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猛毒に倒れかける~マヨイの印の解毒剤~
しおりを挟むくるくるくるりと世界は回る。
私はそれを夢見る。
「んあ?」
ベッドの中でフエは目を覚ました。
「ん……フエ、どうした?」
隣に居た柊が声をかける。
「んー、ちょっと夢見がおかしくてね、本体見てくる」
「行ってらっしゃい……」
フエはその場から姿を消した。
「あーサボタージュしてやがる。働けー!」
音楽を奏でる異形達が珍しく動いて居なかった。
それどころか主人であるフエの指示に従ってくれなかった。
よく見ると糸らしきものでぐるぐる巻きにされていた。
フエは周囲を見渡す。
蜘蛛の異形が居た。
「テメェかこの野郎。『私』が起きたら世界は、この宇宙は終わるんだぞ‼」
キキキと耳障りな声で笑う異形。
フエはプツンと来た。
「今すぐ死ね!」
黒い肉癖で包み込み捕食する。
「うぇまじぃ、毒入ってる……猛毒」
フエは少し苦しそうにするが、立ち上がり、異形達の糸を取り除く。
取り除かれた異形達は音楽を奏で始める。
フエは顔色を悪くしたまま、姿を消した。
「うぇっぷ」
フエは自室のベッドに姿を現し倒れ込んだ。
「フエ!」
「ごめん、あさごはんつくるね……」
「紅が作ってくれた、それより君の具合が心配だ」
「うん……ありがとう……」
フエはベッドの上で毛布にくるまる。
「くそ、あの異形、どういう、仕組みして、やがるんだ!」
フエはベッドの中で悪態をつく。
「フエーいる?」
「あ? 蓮どったの?」
蓮が部屋に入って来た。
「フエの本体がある場所に私はいけないけど、戻って来たフエから猛毒反応が出てね。私がアレンジした毒の解毒剤をマヨイに作って貰ったから飲んで」
「ありがたやー」
フエは薬を飲み干す、すると顔色が良くなった。
「ふぅ、楽になった。これで零さんの様子見に行ける」
「フエ~~?」
「ごめんってでも行かないと!」
フエは姿を消した。
そして恨めしそうに蓮を見る柊。
「言っとくけど、放置しててもあのまま零さんの所いってヘマするだけだったから」
「うう……」
今度は柊がベッドの上の布団にこもりだした。
「困った二人だわ」
蓮は疲れたようにため息をついた。
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