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セリーナの想い

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 アシュリーのお仕置という言葉…
 ウィルソンを惨殺したことが、アシュリーにとってのお仕置きなのだろう
 あの無邪気で可愛らしかったアシュリーの変わり果てた姿に、セリーナの心は押しつぶされそうになっていた

 違う…アシュリーは変わっていない
 アシュリーはきっと、印を持つ者だ…
 だけど、ただ残虐なわけじゃない!
 私の事を気づかってくれた…

 『お姉様を虐める者は許さない!だから、お仕置をしたの』

 あの言葉は、私の事を想ってくれている証拠だ
 大丈夫…アシュリーは今までの印を持つ者とは違う!
 リンダの呪いがアシュリーにもかかっていて、今まで普通の人間として生きてこれた…
 通常なら悪魔に魔女の呪いがかかることはない…でも、リンダが私達姉妹にかけた事で、生まれる前からアシュリーに呪いがかかったという事だろう
 呪いが私とケイトリンとは、違う作用をしたのは、アシュリーが悪魔だったから…
 リンダに感謝しなくちゃ…リンダのおかげで、アシュリーは抹殺されることなく生きられた

 「アシュリー…私があなたを守る」

 セリーナの言葉に、アシュリーはキョトンとした顔をしている

 その時、会場からケイトリンが出て来た
 ケイトリンはウィルソンの変わり果てた姿を見て、

 「ウィルソン…様?ウィルソン様!!」

 ウィルソンの亡骸へと駆け寄る…
 
 「ケイトリンお姉様…セリーナお姉様をいじめましたね?」

 アシュリーはケイトリンへと近づいていく…
 セリーナはアシュリーが何をする気なのか気づき、

 「アシュリー!!」

 腕を引き、抱き寄せた!

 「お姉様…?お姉様はケイトリンお姉様に虐められたでしょ?知ってるよ」

 セリーナは強く強くアシュリーを抱きしめたまま、

 「いじめられてないよ。アシュリー…お願いがあるの。聞いてくれる?」

 このままでは、アシュリーはケイトリンを殺してしまう…なんの罪悪感もなく
 
 「誰も殺さないで欲しいの。何があっても、誰かを傷つけたりしないで。私のお願い、聞いてくれる?」

 アシュリーにとって、セリーナ以外は全てが要らないものだった
 セリーナを傷つける者全て、殺すつもりだった

 「お姉様は、そうして欲しいの?」

 「そうして欲しい!そうしてくれる?」

 「大好きなお姉様のお願いなら、アシュリーはそうします!」

 屈託のない笑顔を向けてくれるアシュリー

 「ありがとう、アシュリー」

 アシュリーを必ず守ると心に誓った

 「リアム王子…先程のお返事ですが、お断りさせて頂きます」


 
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