魔王の勇者のロージーの…▼

どこかの世界のエピローグ

木々が割れる音を弾かせ、高らかに燃える。
よく知った街並みは熱風を巻き上げて、木でできた洋風の建造物の群れは容易く黒炭と化した。

そうして、もはや恐怖に叫び声を上げる人すら居なくなった黒の世界に、それもまた炭の様に黒く、家よりも大きな影が寂しそうに佇んでいた。

疎ましい熱風を避ける黒い影の元へ、異邦から訪れた少女が一人迎えに行った。
彼女もまた孤独で、愛おしそうに黒い影を見上げるとニコリと笑い、目尻から雫を溢して剣を構えた。


「さあ、帰ろうノア……僕たちの家に」


とある勇者は己ごと双子の兄妹、魔王を封印し、そして滅んだ世界からは……とうとう誰も居なくなった。




＿＿＊＊……。

……星＊………＊、……星琥！！