上 下
8 / 18

アイリスの力!?

しおりを挟む

 アイリスとギルは、市場で食料や水を買い、町を出発し森へと入った。

 「森を抜けると、すぐに町があるみたいですね。」

 アイリスは地図を見ながら歩いていた。

 「地図はしまえ。道なりに行けば、森は出られる。それよりも、そんなものを見ていたらいきなり魔物が現れた時、対応出来ないぞ。」

 アイリスはすぐに地図をしまった。

 「ずいぶん素直だな。」

 「ギルは冒険者の先輩ですから!」

 ガサガサッ!!

 「何!?」

 「お出ましだな。」

 ガルルルルルルッ

 モンスター!?
 
 現れたのはフェンリル…狼の化け物

 ギルは剣を構え、様子を伺う。
 フェンリルは鋭い爪で引っ掻いた!
 ギルはひらりと避け、一気に距離をつめ、首元を下から突き刺した!

 ズザッッッ!!!

 「ギャァァァァァァァァァァッ!!」

 フェンリルは苦痛の叫びを上げ、その場に倒れた!

 「すごい!ギルすごいです!!」
 
 アイリスは、ギルの戦いに魅入っていた。

 「バカ!気を抜くな!!」

 ガサガサガサガサガサガサ!

 アイリスが振り返ると、二匹のフェンリルがアイリスに襲いかかって来た!

 「クソッ!間に合えっ!!」

 「きゃー!!」

ザッ!ザバッ!!ズババババババ!!

 フェンリルは二匹とも弾き飛ばされ、八つ裂きになった!

「………え!?」「………は!?」

 アイリスとギルは同時に声を出した。
 
 「何が起きたの?」「何が起きたんだ?」

ギルがアイリスに触れようとすると、

 バチバチバチッ!!

 「…っ!」

 「ギル?!」

 アイリスは見えない何かに守られていた。

 「あんた何者だ!?」

 アイリスには何が何だか分からない。

 「ギル…ここから出られません…どうしましょう?」

 「はあ!?その見えない壁みたいなのは、あんたの力だろ!?」

 アイリスの周りには結界のようなものがあり、外側からアイリスに触れることもできず、内側から出ることも出来ずにいた。

 「とにかく、その壁を何とかしてくれ。」

 何とかって言われても…

 「あんたが出したんなら、消えろって念じてみたらどうだ?」

 「…やってみる!」 

 消えてー!!
 
 アイリスは心の中で叫んだ!すると、

 パァァァァァァァァァァァァァッ!!

 アイリスを囲んでいた見えない壁が、目に見えるようになり、粉々に弾け飛んだ!

 「やった…ギル、消えました!」

 「あんた……もしかして、聖女か?」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

旦那様、私は全てを知っているのですよ?

やぎや
恋愛
私の愛しい旦那様が、一緒にお茶をしようと誘ってくださいました。 普段食事も一緒にしないような仲ですのに、珍しいこと。 私はそれに応じました。 テラスへと行き、旦那様が引いてくださった椅子に座って、ティーセットを誰かが持ってきてくれるのを待ちました。 旦那がお話しするのは、日常のたわいもないこと。 ………でも、旦那様? 脂汗をかいていましてよ……? それに、可笑しな表情をしていらっしゃるわ。 私は侍女がティーセットを運んできた時、なぜ旦那様が可笑しな様子なのか、全てに気がつきました。 その侍女は、私が嫁入りする際についてきてもらった侍女。 ーーー旦那様と恋仲だと、噂されている、私の専属侍女。 旦那様はいつも菓子に手を付けませんので、大方私の好きな甘い菓子に毒でも入ってあるのでしょう。 …………それほどまでに、この子に入れ込んでいるのね。 馬鹿な旦那様。 でも、もう、いいわ……。 私は旦那様を愛しているから、騙されてあげる。 そうして私は菓子を口に入れた。 R15は保険です。 小説家になろう様にも投稿しております。

冷遇された王妃は自由を望む

空橋彩
恋愛
父を亡くした幼き王子クランに頼まれて王妃として召し上げられたオーラリア。 流行病と戦い、王に、国民に尽くしてきた。 異世界から現れた聖女のおかげで流行病は終息に向かい、王宮に戻ってきてみれば、納得していない者たちから軽んじられ、冷遇された。 夫であるクランは表情があまり変わらず、女性に対してもあまり興味を示さなかった。厳しい所もあり、臣下からは『氷の貴公子』と呼ばれているほどに冷たいところがあった。 そんな彼が聖女を大切にしているようで、オーラリアの待遇がどんどん悪くなっていった。 自分の人生よりも、クランを優先していたオーラリアはある日気づいてしまった。 [もう、彼に私は必要ないんだ]と 数人の信頼できる仲間たちと協力しあい、『離婚』して、自分の人生を取り戻そうとするお話。 貴族設定、病気の治療設定など出てきますが全てフィクションです。私の世界ではこうなのだな、という方向でお楽しみいただけたらと思います。

初恋の呪縛

緑谷めい
恋愛
「エミリ。すまないが、これから暫くの間、俺の同僚のアーダの家に食事を作りに行ってくれないだろうか?」  王国騎士団の騎士である夫デニスにそう頼まれたエミリは、もちろん二つ返事で引き受けた。女性騎士のアーダは夫と同期だと聞いている。半年前にエミリとデニスが結婚した際に結婚パーティーの席で他の同僚達と共にデニスから紹介され、面識もある。  ※ 全6話完結予定

【完結】彼と私と幼なじみ

Ringo
恋愛
私には婚約者がいて、十八歳を迎えたら結婚する。 ある意味で政略ともとれる婚約者とはうまくやっているし、夫婦として始まる生活も楽しみ…なのだが、周囲はそう思っていない。 私を憐れむか馬鹿にする。 愛されていないお飾りなのだと言って。 その理由は私にも分かっていた。 だって彼には大切な幼なじみがいて、その子を屋敷に住まわせているんだもの。 そんなの、誰が見たってそう思うわよね。 ※本編三話+番外編四話 (執筆&公開予約設定済みです) ※シリアスも好物ですが、たまには頭を空っぽにしたくなる。 ※タグで大筋のネタバレ三昧。 ※R18命の作者にしては珍しく抑え気味♡ ※念のためにR15はしておきます。

夫には愛する人がいるそうです。それで私が悪者ですか?

希猫 ゆうみ
恋愛
親の決めた相手と結婚したラヴィニアだったが初夜に残酷な事実を告げられる。 夫ヒューバートには長年愛し合っているローザという人妻がいるとのこと。 「子どもを産み義務を果たせ」 冷酷で身勝手な夫の支配下で泣き暮らすようなラヴィニアではなかった。 なんとかベッドを分け暮らしていたある日のこと、夫の愛人サモンズ伯爵夫人ローザの晩餐会に招かれる。 そこには恐ろしい罠と運命の相手が待ち受けていた。

記憶をなくしたあなたへ

ブラウン
恋愛
記憶をなくしたあなたへ。 私は誓約書通り、あなたとは会うことはありません。 あなたも誓約書通り私たちを探さないでください。 私には愛し合った記憶があるが、あなたにはないという事実。 もう一度信じることができるのか、愛せるのか。 2人の愛を紡いでいく。 本編は6話完結です。 それ以降は番外編で、カイルやその他の子供たちの状況などを投稿していきます

妻の私は旦那様の愛人の一人だった

アズやっこ
恋愛
政略結婚は家と家との繋がり、そこに愛は必要ない。 そんな事、分かっているわ。私も貴族、恋愛結婚ばかりじゃない事くらい分かってる…。 貴方は酷い人よ。 羊の皮を被った狼。優しい人だと、誠実な人だと、婚約中の貴方は例え政略でも私と向き合ってくれた。 私は生きる屍。 貴方は悪魔よ! 一人の女性を護る為だけに私と結婚したなんて…。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 設定ゆるいです。

初恋の終わり ~夢を叶えた彼と、居場所のない私~

あんこ
恋愛
 初恋の彼と結ばれ、幸せを手に入れた筈……だった。  幼い頃から相思相愛で幼馴染のイースとふたりで村から王都に出て来て、一年半。久々に姿を見かけたイースは、傍らにぶら下げた知らない女の腰を寄せながら、冷たい声で私に言った。 「あいつ? 昔、寝たことがある女。それだけ」   私の初めてを全て捧げた彼は、夢を叶えてから変わってしまった。それでも、離れることなんて考えてもみなかった。十五年間紡いで来た関係は、たった一年半の王都暮らしで崩れ去った。  あなたにとって私は、もう何の価値もないの?  叶えた筈の初恋を失い居場所を探す女性と、初恋の彼女と結ばれ夢を叶え全てを手に入れた筈が気付けば全て零れ落ちていた彼の話。

処理中です...