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シャーロットを連れ戻せ!

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 「大変です! 街が、ダルダナートの街周辺が魔物達に覆い尽くされています!」

 魔物の大群を確認した兵士が、ルークに報告に来ていた。

 「それはどういうことだ!? この街は、ずっと平和だったではないか!」
 
 ルークは本当に、理由が分からなかった。

 「それはきっと……シャーロット様が守ってくださっていたからかと……」

 「そんな……そんなはずはない! シャーロットがいなくても、この地に魔物が現れたという話は聞いた事がなかったぞ! 」

 ダナ村に結界が張られるまでは、狙われていたのはダナ村だったからである。

 「ですが、今直ぐに街へと入って来ないのは、まだシャーロット様の結界が残っているからだと思われます。」

 「くそっ! なんでこんな事になったんだ!? ……今すぐシャーロットを探せ! シャーロットを連れ戻すのだ!!」

 「はっ!」

 兵士は急いで他の兵士を集め、シャーロットを探しに向かった。

 「旦那様、シャーロット様はトーマスと共に出て行きました。もしかしたら、トーマスの故郷にいらっしゃるかもしれません。」

 使用人は、シャーロットとトーマスが出ていく所を見ていた。

 「トーマスだと? そいつの故郷は何処だ!?」

 使用人から故郷がダナ村だということを聞き、ルークは自ら向かう事にした。

 「ルーク様、どちらへ行かれるのですか!? 魔物達が街を取り囲んでいるそうです……私、怖くて……」

 「シャーロットを迎えに行く! お前は邸で待っていろ!」

 「何故ですか!? 何故、あの女を迎えに行くのですか!?」

 「聖女のあいつが必要なのだ!」

 「冗談じゃないわ! あの女の顔なんて、二度と見たくない! あんな女、どうでもいいじゃありませんか!!」

 「じゃあ、お前があの魔物達をどうにか出来るのか!? 役に立たない癖に、邪魔をするな! どけっ!!」

 ドンッッッ!!!

 ルークはモアを突き飛ばし、馬車に乗りダナ村へとシャーロットを連れ戻しに向かった。

 「……許さない!! この私を突き飛ばして、蔑ろにした事を後悔させてやるわ!!」

 モアは金目の物を集めカバンにつめると、厨房へ行き油をあるだけ邸中にかけまくった!
 魔物の騒ぎで、使用人達は邸の外……モアは邸の玄関に行き、マッチに火を付けた!

 ごおおおぉぉぉぉぉぉぉおおおッ!!!

 油をかけた所から勢いよく火の手が上がり、邸は一瞬で火の海となった!

 「なんの能力もないくせに、何が伯爵よ! あんたにこんな邸、もったいないわ。全部燃えて、灰になればいい!!」

 モアは宝石や貴金属の入ったカバンを持って、姿を消した。

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