魔法使いの約束

衣更月

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 美少年の名前は篁那央。
 篁さんの弟だというから、篁家の美形遺伝子に驚いてしまう。
 ただ、兄弟だと言われても共通点が見当たらない。篁さんは、疲労感と覇気のなさを取り除けば、俳優と見紛う精悍な面立ちをしている。対して弟くんは、煌びやかな衣装を纏ってステージを駆け回るアイドル顔だ。つまり、可愛い系の顔立ちをしている。
 なんとなく、篁さんが父親似で、弟くんが母親似なのだと思う。
 なにより、性格が似ていない。
 弟くんの方が長男っぽい、落ち着いた物腰をしている気がする。
 卑屈な感じも、人生に草臥れた悲壮感もない。通した仏間では、仏壇に手を合わせた後、「兄がお世話になっています」と大人の振る舞いを見せた。
 カフェで終始浮かべていた笑顔もなく、真摯な態度に気圧される。
 挨拶が終われば、仏間はしんと静まった。
 会話がない。
 風が強まっているのか、かたかた、かたかた、と鳴る雨戸が、静寂より引き立てている。それでも気まずさが中和されているのは、線香と、淹れたてのほうじ茶の香りのお陰だろう。
 弟くんはぴんと背筋を伸ばし、正座を崩すことなく熱いほうじ茶を啜る。
「ほぅ…」と息を吐き、騒々しく襖を開けた篁さんを泰然と見上げた。
 落ち着き払った弟とは違い、兄の方は憮然とした態度だ。動揺を隠せず、視線が泳いでいる。しかも、畑仕事で汚れた服を慌てて着替えたのだろう。シャツが裏表逆だ。
 もたもとボタンを留めようとして、裏返しに気付いて赤面した。
「…待たせた」
 バツの悪そうな顔つきで、篁さんはシャツを着直し、弟くんの向かいに用意した座布団に腰を下ろした。
 兄としての威厳はない。
「なぜ…ここにいるとバレたんだ?」
「そりゃあ、あちこち捜したからですよ」
 にこり、と浮かべた笑みが怖い。
 カフェでは笑顔の似合う美少年と惚れ惚れしたけど、こうして見ると、何を考えているのか分からない。弟くんの笑顔は、ポーカーフェイスを保つための仮面だと分かる。
 仮面の下は、間違いなく般若がいる。
「まさか、カフェで働いていた方の家に兄が転がり込んでいたとは…。世界は広いようで狭いと言いますが、田舎は殊更に狭いようですね」
 嫌味が棘のように刺さっているのか、篁さんは胸を抑えて俯いた。
 なんとなく、じっとこちらを見る弟くんの目に、敵意とも警戒心ともとれる感情が見え隠れする。
 篁さんの頭に止まった黒が、「気にすんな」と私にウインクした。
「それで…何しに来たんだ?」
 堂々とした弟くんに対して、こちらは弱腰だ。今にも白旗を振りそうな顔つきは、勝負が始まる前に負けている。
 弟くんは子供を窘めるように「兄さん」と声のトーンを落とす。
「ある日、忽然と兄さんが消えていれば捜しもしますよ。それも、財布もスマホも…車すら置いたままなんです」
 弟くんの視線が、黒へと向けられる。
「まさか、使い魔を鳥かごに押し込めて失踪するなんて…前代未聞です」
 そう言って、口元に手を当てた。
 眉根を寄せてはいるけど、「ふふ…」と漏れるのは笑い声だ。
 黒としては面白くない。あるじに信用されず、鳥かごに監禁され、弟くんにバカにされているのだから。ぶり返した怒りで、「ガァ!」と叫んで篁さんの頭を連続で突いた。
 篁さんは「痛っ…」と叫びつつも、反省しているのだろう。黒を叩き落とすことなく、両手で顔を覆って我慢している。
 黒が一頻り突き終えると、弟くんは演技がかった仕草で手を叩いた。
「そうそう。実は、同じ時期に僕の高校の体操着も紛失してしまったんです」
 ぱつぱつ体操着!
 通りでサイズが合っていないはずだ。篁さんは長身で、若菜さん曰く細マッチョだ。片や弟くんは中背で痩身。服のサイズが合うはずがない。
 思わず篁さんを凝視する。
 篁さんは「げふん」と咳払いし、「しっかり探したのか?」と目を泳がせる。
 嘘が下手すぎだ。
「兄さんの荷物に紛れたのかと思ったのですが」
「知らない。そもそも、あと少しで卒業なんだ。もう着ることはないだろ?」
「まぁ、そうですね」
 全てを理解した上で、鎌をかけて様子を見たに違いない。
 弟くんはひとつ頷き、藍色のリュックサックを手繰り寄せた。リュックサックのポケットを開けて、「ないと困るでしょう?」と中から篁さんの私物を卓上に並べ始めた。
 黒い長財布、赤い手帳型カヴァーを使用したスマホ、充電コード。
 確かに、ないと困るものばかりだ。逆に、よくこれらを放置して家を出たなと感心してしまう。
「持って来てあげましたよ」
「お…おう…」と、声を絞り出す。
「父さんは激怒してますが、母さんは落ち込んでいます」
「手紙を置いていたはずだ」
「そうですね。捜すな。家を継ぐ気はない。あれは手紙ではなくメモですよ」
 ふふ、と含み笑いだ。
 篁さんは弟くんを無視し、財布の中を確認している。
「いつ帰って来るんですか?」
「帰る予定はない」
 財布を置き、次にスマホのチェックだ。
 恐らく、膨大な数の着信履歴が残されているのだろう。苛立たし気に眉宇を顰め、嘆息し、確認することなく卓上に戻した。
「篁家はお前が継げばいい。俺よりも優秀なんだから」
「優秀?僕が?」
 弟くんは大袈裟に目を見開き、胸に手を当てた。
 顔が整っているから、舞台でも見ているような気になってしまう。
「兄さん。僕が不出来なのは承知しているでしょう?」
 卑屈に口元を歪め、私を一瞥する。
「あ…席を外してますね」
「いてほしい」
 篁さんの手が、私の手を掴んだ。
 私は膝立ちのまま、兄弟を交互に見る。いてほしいと言われても、兄弟仲を鑑みるに、私は邪魔だ。なにより、弟くんは魔法使いの話・・・・・・がしたいのだと思う。
 私が戸惑っていると、篁さんはこともなげに爆弾を投下した。左手をくいっと翻し、スパン!と襖を開いたのだ。
 魔法の行使に、弟くんが瞠目している。
「彼女は知っているし、俺は帰らない。お前1人が帰るんだ。那央」
 冷たく、突き放した物言いも束の間、ゆるゆると眉尻が下がった。
 勢いよく開いた襖も、すすす…、と控えめな音で閉まる。
「お前もあの家が嫌なら、出ればいい。良い子のままだと、雁字搦めで身動きがとれなくなるぞ?」
「……別に」
 弟くんの顔から笑みが消えた。
 想像でしかないけど、厳しい家庭なんだろうか…。
 お通夜のような空気に居心地が悪くなる。かと言って、篁さんに手を握らたままなので、中座することもできない。仕方なしに再び腰を下ろそうとしたところで、ピンポンとチャイムが鳴った。
 一瞬、緊張で体が強張ったのは仕方ない。
 頭に浮かんだのは先輩の凶悪な顔だ。
 私が緊張したのを察したのか、篁さんは怪訝そうに眉根を顰め、私を見た。
「篁さん。お客さんが来たので手、離して貰えますか?」
「あんたが出るのは賢明じゃない。さっき、襲われかけたでしょ?」
「え!?」
 篁さんがぎょっと目を瞠る。
「どこで!?家にいたんじゃないの!?」
「あ…ちょっと下まで行ってました」
「あの手の奴は執拗だから、警戒した方が良い。狙われたら、逃げられないよ。意味、分かるよね?」
 弟くんが、剣呑に目を眇める。
 私が小さく頷くと、篁さんの手が離れた。
「俺が見てこよう」と立ち上がり、玄関へと向かって行く。
 残された私は、弟くんの不躾な視線を浴びて居心地が悪い。
「あの…私、やることがあるので失礼しますね」
 軽く頭を下げ、いそいそと座敷を後にする。
 廊下に出れば、びゅう、と寒風が体を震わせる。
 玄関に目を向け、篁さんの背中越しに吹雪が見えた。途端、寒さが倍になったような気がして、思わず両腕で体を抱きしめた。
 ついでに来客の顔を確認しようと首を伸ばすも、篁さん以外の人影は確認できない。ただ、篁さんの足元に、私を助けてくれた黒猫が、体躯を震わせて雪を払い落していた。
「あいつがネロだ」
 一緒に廊下に出ていたらしい黒が、不機嫌に目を眇める。
「仲、悪いの?」
「悪かねぇよ。気に入らねぇだけだ」
 黒は言って、と、と、と、と台所へと入って行く。
「ストーブ点けてくれ」
 言われるがままに電気を点け、ストーブを点火させる。
 黒はストーブの前を陣取り、私はエプロンを着付けて棚からお重を取り出した。
 色々と気になるところではあるけど、篁家の内情を突こうとは思わない。それは単なる野次馬だ。それよりも、お節作りを進めるのが先決だ。
 祖母は蒲鉾以外は手作りのお節をモットーとしていたけど、私は殆どを市販品で済ませている。栗きんとんと紅白の蒲鉾、昆布巻き、田作りがそうだ。
 黒豆は昨日から水に浸し、朝には沸騰したお湯に砂糖と醤油、塩で味付け、黒豆を漬け込んでいた。これからさらに4時間ほど煮込むので、ストーブの上は薬缶ではなく鉄製の両手鍋を置く。黒豆を作る時は、この鍋が一番なのだ。昔は錆びた釘をガーゼに包んで使っていたらしいけど、どうしても衛生面が気になる。食用の鉄粉を買うにはハードルが高い。そこで奮発したのが南部鉄器の両手鍋だ。
 黒豆専用でもないので、煮込み料理に愛用している。
「本当に作るんだな」
「全部ではないよ?今年は小魚ごまめと胡桃を買うより、市販品を買った方が安かったから作らないし。栗きんとんと昆布巻き、蒲鉾も市販品」
「他は?」
「数の子は嫌いだって聞いたし、私も苦手だから買ってない。家で作るのは、黒豆、伊達巻、お煮しめ、えび、ブリの幽庵焼き…かな?」
 指折り数えて、忘れているのはないかと口の中で反芻する。
「あ、あとお雑煮も作るよ」
「肉は?」
「一応、鶏肉が安かったからいっぱい買って来てる。今日は唐揚げ。三が日は様子を見て、手羽のさっぱり煮とか作ろうかなって思ってる」
「肉肉~」
 姿形はカラスでも、実際は精霊だ。精霊が肉食というのは考えたくないので、肉食は黒の個人の好みだと思うことにしている。
 姿に引っ張られて好みが変化したのなら面白い。
「そういやぁ、その紙袋はなんだ?」
「あ、忘れてた。舛木さんからの頂き物」
 台所の隅に置いたままの紙袋を椅子の上に置き、卓上に頂き物を並べる。まずは、チョコレートのバラエティパックと醤油煎餅を紙袋から取り出す。20個ほどの丸餅の入ったビニール袋を引っ張り出せば、残りは見事につまみ・・・ばかりだ。
 大判の焼き海苔が一束、スルメ、あられの詰め合わせ、ビーフジャーキー。
 篁さん宛なのが分かる。
 特大なため息を一つ。それに重なって、ガシャン、と何かが倒れる音がした。
 ストーブの火を弱め、黒に鍋が吹き零れないように見張ってもらうと、慌てて玄関へと向かう。篁さんと弟くんも、先ほどの音を聞きつけたのか、玄関で靴を履いていた。
「輝ちゃん。ごめん。あれは俺が出しっ放しにしてた脚立だと思う」
 首の後ろに手をあて、情けなく眉尻を下げる。
「畑のビニールが、木に引っかかってたんだよ。出しっ放しにしてた。今から片付けるよ」
 それを聞いて、ほっと胸を撫でる。
 弟くんを見れば、リュックサックを背負っている。足下には、ネロが黄金色の目で私を見ていた。思わずネロに頭を下げたのは言うまでもない。
「お邪魔しました」
 例の作り笑顔で、弟くんが会釈する。
 話し合いは終わったのだろうか。そもそも帰れるのかが疑問だ。
 カラカラ…、と戸を開けた先は、横殴りの雪が降っている。三脚が倒れたくらいだ。びゅう、びゅう、と吹く風は、昨夜と同じく荒々しい。山の木々が大きく撓り、ぎしぎしと不気味な音を立てている。吹き込む風は凍てつき、あっという間に廊下は冷凍庫と化す。
 ネロは堪らないとばかりに、下駄箱の下で身を丸めた。
「もう少し様子を見ませんか?いくら魔法使いでも、危険です」
 弟くんは困惑気味に考え込んでいる。その足元に、するりとネロが歩み寄って体を擦りつけた。
「あんな猛吹雪の中を帰るのはイヤだ」
「タクシーを呼ぶにしても、ここの坂は凍結しているので無理ですよ?そもそも吹雪いているから、タクシーが来てくれる保証はありません。駅までも遠いし…」
 ホテルに宿泊するにしても、この近辺にホテルはない。
 一番近くのホテルでも車で20分はかかる。その足がなければ、徒歩で3時間近くは歩かなければならない。悪天候なので、さらに時間はかかるだろう。
「だったら那央。お前も畑と片付けを手伝え」
 篁さんは言って、気合いを注入するように頬を叩いた。肩を窄め、凍てつく寒風を全身に浴びながら玄関を出て行った。
 弟くんは嘆息し、リュックサックを下ろす。
「お言葉に甘えさせてもらいます」
 ぺこり、と頭を下げ、吹雪に消えた兄を追いかけて行った。
 戸が閉まると、ネロがぶるりと身震いする。軽やかに廊下に上がって私を仰ぎ見る双眸は、暖かい部屋を所望していた。

 
 賑やかな笑い声が居間から聞こえて来る。
 覗き見れば、大晦日の特番が始まっている。お笑い芸人を中心に、芸能人たちがカウントダウンに向けてテンションを上げているようだ。そんな姦しさを消すように、甲高い速報音が鳴った。
 暴風雪警報の発令だ。
 路面凍結により、高速道路の一部が閉鎖になっているらしい。さらに鉄道にも遅延が出ている。九州は吹雪いただけで遅延が出る。1cm積もれば、都会の駅ほど大混雑に陥る。大晦日なので、さらなる混雑が予想される。
 かたかた、かたかた。雨戸が風を受けて鳴っている音を聞くに、昨夜よりも風が強いように思う。
「帰れるのか?これ…無理だろ」
 呟いたのは、炬燵布団から頭だけ出したネロだ。
 猫らしくて可愛い。片や黒は、椅子の背に止まり、お重に詰められていく料理を見ている。
「しかし、嬢ちゃんは料理が上手いな」
「上手くないよ。出来合い品が多いし」
 苦笑しながら、煮詰めた黒豆を味見と称して口に含む。
 皮に皺も寄らず、ほくほくの甘さだ。灰汁取りが上手く出来ている。
 お重に、赤く湯がいた車エビにブリの幽庵焼き、田作り、紅白の蒲鉾、伊達巻、れんこんを主役にしたお煮しめを見栄えよく配置する。黒豆は冷めてからだ。
 蓋を閉じ、お節の保管に適した仏間に持って行く。仏間に置いておけば、黒豆も直ぐに粗熱が取れるだろう。黒豆と同じく、多めに作ったお煮しめも仏間に置いておく。
 次いで、夕食の準備に取り掛かる。今日はからあげで、昨日から鶏肉をにんにく醤油に漬けている。鶏肉を常温に戻している間に、お味噌汁を作る。
 なんとなく勝手口から外を覗き、猛吹雪に身震いしてドアを閉める。
「ひどい嵐」
 風の音に紛れて聞こえ辛かったけど、空がゴロゴロと唸っているようだ。
 冬の雷は、夏よりも力強くて怖い。
「雷が鳴ってんのか」
 黒が嘆息する。
「ゴロゴロ言ってる」
 胸を軽く摩る。
 1人だったら料理をほっぽって、布団に包まり嵐が去るのを待っていたかもしれない。でも、今は1人ではない。それが心強い。
 頬を叩いて気合いを入れて、料理を再開させる。
 弟くんはきっと帰れないだろう。ごはんは多めに炊いた。残れば冷凍すればいい。お味噌汁は思案の末、3人前作ることにする。具材は大根の葉と油揚げだ。
「その前に…」
 からあげが足りないので、鶏肉を追加する。
 モモ肉を適当な大きさに切って、生姜とにんにく、塩、酒を揉み込んで冷蔵庫で寝かせておく。その隙に、手早くお味噌汁を作った。
 サラダにキャベツと人参を千切りにする。以前は水にさらしていたけど、水にさらすと栄養分が逃げると聞いてからはさらさなくなった。
「暁央が惚れるわけだよな~」
 唐突に黒が呟き、ネロが「そうなのか?」と居間から出て来た。
 黒と同じく、猫とは思えない表情筋が、興味津々と目や口元を緩ませている。
「暁央は家庭的なのが好みなんだよ。料理が上手い女なんか、どストライクだろ」
「妃紗恵は家庭的とは程遠いからなぁ…。反動?」
「じゃねぇのか?」
「このは料理上手ってことか。で、結婚するのか?」
「おいおい。無職ヒモ男と結婚する女がどこにいんだよ」
 料理し辛いことを言い合って、1羽と1匹がけたけたと笑い出す。
 仲が悪そうに見えて、実は気の合う友達のようだ。しかも口の悪さも、注意力の散漫さも似ているらしい。後ろで顔を真っ赤にした篁さんがいることなど知らず、「無職」「ヒモニート」と笑う1羽と1匹は、ぱちん、と鳴った音と共に何処かへ飛ばされた。
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