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紺野先輩のネタ?
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ぶっちゃけ紺野先輩って小さいし、顔はギャグ漫画みたいな顔をして、性格もほとんどギャグ漫画。こんな人が、何故に1年生女子にこんなにも好かれているのかが分からない!
「徳山先輩、なんで紺野先輩がモテるんですかね?」
「あぁ!それな。俺ら生徒会でも、七不思議の1つになってるよ」
徳山先輩の言葉に、(やっぱり……)って思った。
紺野先輩は面白い。
それは認める。
でも、面白い人を好きにならない私には、謎しかない。
この間も、真顔で
「俺、さだまさ○と谷村新○が好きなんだけどさ」
と言い出した。
中学生なのになんつ~渋い趣味!!って聞いていると
「この間な、CDを予約して買ったらさ、店員に『販促用のだけどポスターあるけど要ります?薄いですよ』って言われたんだよ。ファンとしては欲しいじゃないか!」
力説する紺野先輩に
「え?さ○まさしでしょう?私は要らない」
と言葉を挟むと
「はぁ!お前の気持ちなんか知らねぇよ!俺は欲しいんだよ!だからさ、例えポスターが焼けて色が薄くなったのだって欲しいわけだ!」
そう続けた。
「はぁ……」
「お前、どーでも良いって顔すんな!アイドルじゃねぇんだ!さだ○さしのポスターが手に入るなんて、貴重なんだよ!」
握り拳を握り、力説する紺野先輩。
「で、もらったんですか?」
呆れて聞くと
「ここからが、大事な話だ。お前ら、黙って良く聞け!俺はな、販促用のポスターを貰ってホクホクした気持ちで部屋でポスターを広げて愕然とした」
ポスターを広げ、さだまさのポスターを見ているジェスチャー付きの紺野先輩を黙って見ていると
「そのポスターな、全然薄くないんだよ。なんだよ!店員!!綺麗な色じゃねえか!って頭を見たら……薄かったんだ……」
と膝から崩れ落ちた。
その時に話を聞いていた私と中村さん、思わず吹き出して大爆笑。
「お前ら!笑い事じゃないんだぞ!次のCDの時にもな、その兄ちゃん。今度は笑顔で『これは薄くないですよ』って……アー○ネイチャーの後のポスターを寄越しやがった!」
握り拳を握りしめ、熱弁する紺野先輩に私は大爆笑。
「止めて!!お腹捩れる!!」
ゲラゲラと笑う私に
「そんなに面白い話だった?気を引こうとして笑いすぎだよね」
「ね~!わざとらしい」
と、何処からか聞こえよがしに呟く声が耳に入った。
慌てて辺りを見回すと「こんちゃん倶楽部」の皆様の声だった。
すると紺野先輩が
「何!俺のとっておきのさだまさネタが面白くないだと!」
と言うと、腕捲りしてその人達を笑わせに行ってしまった。
「今さ、ネタって言ってなかった?」
「言ってたね」
「……」
「……」
私と中村さんが顔を見合わせていると、こんちゃん倶楽部の方々の笑い声が響いている。
「でもさ……ネタだとしても、あんなに人を笑わせるって凄いよね」
ポツリと呟いた中村さんの言葉に頷き掛けて
「いやいやいやいや!!あれはただのアホなだけだから!」
と私は反論した。
でも、紺野先輩の周りはいつも笑いで溢れている。
それは……本当に凄い事だと思う。
ひとしきり爆笑をかっさらった紺野先輩は、満足そうにこちらに戻って来て
「よし!今日のノルマは達成した!」
とか言いながら、額の汗を拭う仕草をしている。私が呆れた顔をすると
「相原、今日もお前に勝った」
と、意味が分からない事を言って、ガッツポーズしていたっけ……。
「お前が天然でウケを取るなら、俺様は計算でウケを取るまでよ!」
フッと笑う紺野先輩に苦笑いを浮かべた。
こんな人が何故モテる?
やはり、これはうちの中学の七不思議に入れるべきだと思いながら、私は満足そうな紺野先輩を見つめていた。
「徳山先輩、なんで紺野先輩がモテるんですかね?」
「あぁ!それな。俺ら生徒会でも、七不思議の1つになってるよ」
徳山先輩の言葉に、(やっぱり……)って思った。
紺野先輩は面白い。
それは認める。
でも、面白い人を好きにならない私には、謎しかない。
この間も、真顔で
「俺、さだまさ○と谷村新○が好きなんだけどさ」
と言い出した。
中学生なのになんつ~渋い趣味!!って聞いていると
「この間な、CDを予約して買ったらさ、店員に『販促用のだけどポスターあるけど要ります?薄いですよ』って言われたんだよ。ファンとしては欲しいじゃないか!」
力説する紺野先輩に
「え?さ○まさしでしょう?私は要らない」
と言葉を挟むと
「はぁ!お前の気持ちなんか知らねぇよ!俺は欲しいんだよ!だからさ、例えポスターが焼けて色が薄くなったのだって欲しいわけだ!」
そう続けた。
「はぁ……」
「お前、どーでも良いって顔すんな!アイドルじゃねぇんだ!さだ○さしのポスターが手に入るなんて、貴重なんだよ!」
握り拳を握り、力説する紺野先輩。
「で、もらったんですか?」
呆れて聞くと
「ここからが、大事な話だ。お前ら、黙って良く聞け!俺はな、販促用のポスターを貰ってホクホクした気持ちで部屋でポスターを広げて愕然とした」
ポスターを広げ、さだまさのポスターを見ているジェスチャー付きの紺野先輩を黙って見ていると
「そのポスターな、全然薄くないんだよ。なんだよ!店員!!綺麗な色じゃねえか!って頭を見たら……薄かったんだ……」
と膝から崩れ落ちた。
その時に話を聞いていた私と中村さん、思わず吹き出して大爆笑。
「お前ら!笑い事じゃないんだぞ!次のCDの時にもな、その兄ちゃん。今度は笑顔で『これは薄くないですよ』って……アー○ネイチャーの後のポスターを寄越しやがった!」
握り拳を握りしめ、熱弁する紺野先輩に私は大爆笑。
「止めて!!お腹捩れる!!」
ゲラゲラと笑う私に
「そんなに面白い話だった?気を引こうとして笑いすぎだよね」
「ね~!わざとらしい」
と、何処からか聞こえよがしに呟く声が耳に入った。
慌てて辺りを見回すと「こんちゃん倶楽部」の皆様の声だった。
すると紺野先輩が
「何!俺のとっておきのさだまさネタが面白くないだと!」
と言うと、腕捲りしてその人達を笑わせに行ってしまった。
「今さ、ネタって言ってなかった?」
「言ってたね」
「……」
「……」
私と中村さんが顔を見合わせていると、こんちゃん倶楽部の方々の笑い声が響いている。
「でもさ……ネタだとしても、あんなに人を笑わせるって凄いよね」
ポツリと呟いた中村さんの言葉に頷き掛けて
「いやいやいやいや!!あれはただのアホなだけだから!」
と私は反論した。
でも、紺野先輩の周りはいつも笑いで溢れている。
それは……本当に凄い事だと思う。
ひとしきり爆笑をかっさらった紺野先輩は、満足そうにこちらに戻って来て
「よし!今日のノルマは達成した!」
とか言いながら、額の汗を拭う仕草をしている。私が呆れた顔をすると
「相原、今日もお前に勝った」
と、意味が分からない事を言って、ガッツポーズしていたっけ……。
「お前が天然でウケを取るなら、俺様は計算でウケを取るまでよ!」
フッと笑う紺野先輩に苦笑いを浮かべた。
こんな人が何故モテる?
やはり、これはうちの中学の七不思議に入れるべきだと思いながら、私は満足そうな紺野先輩を見つめていた。
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