揺れる想い

縁切り神社

時間的に今日はハードな1日。
朝早めに出発して花見小道を歩きながら、縁切り神社の安井金比羅宮に行って、八坂庚申堂。
八坂庚申堂にある八坂の塔を見ながら清水寺を目指す事に。
ただ、清水寺の後に行く金閣寺は学校のバスで向かう事になったので、円山公園から八坂神社をお参りして、石塀小路→ねねの道→二寧坂→産寧坂と京都風情あふれる小道をお散歩する事になっている。
タイムスケジュールがタイトなので、フラフラしないようにみんなに着いて歩いた。
縁切寺に着いた時、ち～ちゃんが
「青山とたまちゃんが切れるように祈っておいたから！」
と鼻息荒く言われて、苦笑いを返す。
縁切り神社と言われている安井金比羅宮は、悪い縁を断ち切って良い縁を結んでくれるという意味もあるらしい。
「良い縁か……」
ぽつりと呟くと
「これでもし長塚と切れたら、長塚とたまちゃんは悪い縁ってことになるのかな？」
と言われて青くなる。
「ち～ちゃん、縁起でも無い事を言わないでくれる？」
そう言って、ち～ちゃんの肩を掴んで揺らす。
するとち～ちゃんは悪い笑顔で笑いながら
「どうなるのか楽しみだね」
なんて言っている。
（人の事だと思って……）
「まぁまぁ。取り敢えず、人の縁だけじゃなくて、悪い習慣とかそういうのも切れるらしいから、折角来たんだし本殿へのお参りを済ませよう。ほら、形代かたしろに願いを書いて貼ろうよ」
と、繭花ちゃんに言われた。
男子は興味本位で縁切りの絵馬とかを見て
「怖え～」
って騒いでいる。
取り敢えず、本殿近くの「形代授与所」で形代かたしろを100円で買って、願い事を書くらしい。
私が「みんなといつまでも仲良く、幸せになれますように」と書いていると、ち～ちゃんに
「たまちゃん、幸せになれますようにの前に『長塚と』を入れなくて良いの？」
って言われた。
「もう！からかわないでよ！」
真っ赤になりながら願い事を書き、縁切り縁結び碑へと向かう。
紙がビッシリと貼られていて、何とも凄い光景だった。
ち～ちゃんと繭花ちゃんに連れられ、神様の力が注がれているという中央の穴を通り抜ける。
「たま～！腹が引っかかって出られないんじゃないのか？」
って叫ぶ田川君のヤジを睨んでから
「スカートの中、見ないでよ！」
と捨て台詞を吐いて穴に頭を入れる。
まずは悪縁を切る為に通り抜けて、悪縁を切った後は裏の方からもう一度表に向かって穴をくぐって良縁を結ぶんだとか。
そして最後に、手にした形代を縁切り縁結び碑に糊で貼り付けて祈願は完了。
「これで青山との縁も切れたよ！」
鼻息荒く呟くち～ちゃんに苦笑いしながら、ち～ちゃんと繭花ちゃんもおなじように潜って完了。
何故か石橋君も、繭花ちゃんに強引に潜らされていたな……。
結局、何だかんだ言いながら、最終的にには全員で潜って悪縁を断ち切り、良縁を結んで来た。