上 下
8 / 34

8話:オレンジ色のピアニスト

しおりを挟む
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】前略、閻魔さま~六道さんで逢いましょう~

渡邊 香梨
ライト文芸
第6回ほっこり・じんわり大賞奨励賞受賞しました! 応援ありがとうございました……!  深町(ふかまち)菜穂子(なおこ)は大学三年生。東京の大学に通っていたところに「祖母危篤」の連絡が届くも、京都に向かう新幹線の中で最後の瞬間に間に合わなかったことを知らされる。 祖父・毅市(きいち)と結婚するまでは、小学校の先生だったと言う祖母・志緒(しお)。 祖母の旧姓は高辻(たかつじ)。 葬儀にはそんな「高辻先生」を慕っていたと言う教え子も何人か来ていた。 そんな志緒の初盆。 旧暦七月、今で言う八月に行われる先祖供養の行事・盂蘭盆会(うらぼんえ)。 亡くなった人の御魂(みたま)を迎えるための風習である「六道(ろくどう)まいり」のために菜穂子も帰省をすることになった。 宗派を超えた京都の古式ゆかしい習慣。 祖母の御魂(みたま)も冥土から一時こちら側に戻って来ると信じられているからだ。 水塔婆に戒名を書いて貰って供養をする傍ら、祖先を迎えるための鐘を撞いた、その日の夜。菜穂子は不思議な現象に遭遇した。 「高辻先生の教え子・八瀬(やせ)彰(あきら)」を名乗る青年に、「高辻先生にどうしても、死後裁判を待つ子供たちの先生になって貰いたい。生前の夫である毅市さん、つまり君のおじいさんを説得して貰えないだろうか」と、どう考えても夢の中の出来事、荒唐無稽と思える懇願を受けたのだ。 元々は親が決めた許婚同士だった祖父と祖母。終戦と共に結婚はしたものの、内心では教師を続けたかった祖母は、彰の話に前向きなのだと言う。だが、祖母を閻魔庁、つまり死後裁判の場で成仏を拒んでずっと待っていた祖父がそれに反対、早々に極楽浄土に向かうことを主張しているのだと。 にわかには信じられない話だった。 更に生者である菜穂子が祖父と祖母の話し合いに参加出来るのは、お盆の前の「迎え鐘」で御魂(みたま)を迎えてから「京都五山送り火」で再び御魂(みたま)を送り出すまでの十日間だけだとも聞かされる。 祖父母に再び会えた喜びもつかの間。菜穂子はどちらの肩を持つべきなのか悩むことになるのだった。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ イラストは無料イラスト「Illust AC」から、お絵描き太郎様の「お盆休暇中の女性」をお借りしています。

揺れる波紋

しらかわからし
ライト文芸
この小説は、高坂翔太が主人公で彼はバブル崩壊直後の1991年にレストランを開業し、20年の努力の末、ついに成功を手に入れます。しかし、2011年の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故によって、経済環境が一変し、レストランの業績が悪化。2014年、創業から23年の55歳で法人解散を決断します。 店内がかつての賑わいを失い、従業員を一人ずつ減らす中、翔太は自身の夢と情熱が色褪せていくのを感じます。経営者としての苦悩が続き、最終的には建物と土地を手放す決断を下すまで追い込まれます。 さらに、同居の妻の母親の認知症での介護が重なり、心身共に限界に達した時、近所の若い弁護士夫婦との出会いが、レストランの終焉を迎えるきっかけとなります。翔太は自分の決断が正しかったのか悩みながらも、恩人であるホテルの社長の言葉に救われ、心の重荷が少しずつ軽くなります。 本作は、主人公の長年の夢と努力が崩壊する中でも、新たな道を模索し、問題山積な中を少しずつ幸福への道を歩んでいきたいという願望を元にほぼ自分史の物語です。

短編集 【雨降る日に……】

星河琉嘩
ライト文芸
街の一角に佇む喫茶店。 その喫茶店に来る人たちの話です。 1話1話がとても短いお話になっています。 その他のお話も何か書けたら更新していきます。 【雨降る日に……】 【空の上に……】 【秋晴れの日に】

月曜日の方違さんは、たどりつけない

猫村まぬる
ライト文芸
「わたし、月曜日にはぜったいにまっすぐにたどりつけないの」 寝坊、迷子、自然災害、ありえない街、多元世界、時空移動、シロクマ……。 クラスメイトの方違くるりさんはちょっと内気で小柄な、ごく普通の女子高校生。だけどなぜか、月曜日には目的地にたどりつけない。そしてそんな方違さんと出会ってしまった、クラスメイトの「僕」、苗村まもる。二人は月曜日のトラブルをいっしょに乗り越えるうちに、だんだん互いに特別な存在になってゆく。日本のどこかの山間の田舎町を舞台にした、一年十二か月の物語。 第7回ライト文芸大賞で奨励賞をいただきました。ありがとうございます、

re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ

俊也
ライト文芸
実際の歴史では日本本土空襲・原爆投下・沖縄戦・特攻隊などと様々な悲劇と犠牲者を生んだ太平洋戦争(大東亜戦争) しかし、タイムスリップとかチート新兵器とか、そういう要素なしでもう少しその悲劇を防ぐか薄めるかして、尚且つある程度自主的に戦後の日本が変わっていく道はないか…アメリカ等連合国に対し「勝ちすぎず、程よく負けて和平する」ルートはあったのでは? そういう思いで書きました。 歴史時代小説大賞に参戦。 ご支援ありがとうございましたm(_ _)m また同時に「新訳 零戦戦記」も参戦しております。 こちらも宜しければお願い致します。 他の作品も お手隙の時にお気に入り登録、時々の閲覧いただければ幸いです。m(_ _)m

独り日和 ―春夏秋冬―

八雲翔
ライト文芸
主人公は櫻野冬という老女。 彼を取り巻く人と犬と猫の日常を書いたストーリーです。 仕事を探す四十代女性。 子供を一人で育てている未亡人。 元ヤクザ。 冬とひょんなことでの出会いから、 繋がる物語です。 春夏秋冬。 数ヶ月の出会いが一生の家族になる。 そんな冬と彼女を取り巻く人たちを見守ってください。 *この物語はフィクションです。 実在の人物や団体、地名などとは一切関係ありません。 八雲翔

凪の始まり

Shigeru_Kimoto
ライト文芸
佐藤健太郎28歳。場末の風俗店の店長をしている。そんな俺の前に16年前の小学校6年生の時の担任だった満島先生が訪ねてやってきた。 俺はその前の5年生の暮れから学校に行っていなかった。不登校っていう括りだ。 先生は、今年で定年になる。 教師人生、唯一の心残りだという俺の不登校の1年を今の俺が登校することで、後悔が無くなるらしい。そして、もう一度、やり直そうと誘ってくれた。 当時の俺は、毎日、家に宿題を届けてくれていた先生の気持ちなど、考えてもいなかったのだと思う。 でも、あれから16年、俺は手を差し伸べてくれる人がいることが、どれほど、ありがたいかを知っている。 16年たった大人の俺は、そうしてやり直しの小学校6年生をすることになった。 こうして動き出した俺の人生は、新しい世界に飛び込んだことで、別の分かれ道を自ら作り出し、歩き出したのだと思う。 今にして思えば…… さあ、良かったら、俺の動き出した人生の話に付き合ってもらえないだろうか? 長編、1年間連載。

異界からのメッセージを受け取って

龍太郎
ライト文芸
2024年10月21日、康二は深夜に目覚め、不思議なエンジェルナンバー「222」に出会う。現実と幻覚の境界が曖昧になる中、彼は「見えない世界」の存在に疑問を抱きつつもその可能性に引き寄せられていく。新聞配達中に不可解なバイクの幻影を目撃した康二は、その現象が単なる幻覚なのか、彼にとって重要なメッセージなのかを知りたいと思い始める。 次の日、再び坂の頂上に立つと、不可解なアクセサリーを見つける。幻覚ではなかったのかもしれないと感じた康二は、さらにその謎を追求することを決意する。日々、彼は坂道を訪れ、真実を見つけようとするが、何も起こらない。ところがある朝、霧の中から再びバイクが現れる。康二が声をかけるも、バイクは答えず、再び消えてしまう。 康二は、この奇妙な体験がただの幻覚ではなく、自分の内面や宇宙からのメッセージである可能性を感じ始める。

処理中です...