揺れる想い

僥倖～彼女との別れ～

俺は付き合い出すと長いので、中学から付き合っていた彼女は女子校で分かれても、まぁ……このまま行くんだろうなぁ～とぼんやり考えていた。
当時の彼女は小さくて華奢な子で、明るくて誰に対しても優しい子だった。
告白されて付き合いだしたけど、大好きな子だった。
彼女が変わり始めたのは、高校に入って二ヶ月が過ぎた頃だった。
共働きしている我が家に彼女が来て、俺の部屋で二人で過ごしていた時に
「聡、私のこと好き？」
脱ぎ捨てた衣類を身に付けながら聞く彼女に、何を今更？と、その時は疑問にしか思わなかった。
その一言が始まりだったように思う。
少しずつ、少しずつ、パズルのピースが合わなくなって行く感覚になった。

「私のこと好き？」
「私、あの子より可愛い？」
「私のこと好き？好きなら毎日送り迎えして」

毎日、毎日要求が増えて来て、しまいには
「バスケと私、どっちが大事なの！」
って怒り出した。
彼女は都内の学校で、俺は地元の学校。
部活の朝練があるのに、なんで送り迎え？
意味が分からなかった。
そんなある日、彼女がラブホから大学生風の男と出て来た現場にバッタリ遭遇してしまった。
彼女の話だと、その彼は毎日車で学校まで送迎してくれて、毎日「愛してる」だとか「世界一可愛い」と褒めてくれるんだとか。

くだらない

俺は中学2年から付き合っていた彼女と別れた。