44 / 75
チビっ子対創さん
しおりを挟む
「一、お客様は?」
子供達に引っ張られ母屋に入ると、婆ちゃんが台所から顔を出した。
「今、創さんが荷物を離れに持って行ってるんじゃないかな?これ、お土産で頂いたケーキ。今日来た、ハルさんの手作りみたいだよ」
そう言って婆ちゃんにケーキを手渡す。
「お客様は何人?」
ケーキの箱を開けながら、婆ちゃんが聞いてきた。
「う~ん、4人かな?あ!俺の分は要らないから、みんなで分けて」
そう言うと
「はじめ先生も一緒に食べよう!」
って、手を引っ張られる。
「折角だから、みんなで分て食べりゃ~良いでしょうが!」
そう言って婆ちゃんがケーキを見事に切り分けている。
生クリームが綺麗に施されたケーキに、子供達の目が輝いている。
「一、創とお客様もお呼びして」
婆ちゃんの声に俺が立ち上がると
「美咲も行く~!」
と、一番小さな美咲ちゃんが俺の手を握り締める。
すると
「いつも美咲ばっかりはじめ先生を独り占めして、ずるい!」
そう言って、小学生組の奈々美と綾が俺にしがみつく。
すると
「はじめ先生は、創先生のだからダメ!」
って、後ろから創さんが抱き着いて来た。
「創先生は、夜、はじめ先生を独り占めしてるんだから、お昼間は私達のはじめ先生だもん!」
小さな女子3人相手に
「残念でした!はじめ先生は、ずっと創先生のなんです!」
と、言い争いをしている。
……いつも見慣れた光景だけど、創さんがとんだ面白キャラになっているのが不思議だ。
すると、玄関でその様子を呆れた顔して見ている4人。
そんな4人を見て、婆ちゃんが
「こら!創!お客様放置しちゃダメじゃろう!」
そう叫ぶと
「じゃあ、俺達がおもてなしするよ!」
って言って、男子チームが座布団を敷いて戸惑う4人を引っ張って来た。
「凄い!きちんと教育されてるね。蓮、負けるんじゃないの?」
とハルさんが言うと、蓮君は苦笑いして
「放っとけ!」
そう呟いた。
婆ちゃんが15人分に切ったケーキをテーブルに並べ、子供達がワクワクした顔で待っている。
「じゃあ、作って下さったハルさんに」
と俺が言うと、ハルさんが驚いた顔をした瞬間
「ハルさん!ありがとうございます!」
そう言って、ハルさんにお辞儀をしてから
「いただきます!」
と言うと、フォークを手に食べ始めた。
「うまっ!」
「美味し~い!」
口々に叫ぶ子供達の笑顔に、ハルさんの顔がふにゃりと緩む。
そんなハルさんに、蓮君の顔もふわりと和らぐ。
(あ!子供は許されるのか)
俺がそんな事を考えて2人を見ていると
「はじめ先生、ケーキ美味しいよ」
って、美咲ちゃんが俺に自分のケーキの1部をフォークで差して差し出した。
「美咲ちゃん。先生の分はあるから、自分の分は食べな」
そう言うと、美咲ちゃんは首を横に振って
「はじめ先生、食べて!」
って差し出す。
「分かった、じゃあ1口もらうね」
と言って口を「あ~ん」と開けた瞬間、美咲ちゃんの手を強引に自分の方に向けて創さんが食べてしまった。
「何で創先生が食べちゃうの!」
怒る美咲ちゃんに、創さんは美咲ちゃんのフォークを持つと、自分のケーキから美咲ちゃんが差し出した位の大きさにケーキを差して
「はい!返すね、美咲ちゃん」
って微笑む。
そんな創さんに、友也が
「大人気ない……」
と呟いた。
すると創さんは友也を睨み
「子供でも、ライバルには容赦しない主義なんでね」
と言うと、ぎっ!と俺を睨み
「はじめも、子供だからって優しい顔ばかりするな!」
って言われてしまった。
苦笑いする俺に、4人の顔が幽霊でも見たような顔になっている。
「全く…、創のヤキモチは今更じゃないだろうに……。あんたらも、こんなのに驚いてらダメだよ!甘い甘い」
って婆ちゃんは言うと
「このバナナタルトより、甘いね!」
そう言って笑ってる。
頂いたケーキはバナナタルトらしく、タルト生地の上にバナナのピューレ。その上にふわりと優しい甘さの生クリームが飾られている。味はハルさんらしい優しい甘さで、1口食べただけで優しい気持ちになる美味しさ。
子供達に引っ張られ母屋に入ると、婆ちゃんが台所から顔を出した。
「今、創さんが荷物を離れに持って行ってるんじゃないかな?これ、お土産で頂いたケーキ。今日来た、ハルさんの手作りみたいだよ」
そう言って婆ちゃんにケーキを手渡す。
「お客様は何人?」
ケーキの箱を開けながら、婆ちゃんが聞いてきた。
「う~ん、4人かな?あ!俺の分は要らないから、みんなで分けて」
そう言うと
「はじめ先生も一緒に食べよう!」
って、手を引っ張られる。
「折角だから、みんなで分て食べりゃ~良いでしょうが!」
そう言って婆ちゃんがケーキを見事に切り分けている。
生クリームが綺麗に施されたケーキに、子供達の目が輝いている。
「一、創とお客様もお呼びして」
婆ちゃんの声に俺が立ち上がると
「美咲も行く~!」
と、一番小さな美咲ちゃんが俺の手を握り締める。
すると
「いつも美咲ばっかりはじめ先生を独り占めして、ずるい!」
そう言って、小学生組の奈々美と綾が俺にしがみつく。
すると
「はじめ先生は、創先生のだからダメ!」
って、後ろから創さんが抱き着いて来た。
「創先生は、夜、はじめ先生を独り占めしてるんだから、お昼間は私達のはじめ先生だもん!」
小さな女子3人相手に
「残念でした!はじめ先生は、ずっと創先生のなんです!」
と、言い争いをしている。
……いつも見慣れた光景だけど、創さんがとんだ面白キャラになっているのが不思議だ。
すると、玄関でその様子を呆れた顔して見ている4人。
そんな4人を見て、婆ちゃんが
「こら!創!お客様放置しちゃダメじゃろう!」
そう叫ぶと
「じゃあ、俺達がおもてなしするよ!」
って言って、男子チームが座布団を敷いて戸惑う4人を引っ張って来た。
「凄い!きちんと教育されてるね。蓮、負けるんじゃないの?」
とハルさんが言うと、蓮君は苦笑いして
「放っとけ!」
そう呟いた。
婆ちゃんが15人分に切ったケーキをテーブルに並べ、子供達がワクワクした顔で待っている。
「じゃあ、作って下さったハルさんに」
と俺が言うと、ハルさんが驚いた顔をした瞬間
「ハルさん!ありがとうございます!」
そう言って、ハルさんにお辞儀をしてから
「いただきます!」
と言うと、フォークを手に食べ始めた。
「うまっ!」
「美味し~い!」
口々に叫ぶ子供達の笑顔に、ハルさんの顔がふにゃりと緩む。
そんなハルさんに、蓮君の顔もふわりと和らぐ。
(あ!子供は許されるのか)
俺がそんな事を考えて2人を見ていると
「はじめ先生、ケーキ美味しいよ」
って、美咲ちゃんが俺に自分のケーキの1部をフォークで差して差し出した。
「美咲ちゃん。先生の分はあるから、自分の分は食べな」
そう言うと、美咲ちゃんは首を横に振って
「はじめ先生、食べて!」
って差し出す。
「分かった、じゃあ1口もらうね」
と言って口を「あ~ん」と開けた瞬間、美咲ちゃんの手を強引に自分の方に向けて創さんが食べてしまった。
「何で創先生が食べちゃうの!」
怒る美咲ちゃんに、創さんは美咲ちゃんのフォークを持つと、自分のケーキから美咲ちゃんが差し出した位の大きさにケーキを差して
「はい!返すね、美咲ちゃん」
って微笑む。
そんな創さんに、友也が
「大人気ない……」
と呟いた。
すると創さんは友也を睨み
「子供でも、ライバルには容赦しない主義なんでね」
と言うと、ぎっ!と俺を睨み
「はじめも、子供だからって優しい顔ばかりするな!」
って言われてしまった。
苦笑いする俺に、4人の顔が幽霊でも見たような顔になっている。
「全く…、創のヤキモチは今更じゃないだろうに……。あんたらも、こんなのに驚いてらダメだよ!甘い甘い」
って婆ちゃんは言うと
「このバナナタルトより、甘いね!」
そう言って笑ってる。
頂いたケーキはバナナタルトらしく、タルト生地の上にバナナのピューレ。その上にふわりと優しい甘さの生クリームが飾られている。味はハルさんらしい優しい甘さで、1口食べただけで優しい気持ちになる美味しさ。
0
お気に入りに追加
126
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
上司に連れられていったオカマバー。唯一の可愛い子がよりにもよって性欲が強い
papporopueeee
BL
契約社員として働いている川崎 翠(かわさき あきら)。
派遣先の上司からミドリと呼ばれている彼は、ある日オカマバーへと連れていかれる。
そこで出会ったのは可憐な容姿を持つ少年ツキ。
無垢な少女然としたツキに惹かれるミドリであったが、
女性との性経験の無いままにツキに入れ込んでいいものか苦悩する。
一方、ツキは性欲の赴くままにアキラへとアプローチをかけるのだった。
ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話
さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ)
奏音とは大学の先輩後輩関係
受け:奏音(かなと)
同性と付き合うのは浩介が初めて
いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく
《第一幕》テンプレ転移した世界で全裸から目指す騎士ライフ
ぽむぽむ
BL
交通事故死により中世ヨーロッパベースの世界に転移してしまった主人公。
セオリー通りの神のスキル授与がない? 性別が現世では女性だったのに男性に?
しかも転移先の時代は空前の騎士ブーム。
ジャンと名を貰い転移先の体の持ち前の運動神経を役立て、晴れて騎士になれたけど、旅先で知り合った男、リシャールとの出会いが人生を思わぬ方向へと動かしてゆく。
最終的に成り行きで目指すは騎士達の目標、聖地!!
少年ペット契約
眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。
↑上記作品を知らなくても読めます。
小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。
趣味は布団でゴロゴロする事。
ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。
文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。
文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。
文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。
三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。
文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。
※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。
※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる