2 / 5
2
しおりを挟む
髭もじゃワイアットは12年前、31才の時に爵位を継いだ。
当時は髭もじゃではなく、王国騎士団に在籍する血統の良い武官のような精悍な面立ちで、今のような野性味は少なかったように思う。
どちらかといえば、女性にモテる凛々しさがあった。
気づいたら髭もじゃのビッグフットみたいな見た目になっていた。
髭もじゃワイアットは火の精霊の加護を得ているの、火の使い手だ。なのに、筋肉を鍛えるために大剣を使う。
大剣を振り回すから、筋肉を鍛える。
鍛えて、鍛えて、身だしなみを忘れて鍛えて、ビッグフットになったのだろう。
息子が大剣を選択したのも父親の影響に違いない。そのうち、髭もじゃジュニアとなるのかもしれない。
髭もじゃワイアットの剣技は、見た目のまま力勝負だ。
脳筋に駆け引きはできないのだ。
そして、せっかく与えられた加護は、魔物の死骸を焼く時だけに使われる。
髭もじゃワイアットは、領主ながら戦闘民族なので討伐は独りのことが多い。他の兵がいると、力を存分に発揮できない。要は足手まといになるのだ。
故に単身で討伐し、手ずから解体する。
魔物の素材は高く売れるのが常識だが、髭もじゃワイアットは領地から出ないので他を知らない。王都へ行くのも、社交界に顔を出すのも重臣たちの役目なのだ。
辺境伯は王国の盾として魔物の脅威と対峙しなければならない。というのは建前で、代々腹芸のできない脳筋領主は討伐が楽しくて引きこもっているだけである。
面倒を押し付けられる重臣たちも、まさか髭もじゃワイアットが冒険者ギルドを知らないとは思わなかっただろう。しかも、魔物を火葬しているなどと想像だにしなかったはずだ。
何しろ、帰還した時には肉屋に卸したように肉塊になっているのだから。他の部位がどうなったのかなど誰も知らないし、領主に売上金を問い質す真似もできない。
兵団にしても同じだ。髭もじゃワイアットが「いらん。燃やせ」と言えば唯々諾々と魔物を燃やす。
結果として、長い間、人知れず金の生る木が灰燼に帰していたというわけだ。
それも代々。
これを笑わずして何を笑うというのか。
ああ、可笑し!
さてさて、大森林深度2区までの入林許可を得た少年。
名前はルイス・ワイアット。
貧乏子だくさんのワイアット家次男になる。
そのルイスは、やはりと言うべきか。意気揚々と単身で駆け出し、大森林へと突撃して行った。
狙うは大型種なのだろうが、さすが脳筋。
何が高額取引対象の魔物か分からないままに来たようだ。
ルイスよ、小型だからとスルーした黄金色の狐は九尾狐だ。黄金色の毛並みは希少種なので、大金が舞い込むこと間違いなしなのだよ。
なのに、ルイスは「でっかい獲物はどこだ…」としょんぼりしている。
ルイスは大型種=高額素材という図式を頑なに信じているようだが、一向に大型種に向かう様子がない。
というか、ルイスは髭もじゃワイアットと同じく魔法を使わない。
いや、使えない?
加護なしなのか?
加護というのは、子が生まれると火風土水いずれかの精霊が気まぐれで与える恩恵のようなものだ。加護を与えられた者は、与えられた加護の魔法が使えるようになる。
気まぐれなので、加護なしの子は珍しくはない。
加護を与えられた子は、魔法が使えるだけではない。魔力を帯びた魔物の気配の感知能力が上がることが分かっている。
一方の加護なしの子は魔法が使えず、加護持ちに比べて危機察知能力が劣る。
そんな人間が、長い月日をかけて人為的に魔法を発動させる魔術を開発した。魔術というのは、魔石と術式を用いて発動させる魔法なので、加護の有無は関係ない。
ただ、難解かつ複雑な術式が必要で、魔術師の称号を得た人間が製作する必要があるそうだ。
でも困った。
私は、髭もじゃワイアットよりも細身のルイスが、どうやって大剣を振るうのか見てみたいのだ。
「仕方ない」
危なくなったら私が助けてやろう。
「我が友、風の精霊よ。少し遠くにいる大猪を追い立てて来てくれるかい?」
ふぅ、と息を吹きかけると、軽やかな笑い声がそよ風となって大森林の奥へと駆け抜けて行った。
それを見送って、必死に気配を消し、獲物が来るのを待ち構えるルイスを見下ろす。
気配の消し方は満点だ。呼吸にも注意を払い、微動だにしない。
本能なのだろうが、エルフの狩りに似ている。
親子ともども本当に人間かな?
そうして暫くルイスを観察していると、騒々しい物音が聞こえていた。
ドタドタと地を駆け、バキバキと木々を薙ぎ払い、苔むした小山のような背が見えてきた。
大猪だ。
突き出した牙に殺気立った眼光。丸々とした胴体の割に脚は短く小さいが、筋肉が隆起したイカつさがある。
しかも、奴らは群れを成す。
今回は5頭。
ルイスは意気揚々と立ち上がると、「よっしゃーー!」と歓声を上げて大剣を構えた。
すごいぞ!
恐れるどころか、正々堂々真っ向勝負するつもりだ!
茂みから飛び出した少年に気づいた大猪は敵意むき出しにしている。
「大猪の一撃は重いぞ少年」
いきり立った大猪も勝負を受けるつもりだ。ブギャーー!と甲高い咆哮で、ノンストップの突進だ。
普通なら尻込みする大猪5頭の猪突猛進も、ルイスは「来いーー!」と叫んでいる。
軽快なフットワークで大猪の突進を避け、大剣を振るう。大振りながら、当たれば一撃必殺だ。華麗に…とは言い難いドタバタぶりだが、筋は悪くない。
人間が一撃で大猪を屠れるのかと驚嘆しつつ、胡坐の上に広げたノートにルイスの動きをスケッチする。そして気づいた。ルイスは目だけで大猪を追っている。
「視覚頼り。やっぱり加護なしか?背後からいかれたら終わりじゃないか」
でも面白い。
加護なしだというのに単身で大森林に来る度胸の良さよ。
脳筋の項目に、お馬鹿で無謀に加え、計算は苦手らしいと追記しておく。
さてさて、どう見ても大剣を振り回せるような筋肉があるようには見えない体。大剣というのは、一切可愛げがない筋骨隆々の髭もじゃワイアットにこそ相応しい。
となると、考えられることは2つ。
剣自体に何かしらの細工が施されているか、ルイス自身が魔術を発動させているか。
「身体強化」
声に出してしまえば、興奮でペンが進む。
ノートに意味もなく”身体強化”の文字を連ねてしまうくらいには興奮している。
「せいや!!」
気合いの咆哮で、ルイスが最後の1頭を倒した。
思わず拍手した私は悪くない。
私を興奮させたルイスが悪いのだ。
案の定、ルイスは突然の拍手に飛び上がり、慌てて剣を構えた。
まるで必死に威嚇する子犬みたいだ。
「だ、誰だ!」
まだ私の姿は捉えていないらしい。
ん~どうしようか。
姿を見せると面倒なことになる。
でも、身体強化された体を触ってみたい!
筋肉は鎧のように硬いのか、はたまた柔軟さが増しているのか。
うずうずとした知的探求心に抗えず、私は樹上から飛び降りた。
ルイスが驚いたように飛び退る。
「ああ、怖がらないで。私に敵意はないよ。ただ、君の戦闘に興奮していたんだ」
「……敵意はないのだろうけど、すごく怪しいよ。あんた」
「あははっ、よく言われる!」
特にフード付きのローブというのは人間に不評だ。
顔が見えないし、ローブの前を留めてしまえば体形も隠れて性別が分からなくなる。さらに私の声はハスキーだから性別の判断材料にはならない。
「まぁ、私のことより君だよ。魔法は一切使わなかったね。加護はないのかい?」
質問に、ルイスが気分を害したことが分かった。
加護なしがコンプレックスなのか。
「魔法は使えずとも魔術は使えるだろう?」
魔術を近くで見てみたいな。
一縷の望みをかけて、ちょっとだけ媚びた声を出してみるけど、なかなかに警戒心が強い。髭もじゃワイアットではなく、母親の教育かな。
「怪しい野郎に見せるわけがないだろ」
「見せてくれれば対価を払おう。あ、対価と言ってもお金じゃなくて、この大猪を森の外へ運ぶ手伝いをしてやろうってことだよ。1人じゃ無理だろ?」
「……」
身体強化しても、1頭担ぐのが関の山。
図星を指されて、ルイスはぶすっと不貞腐れた顔になった。
表情一つでなんとも幼い顔になるのだな。
摩訶不思議な人間の顔。
「分かった。俺は加護なしだ。代わりに、身体強化を使う」
ルイスは言って、シャツの奥からネックレスを引っ張り上げた。
銀色のロケットの付いたネックレスだ。そのロケットを開ければ、魔石の粉を塗り込んだ術式が施されているという。
「それじゃあ、使ってくれ。私は身体強化した君に触れて筋肉の硬さと柔軟性を感じたい」
「はぁあ!?ふざけんな!変態!俺は男に触られて喜ぶ趣味はねぇ!」
「失礼だな。私は歴とした女性だよ」
ほら、とローブの前を広げて見せる。
変態っぽいけど、ちゃんと服は着ている。女性らしいひらひらした服ではないけれど、シャツとズボンでも体形を見れば一目瞭然だ。大きくはないが、小さくもない程度の胸があるからね。
「どうだい?」とルイスを見れば、熟れたリンゴみたいな顔をして震えている。
「もっとダメだろ!!」
何がダメだというのか。
私は諦めないぞ!
当時は髭もじゃではなく、王国騎士団に在籍する血統の良い武官のような精悍な面立ちで、今のような野性味は少なかったように思う。
どちらかといえば、女性にモテる凛々しさがあった。
気づいたら髭もじゃのビッグフットみたいな見た目になっていた。
髭もじゃワイアットは火の精霊の加護を得ているの、火の使い手だ。なのに、筋肉を鍛えるために大剣を使う。
大剣を振り回すから、筋肉を鍛える。
鍛えて、鍛えて、身だしなみを忘れて鍛えて、ビッグフットになったのだろう。
息子が大剣を選択したのも父親の影響に違いない。そのうち、髭もじゃジュニアとなるのかもしれない。
髭もじゃワイアットの剣技は、見た目のまま力勝負だ。
脳筋に駆け引きはできないのだ。
そして、せっかく与えられた加護は、魔物の死骸を焼く時だけに使われる。
髭もじゃワイアットは、領主ながら戦闘民族なので討伐は独りのことが多い。他の兵がいると、力を存分に発揮できない。要は足手まといになるのだ。
故に単身で討伐し、手ずから解体する。
魔物の素材は高く売れるのが常識だが、髭もじゃワイアットは領地から出ないので他を知らない。王都へ行くのも、社交界に顔を出すのも重臣たちの役目なのだ。
辺境伯は王国の盾として魔物の脅威と対峙しなければならない。というのは建前で、代々腹芸のできない脳筋領主は討伐が楽しくて引きこもっているだけである。
面倒を押し付けられる重臣たちも、まさか髭もじゃワイアットが冒険者ギルドを知らないとは思わなかっただろう。しかも、魔物を火葬しているなどと想像だにしなかったはずだ。
何しろ、帰還した時には肉屋に卸したように肉塊になっているのだから。他の部位がどうなったのかなど誰も知らないし、領主に売上金を問い質す真似もできない。
兵団にしても同じだ。髭もじゃワイアットが「いらん。燃やせ」と言えば唯々諾々と魔物を燃やす。
結果として、長い間、人知れず金の生る木が灰燼に帰していたというわけだ。
それも代々。
これを笑わずして何を笑うというのか。
ああ、可笑し!
さてさて、大森林深度2区までの入林許可を得た少年。
名前はルイス・ワイアット。
貧乏子だくさんのワイアット家次男になる。
そのルイスは、やはりと言うべきか。意気揚々と単身で駆け出し、大森林へと突撃して行った。
狙うは大型種なのだろうが、さすが脳筋。
何が高額取引対象の魔物か分からないままに来たようだ。
ルイスよ、小型だからとスルーした黄金色の狐は九尾狐だ。黄金色の毛並みは希少種なので、大金が舞い込むこと間違いなしなのだよ。
なのに、ルイスは「でっかい獲物はどこだ…」としょんぼりしている。
ルイスは大型種=高額素材という図式を頑なに信じているようだが、一向に大型種に向かう様子がない。
というか、ルイスは髭もじゃワイアットと同じく魔法を使わない。
いや、使えない?
加護なしなのか?
加護というのは、子が生まれると火風土水いずれかの精霊が気まぐれで与える恩恵のようなものだ。加護を与えられた者は、与えられた加護の魔法が使えるようになる。
気まぐれなので、加護なしの子は珍しくはない。
加護を与えられた子は、魔法が使えるだけではない。魔力を帯びた魔物の気配の感知能力が上がることが分かっている。
一方の加護なしの子は魔法が使えず、加護持ちに比べて危機察知能力が劣る。
そんな人間が、長い月日をかけて人為的に魔法を発動させる魔術を開発した。魔術というのは、魔石と術式を用いて発動させる魔法なので、加護の有無は関係ない。
ただ、難解かつ複雑な術式が必要で、魔術師の称号を得た人間が製作する必要があるそうだ。
でも困った。
私は、髭もじゃワイアットよりも細身のルイスが、どうやって大剣を振るうのか見てみたいのだ。
「仕方ない」
危なくなったら私が助けてやろう。
「我が友、風の精霊よ。少し遠くにいる大猪を追い立てて来てくれるかい?」
ふぅ、と息を吹きかけると、軽やかな笑い声がそよ風となって大森林の奥へと駆け抜けて行った。
それを見送って、必死に気配を消し、獲物が来るのを待ち構えるルイスを見下ろす。
気配の消し方は満点だ。呼吸にも注意を払い、微動だにしない。
本能なのだろうが、エルフの狩りに似ている。
親子ともども本当に人間かな?
そうして暫くルイスを観察していると、騒々しい物音が聞こえていた。
ドタドタと地を駆け、バキバキと木々を薙ぎ払い、苔むした小山のような背が見えてきた。
大猪だ。
突き出した牙に殺気立った眼光。丸々とした胴体の割に脚は短く小さいが、筋肉が隆起したイカつさがある。
しかも、奴らは群れを成す。
今回は5頭。
ルイスは意気揚々と立ち上がると、「よっしゃーー!」と歓声を上げて大剣を構えた。
すごいぞ!
恐れるどころか、正々堂々真っ向勝負するつもりだ!
茂みから飛び出した少年に気づいた大猪は敵意むき出しにしている。
「大猪の一撃は重いぞ少年」
いきり立った大猪も勝負を受けるつもりだ。ブギャーー!と甲高い咆哮で、ノンストップの突進だ。
普通なら尻込みする大猪5頭の猪突猛進も、ルイスは「来いーー!」と叫んでいる。
軽快なフットワークで大猪の突進を避け、大剣を振るう。大振りながら、当たれば一撃必殺だ。華麗に…とは言い難いドタバタぶりだが、筋は悪くない。
人間が一撃で大猪を屠れるのかと驚嘆しつつ、胡坐の上に広げたノートにルイスの動きをスケッチする。そして気づいた。ルイスは目だけで大猪を追っている。
「視覚頼り。やっぱり加護なしか?背後からいかれたら終わりじゃないか」
でも面白い。
加護なしだというのに単身で大森林に来る度胸の良さよ。
脳筋の項目に、お馬鹿で無謀に加え、計算は苦手らしいと追記しておく。
さてさて、どう見ても大剣を振り回せるような筋肉があるようには見えない体。大剣というのは、一切可愛げがない筋骨隆々の髭もじゃワイアットにこそ相応しい。
となると、考えられることは2つ。
剣自体に何かしらの細工が施されているか、ルイス自身が魔術を発動させているか。
「身体強化」
声に出してしまえば、興奮でペンが進む。
ノートに意味もなく”身体強化”の文字を連ねてしまうくらいには興奮している。
「せいや!!」
気合いの咆哮で、ルイスが最後の1頭を倒した。
思わず拍手した私は悪くない。
私を興奮させたルイスが悪いのだ。
案の定、ルイスは突然の拍手に飛び上がり、慌てて剣を構えた。
まるで必死に威嚇する子犬みたいだ。
「だ、誰だ!」
まだ私の姿は捉えていないらしい。
ん~どうしようか。
姿を見せると面倒なことになる。
でも、身体強化された体を触ってみたい!
筋肉は鎧のように硬いのか、はたまた柔軟さが増しているのか。
うずうずとした知的探求心に抗えず、私は樹上から飛び降りた。
ルイスが驚いたように飛び退る。
「ああ、怖がらないで。私に敵意はないよ。ただ、君の戦闘に興奮していたんだ」
「……敵意はないのだろうけど、すごく怪しいよ。あんた」
「あははっ、よく言われる!」
特にフード付きのローブというのは人間に不評だ。
顔が見えないし、ローブの前を留めてしまえば体形も隠れて性別が分からなくなる。さらに私の声はハスキーだから性別の判断材料にはならない。
「まぁ、私のことより君だよ。魔法は一切使わなかったね。加護はないのかい?」
質問に、ルイスが気分を害したことが分かった。
加護なしがコンプレックスなのか。
「魔法は使えずとも魔術は使えるだろう?」
魔術を近くで見てみたいな。
一縷の望みをかけて、ちょっとだけ媚びた声を出してみるけど、なかなかに警戒心が強い。髭もじゃワイアットではなく、母親の教育かな。
「怪しい野郎に見せるわけがないだろ」
「見せてくれれば対価を払おう。あ、対価と言ってもお金じゃなくて、この大猪を森の外へ運ぶ手伝いをしてやろうってことだよ。1人じゃ無理だろ?」
「……」
身体強化しても、1頭担ぐのが関の山。
図星を指されて、ルイスはぶすっと不貞腐れた顔になった。
表情一つでなんとも幼い顔になるのだな。
摩訶不思議な人間の顔。
「分かった。俺は加護なしだ。代わりに、身体強化を使う」
ルイスは言って、シャツの奥からネックレスを引っ張り上げた。
銀色のロケットの付いたネックレスだ。そのロケットを開ければ、魔石の粉を塗り込んだ術式が施されているという。
「それじゃあ、使ってくれ。私は身体強化した君に触れて筋肉の硬さと柔軟性を感じたい」
「はぁあ!?ふざけんな!変態!俺は男に触られて喜ぶ趣味はねぇ!」
「失礼だな。私は歴とした女性だよ」
ほら、とローブの前を広げて見せる。
変態っぽいけど、ちゃんと服は着ている。女性らしいひらひらした服ではないけれど、シャツとズボンでも体形を見れば一目瞭然だ。大きくはないが、小さくもない程度の胸があるからね。
「どうだい?」とルイスを見れば、熟れたリンゴみたいな顔をして震えている。
「もっとダメだろ!!」
何がダメだというのか。
私は諦めないぞ!
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
家庭の事情で歪んだ悪役令嬢に転生しましたが、溺愛されすぎて歪むはずがありません。
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるエルミナ・サディードは、両親や兄弟から虐げられて育ってきた。
その結果、彼女の性格は最悪なものとなり、主人公であるメリーナを虐め抜くような悪役令嬢となったのである。
そんなエルミナに生まれ変わった私は困惑していた。
なぜなら、ゲームの中で明かされた彼女の過去とは異なり、両親も兄弟も私のことを溺愛していたからである。
私は、確かに彼女と同じ姿をしていた。
しかも、人生の中で出会う人々もゲームの中と同じだ。
それなのに、私の扱いだけはまったく違う。
どうやら、私が転生したこの世界は、ゲームと少しだけずれているようだ。
当然のことながら、そんな環境で歪むはずはなく、私はただの公爵令嬢として育つのだった。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
愛のない結婚はごめんですわ
もぐすけ
ファンタジー
私はエルザ・ミッドランド。ミッドランド侯爵家の長女で十七歳。十歳のときに同い年の第一王子のエドワードと婚約した。
親の決めた相手だが、ルックスも頭もよく、いずれは国王にと目される優秀な人物で、私は幸せになれると思っていたのだが、浮気をすると堂々と宣言され、私に対する恋愛感情はないとはっきりと言われた。
最初からあまり好きではなかったし、こんなことを言われてまで結婚したくはないのだが、私の落ち度で婚約破棄ともなれば、ミッドランド一族が路頭に迷ってしまう。
どうしてもエドワードと結婚したくない私は、誰にも迷惑を掛けずに婚約解消する起死回生の策を思いつき、行動に移したのだが、それをきっかけに私の人生は思わぬ方向に進んでいく。
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる