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ただいま
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家の明かりが遠くに見えて来た時、近くの木の上でフクロウのババが待っていました。
「星は取ったのかい?」
優しく聞いてきたババに、チィは大きく首を振って
「ううん、お星様は、遠くから眺めるから綺麗なんだよね」
そう答えました、
するとニィは、少しお兄さんになったチィに微笑み
「地上のお星様を見たくなったら、又行けば良いしね」
と呟くと、チィが笑顔を返しながら
「今度は、トトとカカも一緒にね!」
そう話すニィとチィに、ババは目を細めて微笑みました。
ババは優しく微笑んだまま
「さぁ、早くお帰り。トトとカカが心配しているよ」
そう言って、ルゥに先を急ぐようにお願いします。
ルゥはババに軽くお辞儀をすると、再び走り出します。
段々と、家の明かりが近付いて来ました。
すると、玄関の前で心配そうに待っているトトとカカの姿が見えました。
「トト! カカ! ただいま!」
チィがルゥの背中から手を振って声を掛けると、トトとカカは安心したように走り寄って来ました。
チィとニィも、ゆっくりと止まったルゥから飛び降りると、トトとカカに駆け寄り抱き合います。
カカが泣いてチィとニィを抱き締めると、トトがルゥにお水を用意して、二人を送ってくれたお礼を言っています。
ルゥはトトの用意したお水とニンジンを食べると
「じゃあ、又会おうね。ニィ、チィ」
そう言って、再び物凄い速さで空を飛んで行ってしまいました。
みんなと分かれて家に入ると、星を取りに行ったニィとチィはトトに怒られてしまいます。
でも、二人は心配そうに玄関でずっと立っていたトトとカカの気持ちを考えて、黙って大人しくトトのお説教を聞いていました。トトの説教が終わると、カカが美味しいご飯を出してくれました。
ご飯を食べながら、トトとカカに今日あった事をお話しました。
みんな、トトとカカが大好きな事も伝えると、トトとカカは嬉しそうに笑いました。
その後、トトとお風呂に入ったニィとチィは、パジャマに着替えてベッドに潜り込みました。
ベットに入りながら、窓から差し込むお月さまとお星さまを見上げます。
ニィはカカを泣かせてしまったことを反省しながら
「チィ、今度はトトとカカと一緒に行こうね」
そう呟くと、冒険で疲れたチィが眠い目を擦りながら
「うん」
と答えながらウトウトし始めました。
ニィはチィのお布団を掛け直して上げると、もう一度夜空を見上げます。
湖で見た星は青い緑色だったけど、夜空のお星さまは白いんだな~と夜空を見つめながら、やがてニィもウトウトと眠りに着きました。
外では、ババが夜の帳が降りた事を告げるように
「ホゥ、ホゥ」
と鳴いています。
この日の2人は、温かくて優しい夢をみました。
翌日、二人の大冒険は、からすのクゥによって町中の噂になりました。
馬鹿にしていたケンとルンが、チィとニィにお星さまの場所を聞いて冒険に出掛けるのは、まだ少し先のお話。
ここは動物の森。
いつかあなたも、この森に迷い込む事があるかもしれません。
でも、怖がらなくても大丈夫。
この町は、みんなが優しくて温かい町だから。
夜空のお月様が、町中が眠りに着いた事を知らせているように見守っています。
おやすみなさい。
さぁ、あなたも夢の中で、チィとニィと一緒に旅に出ませんか?
【完】
「星は取ったのかい?」
優しく聞いてきたババに、チィは大きく首を振って
「ううん、お星様は、遠くから眺めるから綺麗なんだよね」
そう答えました、
するとニィは、少しお兄さんになったチィに微笑み
「地上のお星様を見たくなったら、又行けば良いしね」
と呟くと、チィが笑顔を返しながら
「今度は、トトとカカも一緒にね!」
そう話すニィとチィに、ババは目を細めて微笑みました。
ババは優しく微笑んだまま
「さぁ、早くお帰り。トトとカカが心配しているよ」
そう言って、ルゥに先を急ぐようにお願いします。
ルゥはババに軽くお辞儀をすると、再び走り出します。
段々と、家の明かりが近付いて来ました。
すると、玄関の前で心配そうに待っているトトとカカの姿が見えました。
「トト! カカ! ただいま!」
チィがルゥの背中から手を振って声を掛けると、トトとカカは安心したように走り寄って来ました。
チィとニィも、ゆっくりと止まったルゥから飛び降りると、トトとカカに駆け寄り抱き合います。
カカが泣いてチィとニィを抱き締めると、トトがルゥにお水を用意して、二人を送ってくれたお礼を言っています。
ルゥはトトの用意したお水とニンジンを食べると
「じゃあ、又会おうね。ニィ、チィ」
そう言って、再び物凄い速さで空を飛んで行ってしまいました。
みんなと分かれて家に入ると、星を取りに行ったニィとチィはトトに怒られてしまいます。
でも、二人は心配そうに玄関でずっと立っていたトトとカカの気持ちを考えて、黙って大人しくトトのお説教を聞いていました。トトの説教が終わると、カカが美味しいご飯を出してくれました。
ご飯を食べながら、トトとカカに今日あった事をお話しました。
みんな、トトとカカが大好きな事も伝えると、トトとカカは嬉しそうに笑いました。
その後、トトとお風呂に入ったニィとチィは、パジャマに着替えてベッドに潜り込みました。
ベットに入りながら、窓から差し込むお月さまとお星さまを見上げます。
ニィはカカを泣かせてしまったことを反省しながら
「チィ、今度はトトとカカと一緒に行こうね」
そう呟くと、冒険で疲れたチィが眠い目を擦りながら
「うん」
と答えながらウトウトし始めました。
ニィはチィのお布団を掛け直して上げると、もう一度夜空を見上げます。
湖で見た星は青い緑色だったけど、夜空のお星さまは白いんだな~と夜空を見つめながら、やがてニィもウトウトと眠りに着きました。
外では、ババが夜の帳が降りた事を告げるように
「ホゥ、ホゥ」
と鳴いています。
この日の2人は、温かくて優しい夢をみました。
翌日、二人の大冒険は、からすのクゥによって町中の噂になりました。
馬鹿にしていたケンとルンが、チィとニィにお星さまの場所を聞いて冒険に出掛けるのは、まだ少し先のお話。
ここは動物の森。
いつかあなたも、この森に迷い込む事があるかもしれません。
でも、怖がらなくても大丈夫。
この町は、みんなが優しくて温かい町だから。
夜空のお月様が、町中が眠りに着いた事を知らせているように見守っています。
おやすみなさい。
さぁ、あなたも夢の中で、チィとニィと一緒に旅に出ませんか?
【完】
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