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マスタースキル獲得~神樹からのお願い~
しおりを挟む「マスタースキル?」
「通常時は冒険者が来る前しか地形を変えたり、モンスターの配置場所を変えたり、それら変更する指示を出せないがマスタースキルを獲得すると、その場で地形を変動させたり、モンスターを出現させたりすることができる」
「なるほど」
「今回獲得したのは地形変動だな。一気に奈落の底に落とすというのが色んな場所で可能になる、ダンジョン外でもな」
「ふむ……」
ピコン
『お金が入ってきたためスキルを獲得できます』
私はスキルを見る。
一つ目は、外でも目が見える。
二つ目は、取り寄せできるものの増加
三つ目は、モンスター図鑑の獲得
「あ、今回は結構なお金が入ってきたから全部入手できそう」
私は三つを入手する。
「あ、取り寄せの品にベッドある。取り寄せよう」
ベッドと各種のボタンを押すと部屋の隅にベッドが出現した。
私はそれに横になる。
「わーこれで、寝るとき地べたに寝なくてすむー!」
「余の分は」
「あ」
急いでクライノートの分も購入。
となりに配置される。
「ふむ、これがベッドか良いな。角が邪魔で仰向けにしかなれぬが」
「ははは……」
『ごしゅじんさまー』
ライムがベッドに飛び乗り私にすり寄る。
『一緒に寝たいですー』
「そうだね、今日は疲れたし、寝ようか」
「我は起きてる、ダンジョンに何かあったら起こす故」
「分かった」
私はそう言って眠りに落ちた。
「主よ、起きろ。冒険者共だ」
「全く寝かせてほしいわ」
私は冒険者が入る前なのを理解し、ダンジョンをいじくり回す。
そしてライムも指定位置に配置する。
『冒険者が来ました、配信しますか』
私は迷いなくはいを押した。
運良くお金が入ればそれで新しいスキルを獲得できる。
『お、今日も始まったかー!』
『動画配信者含めて俺等性格悪いよなww』
『だがどのような構造で、トラップやモンスターを配置するかはTRPGの参考になる』
『参考っていったって、ここのダンジョン未だ突破した奴いないけどなw』
『さぁて、突破するか、それとも餌食か!』
『おおーっと初手の毒コウモリの群れー!でも全員プレートで身を固めてる残念!』
『三手に分かれたな、お、同時配信だ』
『水のほうに行った奴らは水の姉ちゃん達に取り込まれて溺死だー!』
『流砂の方はプレートの重みと熱でアウトだな』
『残りは……おおっとスライムの集団に襲われてプレートが溶けたー!』
『そのまま二名はなんとかプレートを脱いで奥へ進んだが他はアウト!』
『二名を待ち受けるには……お、小さいトカゲ?』
『じゃねぇ、炎吐きまくってる、サラマンダーだ!』
『なんとかサラマンダーを撃破したと思ったら再度スライムの登場! 今度こそアウトー!』
『なるほど、サラマンダーを囮にしたのか』
『これで、今回の配信も終了だな』
『よーし、おじさん投げ銭しちゃうぞ!』
『俺も俺もー投げ銭しちゃうぜ』
『私もー』
配信は終了、今日の冒険者達はこれで終わりっぽい。
ピコン!
『ダンジョンマスターレベルが15に上がりました』
うん、ダンジョンマスターのレベルも徐々に上がってる。
『そしてお金が入ってきたため、スキルが開放できます』
一つは使い魔を増やす+2
二つ目は精霊の解禁
三つ目はトラップの増加
今日は二つまで解禁できそうだ。
まずは使い魔を増やす+2。
次は精霊の解禁。
精霊の解禁?
選んでからふと疑問になった。
「其方はダンジョンにエルフやドワーフといった者達が入らないのを不思議に思わなかったか?」
「そういえば、人間しかダンジョンに入らない」
「ダンジョンは精霊の住処にもなる、だから奴らはダンジョンには入らないのだ」
「へぇ……」
「試しにダンジョンの外を出てエルフの里にでも行ってみるか?」
「へ?」
私はライム留守番を任せて、クライノートと共に空を飛んで森の奥へと来た。
巨大な神樹がある。
『ダンジョンマスターか、何百年ぶりだ』
「神樹を久しいな」
『クライノートか、外にでるのは何百年ぶりだ?』
「百年ぶりだな」
クライノートさん、神樹さんとお知り合いみたい。
『時にダンジョンマスター……いや、名前を何という?』
「ソフィアです」
『水が欲しいのだが、くれぬか』
「水ですか?」
私はお取り寄せで美味しい水を取り寄せ、ペットボトルからとぽぽぽぽと水を注ぐ。
『うむ、美味い!』
「それは何より」
『次いでといっては何だが、そこのエルフの話を聞いてやってはくれぬか?』
「え?」
後ろを向くと膝をつき、頭を下げているエルフがいた。
エルフなんて見たの何回目だろう。
「見目は聖女と思われますが、ダンジョンマスター様」
「は、はい」
「どうか我が里を救って下さい!」
「はい?」
どうやら人間至上主義の国が攻め込んできたらしいのだなんとか森で応戦するものの、焼き払おうとしてくるらしい。
「……分かりました、なんとかやってみましょう」
「金にならんのだぞ?」
「困ってる人は見過ごせません、それに精霊はエルフと仲が良いのでしょう」
「そうだな」
「ただし、条件があります」
「何でしょう」
「私一人で行うことです、皆様がいると敵を粉砕するトラップが作れない場合があります。ですので里にこもっていて下さい」
「わ、分かりました」
エルフが立ち去ると、私は使い魔を選ぶ。
サラマンダーとアクアレディだ。
『よっしゃあご主人様、俺を選んでくれてありがとよ!』
『ご主人様、私を選んでくれて有り難う』
「早速だけど、二人にはお願いがあるの」
『かしこまりぃ!』
『畏まりました』
森に向かってくる兵士達を頭上から眺める。
私はそれを見て手をかざす。
「落ちろ」
兵士達の足下に大穴ができ、落下していく。
「水びだし」
兵士達の腰まで水につかると──
「アクアレディ」
『はい』
無数のアクアレディ達が兵士達を溺死させていく。
「これで一個兵団は潰した……さて次へ行こう」
地面を元に戻し、兵士達を埋める。
「うむ」
クライノートは上機嫌そうに飛んでいった。
次の兵士達は同じように穴に落としてから、足下を油だらけにした、正確には石油。
「サラマンダー」
「あいよ!」
サラマンダーの炎で引火し、燃え上がる。
兵士達は燃え死んでいく。
同じように地面を元に戻し兵士達を埋める。
「他の兵団はいないようだぞ」
「では神樹のほうへ戻りましょうか」
『はい』
『おう!』
神樹の方へ私達は戻っていった──
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