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修学旅行~最終日~
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慌ただしかった修学旅行が終わり、お土産を宅急便で送る手配などをしてホテルから帰宅の途に着く。
「あっと言う間だったね~」
繭花ちゃんの言葉に、私とち~ちゃんが頷く。
昨晩はあの後、田川君と分かれて部屋に戻った私は、ち~ちゃんと繭花ちゃんから質問攻撃を受けた。
女3人集まるとなんとやらってヤツで、話が尽きる事は無かった。
「やっぱり、田川とたまちゃんはそうなるような気がしたんだよね!」
ち~ちゃんの言葉に顔が熱くなる。
「長塚と居るたまちゃんも可愛いかったけど、田川と居るたまちゃんは楽しそうだもん」
「まぁ、田川君も楽しそうだけどね」
2人に言われて、顔が益々熱くなる。
「もう、止めて!!」
真っ赤になる私に抱き着いて、2人は
「たまちゃん、女の子は愛されて幸せになれるんだよ」
って呟いた。
この世界の中で、お互いに好きで付き合う人ってどの位いるんだろう。
私は長塚君に恋をして、辛くて苦しくて悲しくて……泣いてばかり居た。
繭花ちゃんと石橋君を見ていると、お互いが大好きでお付き合いしているのが分かる。
私も、長塚君とそうなりたいと願っていた。
田川君が探してくれて、お風呂で綺麗に洗ったモッキーとモニーのキーホルダーを指先でつついてみる。
ローズクォーツも鈴も無くなり、ただモッキーとモニーが抱き合っている小さなぬいぐるみになってしまったキーホルダー。
まだ濡れていて、何処か悲しげに見える。
「それ、どうするの?」
ち~ちゃんに聞かれて
「多分、神社に供養してもらう」
そう呟くと
「あぁ!そういえば、たまちゃんの家の近所にぬいぐるみとか人形を供養してくれる神社があるんだっけ?」
と言われた。
「うん」
頷いた私に、ち~ちゃんも繭花ちゃんもそれ以上は何も聞かなかった。
翌朝、荷物を送る準備をして、バスで京都駅へと向かう。
昨夜、ずっと話をしていた私達女子チームはバスの中で爆睡。
「田上、駅に着いたぞ」
田川君に起こされて、半分寝惚け眼で新幹線に移動。
私は鞄の紐を掴まれて、ほぼ田川君に誘導してもらっていた。
「たま!そっちは他校の列!」
「たま!立ったまま寝るな!」
新幹線の座席に着くまで、田川君は寝惚けている私の面倒を見させられていたらしい。
座席に着くなり爆睡の私に
「幼稚園児か!」
って声が聞こえた。
(失礼な!)
と返そうと思うけど、眠くて声が出ない。
ゆっくりと新幹線が動き出すと、船を漕ぐ私の頭を誰かがそっと持たれ掛けさせてくれた。
頭の位置がちょうど良くて、私は深い眠りの中へと落ちて行った。
「あっと言う間だったね~」
繭花ちゃんの言葉に、私とち~ちゃんが頷く。
昨晩はあの後、田川君と分かれて部屋に戻った私は、ち~ちゃんと繭花ちゃんから質問攻撃を受けた。
女3人集まるとなんとやらってヤツで、話が尽きる事は無かった。
「やっぱり、田川とたまちゃんはそうなるような気がしたんだよね!」
ち~ちゃんの言葉に顔が熱くなる。
「長塚と居るたまちゃんも可愛いかったけど、田川と居るたまちゃんは楽しそうだもん」
「まぁ、田川君も楽しそうだけどね」
2人に言われて、顔が益々熱くなる。
「もう、止めて!!」
真っ赤になる私に抱き着いて、2人は
「たまちゃん、女の子は愛されて幸せになれるんだよ」
って呟いた。
この世界の中で、お互いに好きで付き合う人ってどの位いるんだろう。
私は長塚君に恋をして、辛くて苦しくて悲しくて……泣いてばかり居た。
繭花ちゃんと石橋君を見ていると、お互いが大好きでお付き合いしているのが分かる。
私も、長塚君とそうなりたいと願っていた。
田川君が探してくれて、お風呂で綺麗に洗ったモッキーとモニーのキーホルダーを指先でつついてみる。
ローズクォーツも鈴も無くなり、ただモッキーとモニーが抱き合っている小さなぬいぐるみになってしまったキーホルダー。
まだ濡れていて、何処か悲しげに見える。
「それ、どうするの?」
ち~ちゃんに聞かれて
「多分、神社に供養してもらう」
そう呟くと
「あぁ!そういえば、たまちゃんの家の近所にぬいぐるみとか人形を供養してくれる神社があるんだっけ?」
と言われた。
「うん」
頷いた私に、ち~ちゃんも繭花ちゃんもそれ以上は何も聞かなかった。
翌朝、荷物を送る準備をして、バスで京都駅へと向かう。
昨夜、ずっと話をしていた私達女子チームはバスの中で爆睡。
「田上、駅に着いたぞ」
田川君に起こされて、半分寝惚け眼で新幹線に移動。
私は鞄の紐を掴まれて、ほぼ田川君に誘導してもらっていた。
「たま!そっちは他校の列!」
「たま!立ったまま寝るな!」
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座席に着くなり爆睡の私に
「幼稚園児か!」
って声が聞こえた。
(失礼な!)
と返そうと思うけど、眠くて声が出ない。
ゆっくりと新幹線が動き出すと、船を漕ぐ私の頭を誰かがそっと持たれ掛けさせてくれた。
頭の位置がちょうど良くて、私は深い眠りの中へと落ちて行った。
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