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ルイーズの想い
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突然、ルイーズの身体が光出し、ルイーズが自分の顔を掴んでいる。
「止めろ!邪魔するな!」
ルイーズの声に視線を向けると、ルイーズの右手を左手が押さえ込んでいる。
「ルイス様!ルイス様、聞こえているのですね!」
必死にルイーズに声を掛けると
「フレイア……」
一瞬だけ、ルイス様の顔になって私の名前を呼んだ。
「負けたらダメです!ルイス様、私を少しでも思っていて下さるなら、ルイーズから私を助けて下さい!」
卑怯だと分かっている。
だけど、足掻ける時に足掻かないと、ルイス様はルイーズに黙って統合されてしまうようで怖かった。
隣に倒れ込み、苦しそうに身体を丸めたルイーズの身体に触れると
「フレイア……、お前は何をした」
憎々しげに私を見つめるルイーズに
「私は何も……。あなたも一緒に居たじゃない……」
そう答えたが、ルイーズは身体を震わせて苦しそうにしている。
そんなルイーズの身体をそっと撫でながら
(ルイス様、負けないで!ルイス様……私はあなた以外の人となんて、絶対に結ばれたくなかんかない!)
そう祈りを込めていた。
するとルイーズは苦しそうに呻き声を上げて、そっと撫でていた私の手を掴み
「触るな!俺に……その手で触るな!」
と叫ぶと、ヨロヨロと立ち上がった。
「ふざけるな!この身体は、俺の身体だ!やっと……やっと……取り戻したのに!」
叫びながら私からゆっくりと離れ
「フレイア!お前は何故、絶望しない?何故、闇に堕ちてこない?お前は……破滅の魔女になる運命の筈なのに!」
忌々しそうに呟き
「何故だ!」
狂ったように叫ばれ、私はゆっくりルイーズを見つめた。
「私には、絶対的に私を助けてくれるレイモンド兄様が居る。友達になったリリィやアティカス王子が居る。それに……ルイス様が居る。私は、ルイス様が居て下されば、それだけで幸せなのです」
「そのルイスは、俺に統合されてしまうんだぞ。もう、会えなくなるのに、何故、そんな強い眼差しを俺に向けられるんだ?」
「ルイス様は、必ず戻って来て下さいますわ!本当に私を愛して下さっているのなら」
そう言って睨み合う私に、ルイーズは頭を抱えながら
「どいつもこいつも、『ルイス、ルイス、ルイス!』じゃあ、俺はなんの為に生まれたんだよ!」
と叫ぶと、身体を包んでいた光が、白い光から赤い炎のような光に変わって行く。
「フレイア!お前が破滅の魔女になれば、全ては俺のモノだったのに!」
そう叫ぶルイーズの瞳から、涙が溢れ出し
「父上も……母上も……みんな、みんなルイスばかりを可愛がる。せめてお前だけでも、番のお前だけでも愛してくれると思っていたのに!」
コウモリのような羽が背中から生え、背中が曲がり醜い悪魔の姿をしたルイーズの言葉に、涙が込み上げて来た。
やり方はどうであれ、ルイーズも愛されたかっただけなのだと……初めて知った。
「ルイーズ……」
思わず呟いた私の声に
「同情なんかするな!お前も、俺を必要としないこの世界も……全部全部無くなれば良い!」
ルイーズがそう叫んだその瞬間
「フレイア!」
私を呼ぶレイモンド兄様の声が聞こえて腕を引かれたと同時に、バリバリと音を立てて建物が壊れる程に醜い悪魔の姿になったルイーズの姿が巨大化した。
「止めろ!邪魔するな!」
ルイーズの声に視線を向けると、ルイーズの右手を左手が押さえ込んでいる。
「ルイス様!ルイス様、聞こえているのですね!」
必死にルイーズに声を掛けると
「フレイア……」
一瞬だけ、ルイス様の顔になって私の名前を呼んだ。
「負けたらダメです!ルイス様、私を少しでも思っていて下さるなら、ルイーズから私を助けて下さい!」
卑怯だと分かっている。
だけど、足掻ける時に足掻かないと、ルイス様はルイーズに黙って統合されてしまうようで怖かった。
隣に倒れ込み、苦しそうに身体を丸めたルイーズの身体に触れると
「フレイア……、お前は何をした」
憎々しげに私を見つめるルイーズに
「私は何も……。あなたも一緒に居たじゃない……」
そう答えたが、ルイーズは身体を震わせて苦しそうにしている。
そんなルイーズの身体をそっと撫でながら
(ルイス様、負けないで!ルイス様……私はあなた以外の人となんて、絶対に結ばれたくなかんかない!)
そう祈りを込めていた。
するとルイーズは苦しそうに呻き声を上げて、そっと撫でていた私の手を掴み
「触るな!俺に……その手で触るな!」
と叫ぶと、ヨロヨロと立ち上がった。
「ふざけるな!この身体は、俺の身体だ!やっと……やっと……取り戻したのに!」
叫びながら私からゆっくりと離れ
「フレイア!お前は何故、絶望しない?何故、闇に堕ちてこない?お前は……破滅の魔女になる運命の筈なのに!」
忌々しそうに呟き
「何故だ!」
狂ったように叫ばれ、私はゆっくりルイーズを見つめた。
「私には、絶対的に私を助けてくれるレイモンド兄様が居る。友達になったリリィやアティカス王子が居る。それに……ルイス様が居る。私は、ルイス様が居て下されば、それだけで幸せなのです」
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そう言って睨み合う私に、ルイーズは頭を抱えながら
「どいつもこいつも、『ルイス、ルイス、ルイス!』じゃあ、俺はなんの為に生まれたんだよ!」
と叫ぶと、身体を包んでいた光が、白い光から赤い炎のような光に変わって行く。
「フレイア!お前が破滅の魔女になれば、全ては俺のモノだったのに!」
そう叫ぶルイーズの瞳から、涙が溢れ出し
「父上も……母上も……みんな、みんなルイスばかりを可愛がる。せめてお前だけでも、番のお前だけでも愛してくれると思っていたのに!」
コウモリのような羽が背中から生え、背中が曲がり醜い悪魔の姿をしたルイーズの言葉に、涙が込み上げて来た。
やり方はどうであれ、ルイーズも愛されたかっただけなのだと……初めて知った。
「ルイーズ……」
思わず呟いた私の声に
「同情なんかするな!お前も、俺を必要としないこの世界も……全部全部無くなれば良い!」
ルイーズがそう叫んだその瞬間
「フレイア!」
私を呼ぶレイモンド兄様の声が聞こえて腕を引かれたと同時に、バリバリと音を立てて建物が壊れる程に醜い悪魔の姿になったルイーズの姿が巨大化した。
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