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王都到着

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 ダルダナート壊滅から、1ヶ月半が経っていた。

 「やっと王都に着きましたね。シャーロット様は、王都で仕事をお探しになるんですよね? 私にも出来る仕事はあるでしょうか。」

 「んー。最初は、仕事を探しに王都に来るつもりだったけど、今は目的が違うんだよね。」

 「目的……ですか?」

 「王都に来た目的は、国の中心からなら、国全体に結界を張ることができると思ったから。」

 「国全体にですか!? そんな事をして、シャーロット様のお体は大丈夫なんですか!?」

 「アンジェラさんからいただいたこのペンダントがあれば、簡単みたい。今、国の半分に結界を張ってるけど、全然疲れたりしてないし、ものすごく元気なの。」

 このペンダント、本当にすごい。ダルダナートの街だけで、あんなに大変だったのが嘘みたい。

 「ねぇ、トーマス。そろそろ敬語やめてくれない? 私達は友達でしょ?」

 「ですが……」

 「私ね、結界を張ったら行きたい所があるの。行きたいというより、住みたいかな。」

 「住みたい……ですか?」

 「ダナ村に住みたい。病院で仕事をしたいなって。それで、トーマスはご両親と食堂をするの。そう出来たら、幸せだなって。」

 「シャーロット様の幸せは、可愛いですね。国中をおひとりで守ろうとしてる方が、そんな事で幸せなんですか?」

 そんな事じゃない。私にとって、それが一番幸せな事だよ。

 「さあ、とっとと結界を張って、ダナ村に帰ろう!」

 シャーロットとトーマスは、1ヶ月半かけて来た王都を、半日で出発し、ダナ村へと帰って行った。



 ―ダナ村―

 「やっと着いたー! 行きと違って、1ヶ月で戻って来れたね!」

 「シャーロット様が、急がせたんじゃないですか!」

 「シャーロット様!?」
 「シャーロット様だ!!」
 「聖女様がいらしたぞー!!」

 村人達は、シャーロットが来たことに大喜びし、シャーロットの周りに集まって来る。そして、ロベルトも……

 「もう王都に行って来られたんですか?」

 「行ってきました。滞在は、半日でしたけど。ロベルト様にお願いがあるのですが……」

 「お願いですか? なんでも仰ってください。」

 「この村に、住みたいんです。出来れば、病院で働かせていただけないかと……」

 「それは本当ですか!? もちろん、大歓迎です! 私の邸で良ければ、住んでいただいてもかまいませんが。」

 「それはダメです! シャーロットは、俺と一緒に住むのでおかまいなく。」

 今、シャーロットって言った?

 「やはり私は、出遅れたようだ。ずっと一緒にいられたトーマスが羨ましい。」

 ……え? ロベルト様はどうしてそんな事を?

 「シャーロット、行くぞ。」

 え? え? 本当にトーマス??

 トーマスはシャーロットの手を握り、食堂へと連れて行く。

 「ねぇ、トーマス。どうしちゃったの? ロベルト様にあんな態度をとったら、失礼じゃない。」

 「……男心が分かってませんね。シャーロット、俺と結婚して欲しい。」

 
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