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魔神アフラザゼルの槍
#15 純潔の掟
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なにしろ経験がないのでまたがるのに多少苦労したものの、一度乗ってしまうと黒馬スクラッチは自動運転車と同じようなものだった。
遊太はただまたがって、行きたい方向を見さえすれば、スクラッチはそれを察して勝手にぽくぽくと進んでいく。
それはいい。いいのだが。
遊太がぎょっとしたのは、アフラザゼルがひょいと自分の前に乗っかってきたことだった。
ほとんど裸みたいな美少女が、お尻と背中をぴったりくっつけて座っている。
アフラザゼルの体はひんやりと心地よく体温が低くて、どこもかしもすべすべで柔らかくて。
言うまでもなく女子とこんなに密着するのも、遊太には初体験。
(むおお、女の子って体ほっそ! 肌やーらか! 髪えーにおい!)
心臓がバクバクし、体温は上がり、あとさっきからアフラザゼルのお尻が「ぴとっ」と密着している下半身のある部分がバーストしそうで、遊太は内心あわあわしっぱなしである。
アフラザゼルが首を曲げて遊太を見上げ、ニヤリとする。
「ククク、これしきのことで、たぎっておるの。若いのう」
「う、うううるせえし。たぎってねえし」
満足そうに美少女魔神は前に向き直った。
「無理せずともよい。好きなだけ淫らなことを考えよ。抱きたい、食いたい、主のそうした煩悩は、すべて盟約者である我の魔力の源となる」
「そ、そうなの……?」
「ただし純潔は保てよ。主が童貞を捨てたその瞬間、我らの契りは反故となる」
「そうなの!?」
思わず気色ばむ遊太。
魔神はしれっと受け流す。
「当然じゃ。我が呪いの解除は主が童貞であるがゆえに発効しておる。資格を失えば呪いも復活じゃ」
がくり。うなだれる遊太。
「なんてこった。異世界に来てもおれは非モテのままなのか……! せっかく異世界に来たからには、淫乱エルフのハーレム天国とか爆乳サキュバスの強制搾精とかツンデレ女騎士リアルくっ殺とか夢がいっぱいあったのに! それだけを楽しみにこの世界で働く覚悟決めたのに!」
「主のイマジネーションはものすごいのお」
冷ややかに言うアフラザゼルに、遊太は消え入りそうな声で質問する。
「あのー、アフラザゼル……さん……」
「アフラでよいぞ。我らは相棒じゃからな」
「じゃ、じゃあ、アフラ、あのさ……」
「なんじゃ」
「つまりそのー、なんつーか、自分で……その、ドドスコするのはあり?」
アフラザゼルはまた振り返り、無表情な顔を遊太に向けた。
「まあよかろう」
「よかった! それもNGだったらおれ悶死確定だったわ!」
心からの安堵の吐息。
「もっとも、我は常に主から離れぬからな。ドドスコとやらをするところも我がつぶさに観察するのでそのつもりでな」
「えっ! ちょっ、まっ、そ、それは……!」
それはむしろ興奮するかも。と胸の内でつぶやく遊太であった。
高台に上がって見回すと、遊太たちの現在地はドブルイニュ探検隊の地上ベースキャンプから一キロと離れていないことがわかった。
しかも、そこからは焚き火の煙が上がっている。
人がいるのだ。
遊太はその方角へ、スクラッチを急がせた。
遊太はただまたがって、行きたい方向を見さえすれば、スクラッチはそれを察して勝手にぽくぽくと進んでいく。
それはいい。いいのだが。
遊太がぎょっとしたのは、アフラザゼルがひょいと自分の前に乗っかってきたことだった。
ほとんど裸みたいな美少女が、お尻と背中をぴったりくっつけて座っている。
アフラザゼルの体はひんやりと心地よく体温が低くて、どこもかしもすべすべで柔らかくて。
言うまでもなく女子とこんなに密着するのも、遊太には初体験。
(むおお、女の子って体ほっそ! 肌やーらか! 髪えーにおい!)
心臓がバクバクし、体温は上がり、あとさっきからアフラザゼルのお尻が「ぴとっ」と密着している下半身のある部分がバーストしそうで、遊太は内心あわあわしっぱなしである。
アフラザゼルが首を曲げて遊太を見上げ、ニヤリとする。
「ククク、これしきのことで、たぎっておるの。若いのう」
「う、うううるせえし。たぎってねえし」
満足そうに美少女魔神は前に向き直った。
「無理せずともよい。好きなだけ淫らなことを考えよ。抱きたい、食いたい、主のそうした煩悩は、すべて盟約者である我の魔力の源となる」
「そ、そうなの……?」
「ただし純潔は保てよ。主が童貞を捨てたその瞬間、我らの契りは反故となる」
「そうなの!?」
思わず気色ばむ遊太。
魔神はしれっと受け流す。
「当然じゃ。我が呪いの解除は主が童貞であるがゆえに発効しておる。資格を失えば呪いも復活じゃ」
がくり。うなだれる遊太。
「なんてこった。異世界に来てもおれは非モテのままなのか……! せっかく異世界に来たからには、淫乱エルフのハーレム天国とか爆乳サキュバスの強制搾精とかツンデレ女騎士リアルくっ殺とか夢がいっぱいあったのに! それだけを楽しみにこの世界で働く覚悟決めたのに!」
「主のイマジネーションはものすごいのお」
冷ややかに言うアフラザゼルに、遊太は消え入りそうな声で質問する。
「あのー、アフラザゼル……さん……」
「アフラでよいぞ。我らは相棒じゃからな」
「じゃ、じゃあ、アフラ、あのさ……」
「なんじゃ」
「つまりそのー、なんつーか、自分で……その、ドドスコするのはあり?」
アフラザゼルはまた振り返り、無表情な顔を遊太に向けた。
「まあよかろう」
「よかった! それもNGだったらおれ悶死確定だったわ!」
心からの安堵の吐息。
「もっとも、我は常に主から離れぬからな。ドドスコとやらをするところも我がつぶさに観察するのでそのつもりでな」
「えっ! ちょっ、まっ、そ、それは……!」
それはむしろ興奮するかも。と胸の内でつぶやく遊太であった。
高台に上がって見回すと、遊太たちの現在地はドブルイニュ探検隊の地上ベースキャンプから一キロと離れていないことがわかった。
しかも、そこからは焚き火の煙が上がっている。
人がいるのだ。
遊太はその方角へ、スクラッチを急がせた。
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