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そうだ!会いに行こう!!
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僕はゆっくりとはじめから離れて
「あ! そうだ! 車で行けないならどうしょう!」
そう叫んで車の後部座席を開けた。
「創さん……この荷物……」
はじめが後部座席に積まれた荷物を見て、絶句している。
「これはお爺様へのお酒、これはお祖母様へのお土産。こっちは食料で……」
と説明していると、はじめは額に手を当ててから
「まず、傷む物から持って行きましょう。そして、その大きな旅行バックには?」
と聞かれ
「ドライヤーと着替えとバスタオルに……」
荷物を説明していると
「取り敢えず、パジャマと明日の着替えだけにして下さい。他の荷物は、明日車で取りに来ましょう」
そう言われて、車に積んであったサブバッグに必要最低限の下着とパジャマと明日の着替えだけ入れると、はじめが軽々と僕の荷物を持って歩き出した。
「あ! 車は、門の中に入れておいて下さい」
はじめが頑丈な門の鍵を開けて、僕が車を中に入れるのを誘導すると、再び頑丈な門を閉じて鍵を掛けた。
「随分、頑丈な門なんだな」
と呟くと、はじめは当たり前のように
「あぁ、獣避けです」
って答えた。
(獣避け? そんなに獣が出るような所なのか?)
思わず顔を引き攣らせると、はじめは穏やかな笑顔を浮かべて
「じゃあ、行きましょうか」
って歩き出した。
鬱蒼としたでこぼこの山道を歩く事、一時間。
舗装されていない道で、しかも足場が悪くてでこぼこの道を歩くのはかなりハードで、山の頂上のはじめの家に着く頃にはヘトヘトだった。
思わずギッとはじめを睨み
「お前……帰りは車で送れ!」
って、思わずいつもの口調で言ってしまう。
ハッとしてはじめの顔を見上げると、はじめは我関せずで母屋らしき立派な日本家屋の引き戸を開けて
「婆ちゃん、ただいま~!」
と、中に居るであろうはじめのお祖母様に声を掛けた。
(えぇっ! いきなり!)
慌てて背筋を立たせ、失礼の無いように真っ直ぐ立っていると、奥の部屋から小さな可愛らしいお祖母様が出て来た。
温かくて優しい、はじめと同じ穏やかな空気を纏ったはじめのお祖母様を見た時、泣きそうになった。
(あぁ……、この人がはじめを慈しみ育んで下さったんだ)
感無量で声を出せずにいる僕に、はじめのお祖母様は優しい笑顔で僕を見ると
「あらまぁ!綺麗な顔をした人だね」
そう言ってにっこり微笑み
「一がお世話になっています」
と深々とお辞儀をして来た。
感無量過ぎて、挨拶をお祖母様に先にさせてしまい、慌てて
「こちちらこそ、一君には大変お世話になっております。高杉創と申します」
と頭を深々と下げた。
するとはじめのお祖母様が、もっと深々と頭を下げて
「これはご丁寧に…」
なんて言うもんだから、僕も、もっと頭を深々と下げてお互いに終わらない頭の下げ合いになっていた。
はじめはそんな僕達に呆れた顔をすると、お祖母様に僕が持って来た保冷バッグを手渡しながら
「婆ちゃん、創さんがお土産だって」
そう言うと
「まあ、そんな良いのに…。大した物は出せませんが、ゆっくりして行って下さいね。一、高杉さんをお部屋にご案内して休んでいただきなさい」
と言って微笑んだ。
終始ニコニコしているお祖母様に、少しずつ緊張が解れて来て僕も笑顔で一礼すると、歩き出したはじめに続いて母屋を後にした。
「あ! そうだ! 車で行けないならどうしょう!」
そう叫んで車の後部座席を開けた。
「創さん……この荷物……」
はじめが後部座席に積まれた荷物を見て、絶句している。
「これはお爺様へのお酒、これはお祖母様へのお土産。こっちは食料で……」
と説明していると、はじめは額に手を当ててから
「まず、傷む物から持って行きましょう。そして、その大きな旅行バックには?」
と聞かれ
「ドライヤーと着替えとバスタオルに……」
荷物を説明していると
「取り敢えず、パジャマと明日の着替えだけにして下さい。他の荷物は、明日車で取りに来ましょう」
そう言われて、車に積んであったサブバッグに必要最低限の下着とパジャマと明日の着替えだけ入れると、はじめが軽々と僕の荷物を持って歩き出した。
「あ! 車は、門の中に入れておいて下さい」
はじめが頑丈な門の鍵を開けて、僕が車を中に入れるのを誘導すると、再び頑丈な門を閉じて鍵を掛けた。
「随分、頑丈な門なんだな」
と呟くと、はじめは当たり前のように
「あぁ、獣避けです」
って答えた。
(獣避け? そんなに獣が出るような所なのか?)
思わず顔を引き攣らせると、はじめは穏やかな笑顔を浮かべて
「じゃあ、行きましょうか」
って歩き出した。
鬱蒼としたでこぼこの山道を歩く事、一時間。
舗装されていない道で、しかも足場が悪くてでこぼこの道を歩くのはかなりハードで、山の頂上のはじめの家に着く頃にはヘトヘトだった。
思わずギッとはじめを睨み
「お前……帰りは車で送れ!」
って、思わずいつもの口調で言ってしまう。
ハッとしてはじめの顔を見上げると、はじめは我関せずで母屋らしき立派な日本家屋の引き戸を開けて
「婆ちゃん、ただいま~!」
と、中に居るであろうはじめのお祖母様に声を掛けた。
(えぇっ! いきなり!)
慌てて背筋を立たせ、失礼の無いように真っ直ぐ立っていると、奥の部屋から小さな可愛らしいお祖母様が出て来た。
温かくて優しい、はじめと同じ穏やかな空気を纏ったはじめのお祖母様を見た時、泣きそうになった。
(あぁ……、この人がはじめを慈しみ育んで下さったんだ)
感無量で声を出せずにいる僕に、はじめのお祖母様は優しい笑顔で僕を見ると
「あらまぁ!綺麗な顔をした人だね」
そう言ってにっこり微笑み
「一がお世話になっています」
と深々とお辞儀をして来た。
感無量過ぎて、挨拶をお祖母様に先にさせてしまい、慌てて
「こちちらこそ、一君には大変お世話になっております。高杉創と申します」
と頭を深々と下げた。
するとはじめのお祖母様が、もっと深々と頭を下げて
「これはご丁寧に…」
なんて言うもんだから、僕も、もっと頭を深々と下げてお互いに終わらない頭の下げ合いになっていた。
はじめはそんな僕達に呆れた顔をすると、お祖母様に僕が持って来た保冷バッグを手渡しながら
「婆ちゃん、創さんがお土産だって」
そう言うと
「まあ、そんな良いのに…。大した物は出せませんが、ゆっくりして行って下さいね。一、高杉さんをお部屋にご案内して休んでいただきなさい」
と言って微笑んだ。
終始ニコニコしているお祖母様に、少しずつ緊張が解れて来て僕も笑顔で一礼すると、歩き出したはじめに続いて母屋を後にした。
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