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全てが間違いだった
しおりを挟む声の主は、ロナルド様でした。
「お前は、スチュワートの邸に行ったんじゃなかったのか? なぜ、マリアンヌと話をしているんだ?」
ロナルド様は、モニカさんと面識が……?
「大好きな人が、勘違いで他の男に惚れてるのに、ロナルド様は気にならないんですかあ?」
「黙れ! お前には関係ない!」
いつも明るいロナルド様が、まるで別人みたい。
「ロナルド様……それは、どういう事でしょうか? 私が、勘違いしているのですか?」
「ほらあ! マリアンヌ様も、真実を知りたいみたいですよぉ? 」
「ロナルド様! 教えてください!」
「…………あの日、君の手を掴んだのは、スチュワートではなく俺だったんだ。」
あの日……それは、10年前の事。私とロナルド様とスチュワート様は、よく3人で遊んでいた。
お母様が体調を崩して倒れた時、薬草を探しに行きたいと言い出した私に、2人は付き合ってくれた。そして、崖から手を伸ばせば届きそうな所に薬草を見つけた私は、薬草を取ろうとして崖から落ちそうになった。その時、手を掴んでくれた人が、スチュワート様だと思っていた。
あの時、太陽の光で顔は見えなくて、上から聞こえて来た声がスチュワート様だったから。
何度も落ちそうになりながらも、決して離さなかった手……あれは、ロナルド様の手だったの!?
引き上げられたと同時に、私は気を失ってしまった。
「邸まで抱きかかえて運んでくれたのも、ロナルド様なのですか……?」
あの事がきっかけで、スチュワート様に恋をした。
「……すまない。」
どうして謝るのですか? 私を助けてくれたのは、ロナルド様だったのに、お礼さえ言えていなかった。
「私のせいですね。あの後直ぐに、スチュワート様を好きになりましたとロナルド様に話したから……」
「君を傷つけたくなくて、話す事が出来なかった。君の目には、スチュワートしか映らなくなっていたしね。」
確かに、私はあれからずっとスチュワート様ばかりを見てきた。ロナルド様は、いつだって私の事を考えてくださっていたのに。
「私が言ったことは、全部本当の事ですよぉ。きっとあの男は、マリアンヌ様を迎えに来ます。」
「え? どうしてですか? モニカさんが、スチュワート様の愛する人なのですよね?」
「さっきも言ったけど、あの男は旦那から妻を奪いたいだけの男。私が旦那と別れたから、興味がなくなってポイされましたあ。」
「そんな!? 」
「私もバカだったのぉ。私が最後かなって、あの男を信じちゃって。マリアンヌ様と契約結婚をしていた時は、女遊びしなかったから、もしかしたらって……でも、私が理由じゃなかった。マリアンヌ様がいたから、女遊びしなかったんだって分かった。それで、あの男にマリアンヌ様が騙されないように、全部話しにここへ来たんですぅ。あの男だけ幸せになるなんて許せないから、復讐ですかね。」
「……ロナルド様も、全部知っていたのですか?」
「ああ……知っていた。」
全部が真実なら、私はスチュワート様の何を愛していたのでしょう? 好きだというだけで、いい面しか見ようとせず、美化しまくりじゃないですか。
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★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
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