上 下
12 / 32

12話 チート

しおりを挟む
 このゲームでのルール。それを逆利用する。思いついたらやってみるが吉か。

「比奈」

 そう言って、プランを説明した。
後、連絡手段を一応用意しておかなければならない。荒廃したこの星に電波を飛ばす会社なんてもうないからだ。

「なるほど。それじゃあここから援護だけするね」

 そう、今回はぼくだからこそできる技。この乱戦においてのみ発動できる技。
ぼくは戦場の中に入っていく。

 今見てみると、本当に大変なことになっている。
もう結構な人が地に伏していた。ただ、まともな死に方をしている人がほとんど見当たらない。氷漬けになっている人や、いや、死体か。お腹のあたりがすっかりなくなっている死体とか。
ぼくはそんな中で1人の能力者に目をつけた。
近くのやつらに威力をあんまり考えずに戦っている、炎を手から放出する能力者だ。しかし、周りのやつらも強いようで炎にあたっているやつが一人もいない。

 一旦ぼくは時間のずれを解除する。今、違和感を周りのやつらに与えるわけにはいかない。ぼくの能力がバレるわけにはいかないからだ。バレた時点で、ぼくの能力は無能確定だ。

バタリ

 背後で人が倒れる音がした。静かに殺しに来ていたようだが、ぼくを狙ったのが間違いだった。

「あ、ごめんね。意味ないから」

 そう言って、別の人の方にスッと手のひらを向ける。
手を向けた先にいた人々が、
パタリ。またパタリと倒れてゆく。
そんな異変が起こったら、誰もがぼくのことを気にせずにはいられなくなる。

「あ、そこの炎出す人! ぼくを倒せるなら倒してみなよ」

 強そうな能力の人なら、自分の強さを過信している。つまり、襲ってくる可能性の方が高いということだ。

「いいだろう」

 周りの人も黙認してくれているようだ。強い能力者同士で戦ってくれた方がお得だと考えたのだろう。
このタイミングで、ぼくは、時間のずれを戻す。
相手は両手で火の玉を生成しているようだ。それも相当大きなのを。挑発に乗ってくるようなバカだから、それも仕方ないか。

今のうちに......
 
 相手が火の玉を打ってきた。ぼくはキレイにそれをかわす。まぁ、当たってるように見えてるだろうけど。


これにて、殺害完了かな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜おっぱい編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート詰め合わせ♡

ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生

花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。 女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感! イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡

処理中です...