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第80話

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 優人達は、レベル8のダンジョンを奥へと進んでいった。このダンジョンは階層が進むにつれてモンスターがいる部屋が一つずつ増えて、モンスターのレベルも上がっていった。


 「最初は、鬼型のモンスターばかりだったけど6階層目で同じ部屋の数だけ猿型のモンスターになったな、今いる地下9階層は九つの部屋全てが猿型のモンスターの部屋ばかりだったしな」


 サロパスタが、夜の修行空間でのラウンジで、レベル8のダンジョンの戦闘を振り返っている。


 「でも、地下8、9階層の猿型のモンスターは手強かったな。前回のダンジョンの比じゃないな」

 ダンジョンに入って、2日目の夜、出てくるモンスター達が毒を塗った武器を使ってきているが、毒無効の新アビリティで全く効かない。

 「けれども、回復魔法専用のヒーラーがいないのに、ここまで来るってのは、常識外れだけどな」

 確かに、ここまで大きな怪我をすることもなく進んできていたので、ヒーラーという役割がいなくても大丈夫だった。小さな怪我はゴーレンさんとアスカさんの回復魔法で治っているからなあ。

 「けど、一般人とは言えないようなステータスになっているんだから、普通のヒーラーが入っても余り変わらないような」

 「そうだな」

 
 翌日、区切りの良い地下10階層目に辿り着くと

 「久しぶりの、挑戦者がこのタイミングで来るとは運が悪すぎるだろう」

 地下10階層目は今までと違い、モンスターがいる部屋へと続く道がなく、広場の中央に大量の酒瓶とタバコの吸殻に囲まれた1人の男がいるだけだった。

 「前回のここまで辿り着いた挑戦者が大体50年ぐらい前だから、久しぶりの戦闘はダンジョンマスターとして相見えたかったな」

 そう言って、男はタバコを一気に吸い込み煙をはいた


 「じゃあ、ちゃちゃっと終わらせますか」

 男が黒いソファから立ち上がると、強い力を感じた。

 金髪のパンチパーマの間から2本の長い角が生えており、筋骨隆々の体をアロハシャツと膝丈の短パンを履いて、サングラスからこちらを見る視線をビシビシと感じる。アロハシャツや短パンでは隠しきれない無数の傷も目の前の男が強いことを示している。


 「全員、一度にかかってこい」

 男がデカい黒いトゲが沢山ある金棒を肩に担いで、こちらをすごんできた。


 「じゃあ、やらせてもらうぜ」

 サロパスタが、前回のレベル7のダンジョンの隠し部屋の宝から選んだ大剣を構えて、突っ込んだ。


 サロパスタが選んだ大剣(ガルヴァルード)所持者の魔力を込めれば、持ち手さえあれば刃が折れようと欠けようと刃が復活するという大剣である。

その大剣と金棒がぶつかり合い、衝撃が周りに走った

 そして、お互いが力を込めあって、鍔迫り合いをしたが、両者一歩も譲らず。同時に離れた。

 「強いな、自身のステータスだけで俺と力比べをしたのは勇者以来だぜ、名前を教えてくれよ」

 「サロパスタだ。お前の方こそ名前を教えてくれよ」

 「最近は紅鬼って呼ばれているな、長く生きていると名前も変わるからな」

 「互いに自己紹介もすんだんだ。戦闘の続きをしようぜ紅鬼」

 「そうだな」

 そう言い終わると同時に、紅鬼がサロパスタに再接近して、サロパスタに金棒をぶつけた。


ー大王鬼(魔人)ー  (紅鬼)
Lv:271
生命力:460000/465000
魔力:72400/75000
攻撃力:37000
防御力:33000
速力:2200
魔法適応力:10000

魔法属性:火、土、闇

所持アビリティ:《特級棍棒術》《特級拳闘術》《特級格闘術》《威厳》《魔神の加護》

 

 化け物との戦いが始まった。
 
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