90 / 91
ルイーズの想い
しおりを挟む
突然、ルイーズの身体が光出し、ルイーズが自分の顔を掴んでいる。
「止めろ!邪魔するな!」
ルイーズの声に視線を向けると、ルイーズの右手を左手が押さえ込んでいる。
「ルイス様!ルイス様、聞こえているのですね!」
必死にルイーズに声を掛けると
「フレイア……」
一瞬だけ、ルイス様の顔になって私の名前を呼んだ。
「負けたらダメです!ルイス様、私を少しでも思っていて下さるなら、ルイーズから私を助けて下さい!」
卑怯だと分かっている。
だけど、足掻ける時に足掻かないと、ルイス様はルイーズに黙って統合されてしまうようで怖かった。
隣に倒れ込み、苦しそうに身体を丸めたルイーズの身体に触れると
「フレイア……、お前は何をした」
憎々しげに私を見つめるルイーズに
「私は何も……。あなたも一緒に居たじゃない……」
そう答えたが、ルイーズは身体を震わせて苦しそうにしている。
そんなルイーズの身体をそっと撫でながら
(ルイス様、負けないで!ルイス様……私はあなた以外の人となんて、絶対に結ばれたくなかんかない!)
そう祈りを込めていた。
するとルイーズは苦しそうに呻き声を上げて、そっと撫でていた私の手を掴み
「触るな!俺に……その手で触るな!」
と叫ぶと、ヨロヨロと立ち上がった。
「ふざけるな!この身体は、俺の身体だ!やっと……やっと……取り戻したのに!」
叫びながら私からゆっくりと離れ
「フレイア!お前は何故、絶望しない?何故、闇に堕ちてこない?お前は……破滅の魔女になる運命の筈なのに!」
忌々しそうに呟き
「何故だ!」
狂ったように叫ばれ、私はゆっくりルイーズを見つめた。
「私には、絶対的に私を助けてくれるレイモンド兄様が居る。友達になったリリィやアティカス王子が居る。それに……ルイス様が居る。私は、ルイス様が居て下されば、それだけで幸せなのです」
「そのルイスは、俺に統合されてしまうんだぞ。もう、会えなくなるのに、何故、そんな強い眼差しを俺に向けられるんだ?」
「ルイス様は、必ず戻って来て下さいますわ!本当に私を愛して下さっているのなら」
そう言って睨み合う私に、ルイーズは頭を抱えながら
「どいつもこいつも、『ルイス、ルイス、ルイス!』じゃあ、俺はなんの為に生まれたんだよ!」
と叫ぶと、身体を包んでいた光が、白い光から赤い炎のような光に変わって行く。
「フレイア!お前が破滅の魔女になれば、全ては俺のモノだったのに!」
そう叫ぶルイーズの瞳から、涙が溢れ出し
「父上も……母上も……みんな、みんなルイスばかりを可愛がる。せめてお前だけでも、番のお前だけでも愛してくれると思っていたのに!」
コウモリのような羽が背中から生え、背中が曲がり醜い悪魔の姿をしたルイーズの言葉に、涙が込み上げて来た。
やり方はどうであれ、ルイーズも愛されたかっただけなのだと……初めて知った。
「ルイーズ……」
思わず呟いた私の声に
「同情なんかするな!お前も、俺を必要としないこの世界も……全部全部無くなれば良い!」
ルイーズがそう叫んだその瞬間
「フレイア!」
私を呼ぶレイモンド兄様の声が聞こえて腕を引かれたと同時に、バリバリと音を立てて建物が壊れる程に醜い悪魔の姿になったルイーズの姿が巨大化した。
「止めろ!邪魔するな!」
ルイーズの声に視線を向けると、ルイーズの右手を左手が押さえ込んでいる。
「ルイス様!ルイス様、聞こえているのですね!」
必死にルイーズに声を掛けると
「フレイア……」
一瞬だけ、ルイス様の顔になって私の名前を呼んだ。
「負けたらダメです!ルイス様、私を少しでも思っていて下さるなら、ルイーズから私を助けて下さい!」
卑怯だと分かっている。
だけど、足掻ける時に足掻かないと、ルイス様はルイーズに黙って統合されてしまうようで怖かった。
隣に倒れ込み、苦しそうに身体を丸めたルイーズの身体に触れると
「フレイア……、お前は何をした」
憎々しげに私を見つめるルイーズに
「私は何も……。あなたも一緒に居たじゃない……」
そう答えたが、ルイーズは身体を震わせて苦しそうにしている。
そんなルイーズの身体をそっと撫でながら
(ルイス様、負けないで!ルイス様……私はあなた以外の人となんて、絶対に結ばれたくなかんかない!)
そう祈りを込めていた。
するとルイーズは苦しそうに呻き声を上げて、そっと撫でていた私の手を掴み
「触るな!俺に……その手で触るな!」
と叫ぶと、ヨロヨロと立ち上がった。
「ふざけるな!この身体は、俺の身体だ!やっと……やっと……取り戻したのに!」
叫びながら私からゆっくりと離れ
「フレイア!お前は何故、絶望しない?何故、闇に堕ちてこない?お前は……破滅の魔女になる運命の筈なのに!」
忌々しそうに呟き
「何故だ!」
狂ったように叫ばれ、私はゆっくりルイーズを見つめた。
「私には、絶対的に私を助けてくれるレイモンド兄様が居る。友達になったリリィやアティカス王子が居る。それに……ルイス様が居る。私は、ルイス様が居て下されば、それだけで幸せなのです」
「そのルイスは、俺に統合されてしまうんだぞ。もう、会えなくなるのに、何故、そんな強い眼差しを俺に向けられるんだ?」
「ルイス様は、必ず戻って来て下さいますわ!本当に私を愛して下さっているのなら」
そう言って睨み合う私に、ルイーズは頭を抱えながら
「どいつもこいつも、『ルイス、ルイス、ルイス!』じゃあ、俺はなんの為に生まれたんだよ!」
と叫ぶと、身体を包んでいた光が、白い光から赤い炎のような光に変わって行く。
「フレイア!お前が破滅の魔女になれば、全ては俺のモノだったのに!」
そう叫ぶルイーズの瞳から、涙が溢れ出し
「父上も……母上も……みんな、みんなルイスばかりを可愛がる。せめてお前だけでも、番のお前だけでも愛してくれると思っていたのに!」
コウモリのような羽が背中から生え、背中が曲がり醜い悪魔の姿をしたルイーズの言葉に、涙が込み上げて来た。
やり方はどうであれ、ルイーズも愛されたかっただけなのだと……初めて知った。
「ルイーズ……」
思わず呟いた私の声に
「同情なんかするな!お前も、俺を必要としないこの世界も……全部全部無くなれば良い!」
ルイーズがそう叫んだその瞬間
「フレイア!」
私を呼ぶレイモンド兄様の声が聞こえて腕を引かれたと同時に、バリバリと音を立てて建物が壊れる程に醜い悪魔の姿になったルイーズの姿が巨大化した。
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する
影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。
※残酷な描写は予告なく出てきます。
※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。
※106話完結。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる