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デート③
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カイルに連れられ、あちこちを歩いて回った。
この国は、みんな豊かで幸せそうに笑っている。
きっと.......こんな裕福で平和な国は、他には無いのだろうと思った。
夕暮れが迫る頃、私はカイルに連れられて小高い山の上に来ていた。
王都の遥か先にある港を指差すと
「フレイア.......俺と一緒にこの国の外を見に行かないか?」
ポツリと言われて、カイルの顔を見上げた。
「俺は将来、色々な国を見て歩きたいんだ。知識も教養も.......そして貴族としての品位を持っていながら、同じ目線で歩ける人を探していた」
ゆっくりと落ちて行く夕陽が、カイルの赤い髪の毛とカイルの顔を赤く染めて行く。
男らしい精悍な顔立ちを照らし、美しいと思った。
「普通の貴族の令嬢は、今日みたいなデートは絶対に幻滅される」
ポツリと呟くと、ゆっくりと私の顔を見て
「ごめん、フレイア。本当はね、きみがこのデートを嫌がって、俺はそんなフレイアに幻滅する予定だったんだ。そうでもしないと、俺はきみを諦められないから.......」
そう言われた。
真っ赤なガーネットの瞳に、熱い熱をはらんで私を見つめている。
黙ってカイルを見上げていると、そっと私の頬に触れ
「フレイアは、俺がエミリアの事件できみを知ったと思っているようだけど.......。子供の頃、王宮できみを見掛けたんだ。アティカス王子と楽しそうに話しているきみに、俺は一目惚れしたんだ」
そう言われて、目を見開いた。
「でも、きみは既にアティカス王子の婚約者だった。何度も諦めようと思っていたのに、魔法学園で美しく成長したきみに再会して.......逆に、きみをもっと好きになってしまったんだ」
人生初の告白を.......攻略対象でイケメン&イケボのカイルにされてしまい、私は魂が抜けていたらしい。
ハッと我に返ると、カイルの顔が近い!
「カ……カイル様、私……」
そう呟いたその時、耳に手が触れてイヤリングがはめられた。
「プレゼント。直接、つけて上げたかったんだ」
ガーネットの赤い瞳が、熱を帯びて細められる。
カイルは小さく笑うと
「何?キスされると思った?」
と聞いて来る。
「お.......思っていません!」
「本当に? しても良いなら、今からでもするけど?」
明らかに揶揄う口調で言うと、『ん~っ』と言いながら顔を近付けて来た。
私がカイルの顔を手の平で押さえると、カイルは吹き出して爆笑し出した。
「もう!からかわないで下さい!!」
カイルの腕をポカポカと叩くと
「ごめん、ごめん」
と言うと
「……残念」
そう小さく呟いた。
その悲しそうな呟きに手を止めると、私の身体を抱き締めた。
「フレイア。俺はね、今日一緒に過ごしてみて、きみなら一緒に俺と肩を並べて歩いてくれるって思ったんだ。海外に行くのは、楽な道ばかりじゃない。でも、きみなら笑顔で俺と一緒に歩いてくれるって……そう実感したんだ」
ポツリ、ポツリと、雨が道路にゆっくりと落ちて路面を濡らすようにカイルが言葉を紡ぐ。
ギュッと強く抱き締められたカイルの腕は、お日様の匂いがする。
きっとこの人と並んで歩けたなら、私は窮屈な貴族の生活から抜け出して伸び伸び生きていけるのかもしれない。
今日一日、カイルと一緒に過ごしてみて、何故、魔法学園の生徒会長なのかが分かった。
この国は、みんな豊かで幸せそうに笑っている。
きっと.......こんな裕福で平和な国は、他には無いのだろうと思った。
夕暮れが迫る頃、私はカイルに連れられて小高い山の上に来ていた。
王都の遥か先にある港を指差すと
「フレイア.......俺と一緒にこの国の外を見に行かないか?」
ポツリと言われて、カイルの顔を見上げた。
「俺は将来、色々な国を見て歩きたいんだ。知識も教養も.......そして貴族としての品位を持っていながら、同じ目線で歩ける人を探していた」
ゆっくりと落ちて行く夕陽が、カイルの赤い髪の毛とカイルの顔を赤く染めて行く。
男らしい精悍な顔立ちを照らし、美しいと思った。
「普通の貴族の令嬢は、今日みたいなデートは絶対に幻滅される」
ポツリと呟くと、ゆっくりと私の顔を見て
「ごめん、フレイア。本当はね、きみがこのデートを嫌がって、俺はそんなフレイアに幻滅する予定だったんだ。そうでもしないと、俺はきみを諦められないから.......」
そう言われた。
真っ赤なガーネットの瞳に、熱い熱をはらんで私を見つめている。
黙ってカイルを見上げていると、そっと私の頬に触れ
「フレイアは、俺がエミリアの事件できみを知ったと思っているようだけど.......。子供の頃、王宮できみを見掛けたんだ。アティカス王子と楽しそうに話しているきみに、俺は一目惚れしたんだ」
そう言われて、目を見開いた。
「でも、きみは既にアティカス王子の婚約者だった。何度も諦めようと思っていたのに、魔法学園で美しく成長したきみに再会して.......逆に、きみをもっと好きになってしまったんだ」
人生初の告白を.......攻略対象でイケメン&イケボのカイルにされてしまい、私は魂が抜けていたらしい。
ハッと我に返ると、カイルの顔が近い!
「カ……カイル様、私……」
そう呟いたその時、耳に手が触れてイヤリングがはめられた。
「プレゼント。直接、つけて上げたかったんだ」
ガーネットの赤い瞳が、熱を帯びて細められる。
カイルは小さく笑うと
「何?キスされると思った?」
と聞いて来る。
「お.......思っていません!」
「本当に? しても良いなら、今からでもするけど?」
明らかに揶揄う口調で言うと、『ん~っ』と言いながら顔を近付けて来た。
私がカイルの顔を手の平で押さえると、カイルは吹き出して爆笑し出した。
「もう!からかわないで下さい!!」
カイルの腕をポカポカと叩くと
「ごめん、ごめん」
と言うと
「……残念」
そう小さく呟いた。
その悲しそうな呟きに手を止めると、私の身体を抱き締めた。
「フレイア。俺はね、今日一緒に過ごしてみて、きみなら一緒に俺と肩を並べて歩いてくれるって思ったんだ。海外に行くのは、楽な道ばかりじゃない。でも、きみなら笑顔で俺と一緒に歩いてくれるって……そう実感したんだ」
ポツリ、ポツリと、雨が道路にゆっくりと落ちて路面を濡らすようにカイルが言葉を紡ぐ。
ギュッと強く抱き締められたカイルの腕は、お日様の匂いがする。
きっとこの人と並んで歩けたなら、私は窮屈な貴族の生活から抜け出して伸び伸び生きていけるのかもしれない。
今日一日、カイルと一緒に過ごしてみて、何故、魔法学園の生徒会長なのかが分かった。
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