現れた美少女は白銀の甲冑に身を包んだあの時の王女殿下ではなく、華やかで可憐なドレスに身を包んだ王女様がそこには居た。
可憐さのあまり、俺は思わずフィリナ王女殿下を凝視してしまう。
「あの~、ソウタ様……そんなにジーと見つめられると私も恥ずかしいのですけど……」
フィリナ王女殿下は俺があまりにも凝視したせいか顔をポット赤らめる。
「あまりにも綺麗だったのでつい……」
俺は頭を掻いてぎこちなく謝罪をする。
フィリナ王女殿下の方もどことなく余所余所しい。
フィリナ王女殿下は何か思い出した様に、
「ソウタ様、国王様が個人的に貴方をお呼びしております。ですので、私に付いて来てください」
どうやら国王様からの直々のお呼びらしく、そのためにフィリナ王女殿下が呼びに来てくれたとのことだった。
シーリアやパーティメンバーも一緒かどうか聞いたのだが、俺一人だけで来いとの事だった。
流石の俺も国王様からの個人的なお呼びとなるとどんな事を聞かれるのか少しばかり不安になった。
俺は待合室を出て、フィリナ王女殿下と一緒に国王の応接室へと向かっていく。
そして俺はフィリナ王女殿下と国王の応接室へと足を踏み入れた。
そこには先程玉座に座っていた国王様とフィリナ王女にそっくりで白銀の髪に、蒼色の瞳の大人っぽい女性がいた。
察するにフィリナ王女殿下の母親、この国に妃后様なのだろう。
「おぉ、よく来てくれたなソウタ殿。儂はこの国アルトバルト王国の第32代国王のデイドルド・アルバ・アルトバルトだ」
「えぇ、よく来てくれたわ、ソウタ様。私はフィリナの母のマリアリア・ティア・アルトバルトよ。マリアと呼んでくれて構わないわよ」
「俺、いや私は冒険者パーティの『翼竜の翼』ソウタです。本日はお呼び頂きありがとうございます。して本日は何用で?」
流石にこの国の国王様と妃后ということもあって無礼な態度や失礼な言葉遣いは出来ない。
だが何故ここに俺が呼ばれたのかが疑問である。
「ソウタ殿、そんなに畏まらないで良いぞ。お主は儂の娘の命の恩人だ。其方に畏まられるのも儂としてもむず痒い。一国の王としてではなく、フィリナの親としてお主のことを感謝しておる」
「そうだわね。まさかあのフィリナが助けられることになるとわね。いつもは助ける側の子でしたのに」
「はぁ……畏まりました。国王様がそうおっしゃるのでしたら」
国王であるデイドルドは蓄えた髭を撫でるようにして
「ソウタ殿、近くで見ると本当に若い様だな、して今は幾つなんだ?」
「え? 年齢ですか? 俺は今15歳ですね。年齢がどうかしましたか」
俺が年齢を教えると国王デイドルドと妃后マリアリアは喜色を浮かべて見つめ合う。
「あなたこんな奇跡が本当に起こるのですね!」
「あぁ、そうだな。マリア。これで儂らも少しは安心できそうだな」
そして、国王は再度こちらを覗く様にして、
「して、ソウタ殿。お主は儂の命によりアルトバルト王侯貴族の仲間入りを果たしたわけだが、貴族の役割とやらを知っておるか?」
「えぇ、先程、伯爵令嬢の侍女の方からお聞きしました。領地の経営と領地の守護だとそう伺っておりますが」
俺が解答するのに対し、国王は首を横に振る。
「まぁ大体は合っておるが、貴族の役割はそれだけではないぞ?」
俺が不思議そうな顔を浮かべていると、国王デイドルドがニヤリとした表情でこう告げる。
「貴族の役割の一つには『子孫繁栄』というものがあるぞ」
子孫繁栄という言葉に俺の心臓がどきりとする。
そして国王デイドルドは何かを企んでいる様な笑みを浮かべている。
「して貴族になったお主にはその役割を果たしてもらう必要があるんだが、お主、ソウタ殿はもうこの国では成人の身だ。となると直ぐにでもその任を果たす義務がある」
その言葉に妃后マリアリアもニヤリとした笑みを浮かべている。
「そうね、あなた。ソウタ様ももう成人ですもんね。それに———」
妃后マリアリアはチラリとフィリナ王女殿下の方へと視線をやる。
そして国王デイドルドは「コホン」と咳払いしてから、突如こんな事を口にした。
「そこでだな、お主ソウタ殿には儂の娘、『第3王女フィリナ・ティア・アルトバルト』をお主の子爵家へと降嫁させることにする。つまり、ここにいるフィリナがソウタ殿の妻になるということだ」
俺は突如言われた事に眼を丸くする。
だがこんな事を国王、妃后であろうとも王女フィリナの意思なくして決める事は出来ないだろう。
俺はそれを伝えるため国王に奏上する。
「ですが、それはフィリナ王女殿下の意思がない事には結婚など……」
すると国王デイドルドは俺にさらにニヤリと微笑む。
「そうかそうか……ソウタ殿はフィリナが結婚の意思が有れば結婚しても良いという事だな?」
「まぁ…………もしあればですけど……」
フィリナ王女殿下に関しては、一目見た時からとても綺麗な女性だと思っていたし、数日間、一緒に過ごしてある程度はどんな人かわかっているつもりだ。
そして彼女が外見内面総じて、魅力的な女性だということも。
俺が一応国王にそう答えると「ふむ」と声を漏らして、
「では、お望み通りフィリナに聞いてみれば良い。そして今のフィリナの表情を見るが良い」
俺は国王デイドルドに言われるがまま、隣に控えていたフィリナ王女殿下へと目を向ける。
するとフィリナ王女の耳が茹蛸のように真っ赤に染まりあがり、頬からは湯気が出そうな勢いだった。
そして、恥ずかしそうな表情を浮かべ、瞳にはうっすらと涙を浮かべ、上目遣いで俺を覗く。
「ソウタ様……私じゃ駄目ですか?」
その瞬間、俺の脳の活動は休止した。
俺はこうして国王デイドルド、妃后マリアリアの策謀、さらにはフィリナ王女殿下の魅惑的な魅力に負け、フィリナ王女殿下を妻に頂くことになった。
この決定が色々と面倒事を引き連れてくるという事には余りの可愛さにのぼせた頭の俺には考えることができなかった。
0
お気に入りに追加
1,222
あなたにおすすめの小説
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
パーティーを追放された装備製作者、実は世界最強 〜ソロになったので、自分で作った最強装備で無双する〜
Tamaki Yoshigae
ファンタジー
ロイルはSランク冒険者パーティーの一員で、付与術師としてメンバーの武器の調整を担当していた。
だがある日、彼は「お前の付与などなくても俺たちは最強だ」と言われ、パーティーをクビになる。
仕方なく彼は、辺境で人生を再スタートすることにした。
素人が扱っても規格外の威力が出る武器を作れる彼は、今まで戦闘経験ゼロながらも瞬く間に成り上がる。
一方、自分たちの実力を過信するあまりチートな付与術師を失ったパーティーは、かつての猛威を振るえなくなっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる