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第111話
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ダンジョン地下40階層、迷路型のダンジョンを猛スピードで攻略して辿り着くやいなや女性の叫び声が聞こえ、聞こえた方に進んでみると大広間に辿り着いた。
「私の着替え用の服に虫が入ってるー、防虫剤を一杯に詰め込んだのになんでー」
広場には沢山の兵士がおり、先程からキャーキャー言っているのは中央の格式が高そうな鎧に身を包んでいる女性らしい
「君達は、冒険者ギルドから派遣された人達かい?」
とりあえず命の危険ではなかったと分かり、広場の入り口で優人達5人が立っていると、近くにいた兵士達が優人達に気づき、声をかけてきた。
「いえ、私達は近隣のオサキ村から来た冒険者です。村でこのダンジョンの話を聞き、挑戦してみようかと思いまして」
レイアが兵士に向かってペラペラと適当なことを話し続ける。
「な、なるほど。君達は先行で確かめに来たのかい、本体のパーティは何人ほどいるのかな」
「いえ、私達5人が、このダンジョン攻略パーティのフルメンバーですけど」
レイアがそう言うと、興味がなさげだった他の兵士達がこちらを見てくるようになった。
「へー、実力があるパーティなんだね」
「あちがとう。ところで貴方達はあそこにいる勇者様のお付きのデラード帝国の方達でよかったのかしら」
「ええ、私達はデラード帝国外務省付勇者同行員です。マクス王国内での活動は外務省を通じて許可は得てあります。」
「帝国の勇者様が何故、こんな辺境のダンジョンを攻略しているの」
レイアがそう聞くと
「我々も本来はダンジョンに挑戦するつもりは、ありませんでした。しかし本隊の隊長である帝国の勇者キリカゲ・ミサト様が、無辜の民を助けるのに帝国も王国も関係無いとおっしゃり、勇者様だけをダンジョンに挑戦させるわけにはいかず、今に至ります」
兵士達はため息を吐いた。
「あれ、そこにいるのは地元の冒険者さん達?」
帝国の勇者キリカゲ・ミサトがこちらに気づいたようだ。そして先程から手に持っていた服をカバンの上に置いてから、こちらに来た。
「初めまして、帝国の勇者のキリカゲ・ミサトです。よろしくね」
「冒険者の優人です」
優人は苗字を名乗らずに挨拶を交わした。
「スノウです」
レイア、デロックさん、ナセルさんが挨拶をしてから最後にスノウが自己紹介をした。
「お嬢さんも冒険者なのか?」
周りの兵士達が驚き聞くと
「もちろん、私が一番強い」
スノウがそう告げると
「そうなんだ。でも私の方が強いよ。何と言っても勇者だからね」
目の前の勇者は子供を相手に何を張り合っているのか
「じゃあ、どっちが先にダンジョンマスターを倒すか勝負」
「ふっふーん。いいよ。その勝負受けてたつ」
こうして2人の間で勝手に勝負が始まった。
「じゃあ、先に行かせてもらいます」
スノウは勝負が始まると先に早く進もうと言ってきたので、キリカゲさんに断りを入れて先に進んだ。
「良かったんですか、彼等を先に行かせて」
「ヨシくんの作った鑑定のレンズで彼等の強さを測ったんでしょう」
「はい、確かに5人でレベル5のダンジョンに挑戦するだけあって、我々兵士では5にんの冒険者のステータスは分かりませんでした」
「それが、異常なんだよ。君達は帝国の精鋭の兵士なのに彼等のステータスが一切分からなかったでしょ」
「でも、勇者の貴方が彼等のステータスを測れば分かるのでしょう?」
「私も測定できたのは、騎士の鎧を纏った2人の一部のステータスだけ、ユート君とスノウちゃん、レイアさんのステータスは一切測定することが出来なかった」
勇者が告げた内容に兵士一同は絶句した。
「そう言うことだよ。このダンジョンの攻略に私達は必要無いかもね」
勇者の呟きに誰も答える者はいなかった。
「私の着替え用の服に虫が入ってるー、防虫剤を一杯に詰め込んだのになんでー」
広場には沢山の兵士がおり、先程からキャーキャー言っているのは中央の格式が高そうな鎧に身を包んでいる女性らしい
「君達は、冒険者ギルドから派遣された人達かい?」
とりあえず命の危険ではなかったと分かり、広場の入り口で優人達5人が立っていると、近くにいた兵士達が優人達に気づき、声をかけてきた。
「いえ、私達は近隣のオサキ村から来た冒険者です。村でこのダンジョンの話を聞き、挑戦してみようかと思いまして」
レイアが兵士に向かってペラペラと適当なことを話し続ける。
「な、なるほど。君達は先行で確かめに来たのかい、本体のパーティは何人ほどいるのかな」
「いえ、私達5人が、このダンジョン攻略パーティのフルメンバーですけど」
レイアがそう言うと、興味がなさげだった他の兵士達がこちらを見てくるようになった。
「へー、実力があるパーティなんだね」
「あちがとう。ところで貴方達はあそこにいる勇者様のお付きのデラード帝国の方達でよかったのかしら」
「ええ、私達はデラード帝国外務省付勇者同行員です。マクス王国内での活動は外務省を通じて許可は得てあります。」
「帝国の勇者様が何故、こんな辺境のダンジョンを攻略しているの」
レイアがそう聞くと
「我々も本来はダンジョンに挑戦するつもりは、ありませんでした。しかし本隊の隊長である帝国の勇者キリカゲ・ミサト様が、無辜の民を助けるのに帝国も王国も関係無いとおっしゃり、勇者様だけをダンジョンに挑戦させるわけにはいかず、今に至ります」
兵士達はため息を吐いた。
「あれ、そこにいるのは地元の冒険者さん達?」
帝国の勇者キリカゲ・ミサトがこちらに気づいたようだ。そして先程から手に持っていた服をカバンの上に置いてから、こちらに来た。
「初めまして、帝国の勇者のキリカゲ・ミサトです。よろしくね」
「冒険者の優人です」
優人は苗字を名乗らずに挨拶を交わした。
「スノウです」
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「もちろん、私が一番強い」
スノウがそう告げると
「そうなんだ。でも私の方が強いよ。何と言っても勇者だからね」
目の前の勇者は子供を相手に何を張り合っているのか
「じゃあ、どっちが先にダンジョンマスターを倒すか勝負」
「ふっふーん。いいよ。その勝負受けてたつ」
こうして2人の間で勝手に勝負が始まった。
「じゃあ、先に行かせてもらいます」
スノウは勝負が始まると先に早く進もうと言ってきたので、キリカゲさんに断りを入れて先に進んだ。
「良かったんですか、彼等を先に行かせて」
「ヨシくんの作った鑑定のレンズで彼等の強さを測ったんでしょう」
「はい、確かに5人でレベル5のダンジョンに挑戦するだけあって、我々兵士では5にんの冒険者のステータスは分かりませんでした」
「それが、異常なんだよ。君達は帝国の精鋭の兵士なのに彼等のステータスが一切分からなかったでしょ」
「でも、勇者の貴方が彼等のステータスを測れば分かるのでしょう?」
「私も測定できたのは、騎士の鎧を纏った2人の一部のステータスだけ、ユート君とスノウちゃん、レイアさんのステータスは一切測定することが出来なかった」
勇者が告げた内容に兵士一同は絶句した。
「そう言うことだよ。このダンジョンの攻略に私達は必要無いかもね」
勇者の呟きに誰も答える者はいなかった。
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