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悲しみと幸せ
しおりを挟む王様は先程の雰囲気とは違い、悲しげに話し出した
「ケイトリンの事だが……亡くなった」
ケイトリンが!?どうして!?
「あの…何があったのですか!?」
「そなた達がこの国を去り、王子がそなたを追って国を出た後、ケイトリンから話は全て聞いた。ミラーの秘密もそなたの呪いのことも…。今思えば、それはそなたへの最後の償いのつもりだったのかもしれぬな。その後すぐ、ケイトリンは自ら命を絶った…」
自ら!?ケイトリン…どうして!?
私はあなたに何もしてあげられなかった
あなたを苦しめただけ…
王様は一枚の紙を取り出し、セリーナに渡した
「これはそなたへの手紙だ」
『セリーナお姉様
お姉様…今までごめんなさい。
そしてありがとう。 』
短い手紙…だけど、想いが詰まってる…
ケイトリン…ダメな姉でごめんね
涙が次から次へと流れてくる…
「お姉様…泣かないで」
アシュリーが涙を拭ってくれる
「ミラー家のことだが…これまで秘密にしてきた事を咎めるつもりはない。これからは親族になるのだから…」
え…?
「父上…それでは…」
「2人の結婚を許そう。セリーナ…すまなかった。王子の気持ちを聞いても、そなたの姿が理由で許すことが出来なかった。リアムと結婚するということは、いずれこの国の王妃になる。国の母があのような容姿だと考えると…許すことが出来なかったのだ。愚かな私を許してくれ…」
王はセリーナに向かい、頭を下げた
こうしてセリーナとリアム王子は婚約し、盛大な婚約式が行われた
セリーナは大聖女となり、忙しい日々を送っていた
リンダはセリーナの専属メイドとなり、王室に仕える事となった
アシュリーは悪魔から人間になった事で聖女の力が芽生え、セリーナの元、聖女として働くことになった
セリーナとアシュリー、そしてリンダはケイトリンの墓を訪れていた
「ケイトリン…アシュリーと一緒に帰ってきたよ。会いに来るの遅くなってごめんね。」
「ケイトリンお姉様、ただいま。アシュリーは、セリーナお姉様のお役に立つため、毎日聖女としてがんばってます!」
「アシュリーったら、私より聖女の才能があるみたいなの!ケイトリンにも見せたかったな…」
「セリーナー!」
遠くからリアム王子の呼ぶ声が聞こえてきた
振り向くと、リアム王子が大きく手を振りながらこちらに走ってくる
「リアム王子、どうされたのですか?今頃は公務のはずでは?」
「はぁはぁ…逃げてきた!はぁはぁ…」
「セリーナにそんなに会いたかったのー?」
リンダはリアム王子をからかう
「しょうがないだろ!?セリーナは大聖女として忙しいし、私は公務で忙しいし…。会いたかったんだ!」
リアム王子の素直な言葉にセリーナの顔は真っ赤になる
「お姉様、お顔が赤いです」
「アシュリー、2人にしてあげよう」
「え!?ヤダヤダ!お姉様と一緒にいるー!」
リンダは無理やり、アシュリーの首根っこをつかみ連れていく
「セリーナ…君に初めて会った時から、ずっと好きだった。愛してる…」
「…リアム王子、私もです。ずっとお慕いしておりました。」
リアム王子はセリーナを強く強く抱きしめた
コソコソ…
「もっとぶちゅーっとかしなさいよ!」
「アシュリーのお姉様なのに…」
リンダとアシュリーは、こっそり覗いていた
「聞こえてるぞ!」
「リアム王子はもっと積極的にならないと!」
「アシュリーのお姉様なのにー!」
「ふふっ。2人きりには、なかなかなれそうにないですね」
リアム王子はセリーナの顔を引き寄せ、キスをした
「「キャー!!」」
リンダはアシュリーの目を、手で覆った
「2人きりになれないなら、こういうのにも慣れてもらわなくては!」
リアム王子はセリーナにもう一度キスをした
END
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