踊り場の踊り子
階段の踊り場で、母が規則正しいリズムで踊っている。
トントンタッ トントンタッ
口元には絶えず笑みを浮かべ、目をうっとりと閉じている。
トントンタッ トントンタッ
口元には絶えず笑みを浮かべ、目をうっとりと閉じている。
あなたにおすすめの小説
求め合う血筋
水綺はく
現代文学
優ちゃんは完璧、私は欠陥品。
姉の優ちゃんはバレエを習っていて、真面目でストイックで誰よりも美しく輝いている。
それに対して妹の私は同じ血の通った姉妹なのに不器用で飽き性で何も出来やしない。
手を伸ばしても永遠に届かない優ちゃんに負けたくない私はいつも“何も出来ない私“を極めることで家族からの愛情を量っていた。
ところがある日、優ちゃんが骨折をしたことでその土台が崩れることになった私は…
五年前に生まれたキミと一ヶ月後に死ぬ俺。
澤檸檬
現代文学
余命一ヶ月だと宣告された男。
自分には何もないから、と死ぬことを恐れていなかった彼。
そんな彼の前に現れたのは自分の娘だと名乗る女の子だった。
女の子と一緒に母親を探すことになった男。
自分の思い出と向き合い、女の子と話し、次第に自分には何もないなんてことはないと気付いていく。
その旅の果てに待っているものは何か。
ぜひその目で確かめてください。