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最終話

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「カッコ付けやがって……」
ポツリと呟いた創さんに
「蔦田さん、良い人ですね」
って呟いた。
すると創さんは、お化けでも見たような顔で俺の顔を見た。
「え?誰が何だって?」
「だから、蔦田さん。良い人ですよね」
大事な事なので、2度言ってみた。
すると創さんが口をあんぐり開けて
「尚寿さんが良い人?」
そう呟くので
「まぁ……俺達の中では、ハルちゃんが好きな陽気なオジサン?」
と友也が呟いた。
「確かに、僕も蓮君とのやり取りを見てびっくりしたけど……」
そう呟いた創さんに、ハルさんがコーヒーを持って来ながら
「人は、ひょんな事から変わるからね。きっと、蔦田さんも何かきっかけがあって変わったんじゃないかな?」
そう呟いた。
すると創さんは少しだけ考えてから
「そうか……」
とだけ呟いた。
そんな創さんに笑顔を浮かべると
「ねぇ!せっかくなんだし、熊さんのコーヒーを温かいうちに飲もうよ!」
って、友也が声を掛けて
「あ!そうだね。早速、頂こう」
そう言って、みんながコーヒーに口を付けた。
ドキドキしながら、みんなの感想を待つ。
「上手い……」
ぽつりと呟いたのは、健人君だった。
「本当に?」
思わず前のめりになると、ミルクと砂糖をたっぷり入れた友也も
「美味しい!」
と叫んだ。
そんな友也に
「そんだけミルクと砂糖入れて、コーヒーの旨味が分かるのかよ」
って、健人君が呆れた顔をする。
「分かります~!」
あかんべして健人君に反論する友也を見て笑っていると、ハルさんと蓮君が何やら話しながらコーヒーを飲んでいるのが横目に入る。
俺の心臓ドキドキMAX
するとハルさんは笑顔を浮かべて
「うん、今月からお願いしようかな?」
って言ってくれたのだ。
「ほ……本当ですか!」
嬉しくて叫ぶと
「うん。香りと酸味。苦味のバランスも良いし」
と、蓮君と顔を見合わせてそう答えた。
「それで、このコーヒーの名前だけど……」
そう言いかけたハルさんに、何故か俺以外の全員が一斉に
「ハルちゃんのコーヒー!」
って叫んだ。
ハルさんは苦笑いして
「それ、僕が販売するの?」
と答えると
「え~!木漏れ日ブレンドとか止めてよ!」
そう叫んだ友也に
「良いじゃないか!みんなに愛されてるハルちゃんが淹れるコーヒーだから『ハルちゃんのコーヒー』で」
と、健人君が加勢する。
「はじめが、ハルさんを思って焙煎したんです。そこは是非」
と畳み掛ける創さんの言葉に
「あ!ほら、『ハルちゃんのコーヒー』なら、絶対蔦田さんが会議とかに使ってくれるよ」
って、友也が笑いながら付け加えた。
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