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社を守れ~やりすぎ~

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「うー……」

 マヨイが零の膝の上でごろごろと何か悩んで居るようだった。

「どうしたマヨイ」
「マヨイどったの、悩むなんて珍しい」
「う! う!」
「え、神社を破壊していく輩が出て来て困ってる? 修理しても壊される?」
「うー……」

 マヨイの言葉を零は翻訳する。

「違う宗教の連中とかだろうねぇ」
「うー……」
「脅かすとかはできんな、マヨイには」
「脅かす?」

 マヨイに零は言ったが、首を振った。
 だが、その言葉を聞いたフエはにやり。

「良い案思いついちゃったー! 零さんありがとー!」

 フエはそう言って零達の前から姿を消した。

「あれ、絶対良い案じゃ無いよな」
「う」

 零の言葉に、マヨイはこくんと頷いた。




『邪教の場所、壊しても壊しても治されるから燃やそう』
『そうだな、それがいい』
『ん、なんだ。女がいるぞ?』
『人気も無いしひき殺せば良い!』
『そうだそうだ!』

 異国の男達はそう言って女を引いたはずだった。
 だが、感触はなく、女はいなくなっていた。

『あれ?』
『引いたはず』
『ひぃ⁈ な、なんでここに⁈』
『『⁈』』

 女は後ろの席にいた。
 黒い長い髪を垂らし、口持ちは笑っていた。

『お前達か、私の大事な社を燃やそうとする輩は』

 女は異国の言葉でしゃべった。

『じゃ、邪教の信仰する場所など、燃やしてなにが悪い──』
『許さない』

『命を持って償え』

 女の胴体は蛇になり、舌が長くなり、裂け、無数の手が刃物を持って男達を刺していった。


『神よ、お助けぇえええぎゃああああ‼』
『何故、助けてくださらないぎゃああああああ‼』
『悪魔よ去れ、されぎゃあああああああ‼‼』


 車の中に男達の悲鳴が響き渡った。




 翌日、車の中で男達が死亡しているのが見つかった──
 男達の体は蛇の痕が残っていた──




「フエ?」
「いや、ちょっと脅すつもりだけだったんだけど……」
「だからって殺してどうする」
「見せしめになるじゃん!」
「お前なぁ……」
「う!」
「ほれ、マヨイもやり過ぎって言ってるぞ」
「次回はもっと上手くやるからー!」
「その次回がこんことを祈る!」
「ですよねー!」

 怒り口調で説教する零と、自棄になっているフエであった──





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