48 / 60
第五章 叛逆
第四十七話 創造神
しおりを挟む
一糸纏わぬ姿は非常に目のやりどころに困った。無毛の下半身、立派な双丘。まさに美を体現していた。
「ちょ、服は?」
俺は思わずテンパって声を出してしまう。
「衣服など必要ありません」
そして、胸を張って言う。
「私は羞恥という無駄な思考を持っていないのです」
もう意味がわかんない。何なんだ。この女は……
混乱した俺は思わず、悪魔を睨み付ける。
ゴホンッとわざとらしい咳をして、悪魔は説明した。
「彼女は元、管理者である神であり、現在はその殆どの権限を没収され、魂を世界樹に封印されています。だが、強大な魂のせいで、亡霊として、世界樹の封印を抜け出すことができるのです」
はえー、すごい。神のレベルの封印を抜け出すなんて。
「まぁ、そこまでしても、この巨大迷宮【世界樹】内しか移動できないわけですが」
【【世界樹】とは巨大な迷宮、『アースガルズ』『ヴァナヘイム』『ミズガルズ』『ヨトゥンヘイム』『アールヴヘイム』『スヴァルトアールヴヘイム』『ニダヴェリール』『ムスペルヘイム』『ニブルヘイム』の九つの迷宮から成る超巨大複合迷宮。現在地は『ミズガルズ』】
【叡智】から補足が入った。
元の世界で言うと、確か、【世界樹】って北欧神話だったよな。確か、ミズガルズが人の国だった気がする。まぁ、いいか。
「まぁ、正確にいうと、ある意味、ここは一つの世界そのものですけどね。【世界樹】自体が一つの大きな世界とう認識もできます」
うーん。よくわかんないなぁ。理解力がないのか……
「あなたがこの世界に来る際に干渉したのですが、【理】にばれて、権限レベルを大幅に下げられまして」
うーん。記憶がないけど、そんなこと聞いたような……。確か【世界樹】から干渉をされてたよな……
「我々、悪魔たちは彼女に魅了されています。悪魔は数百万、数千万、数億の時を生きる不死の存在です。昔の世界に戻ってほしいというのが願いです。先程、あなたと戦った【姫】もその一人なのです」
あー、そうだったのか。道理で強いわけだ。魔王クラスならそれも当然だな。魔王より上の【神祖】だった気がしたが、まぁ、出鱈目に強かった。暴風之龍王《テュポーン》の力を奪った俺なら、戦えるかな?
俺と王女様二人がかりでも苦戦したし、やっぱり、難しいか……
……ん? 何か忘れているんような?
……!
王女様!?
「俺と一緒にいた王女様はどうなった!?」
「うん? あなたが去った後、【姫】も撤退したから、多分、自力で帰ったと思われますが?」
一応、確認しておこう。
「【龍眼】」
【龍眼】には沢山の眼に関係する能力が内包さえている。勿論、【千里眼】の能力も内包されている。俺はそれを使って、【透視】も発動させて迷宮内から地上を見る。
「王宮にいるのか……なら大丈夫か」
俺は一安心した。とりあえず、次の質問を悪魔に尋ねる。
「ちなみに彼我の戦力はどうなんだ?」
もし、こちらの味方した時、戦力差が激しいなら、俺も死ぬだけだろう。
「創造の権能を持っているので、相手は理論上、無限の戦力を持っています。だけど、軍にいる【堕天使】の一人が、広範囲殲滅魔術で一掃するから構わないわ」
ふむ。創造の権能ね。どっかで聞いたことがある名前だな。
俺の【特殊技能《ユニークスキル》】の中でも目立っていた名前だな。うん。言わないでおこう。
元、創造神は続ける。
「恐ろしい権能だが、君の【技能奪取】で強奪すれば可能性はある」
「本当に奪えるんでしょうか」
一応、【特殊技能】の欄に表示されているが、【権能】は凄まじい力だ。多分、実際は【王権】よりも上のランクの技能だ。
まぁ、俺が持っているので、関係ないが……!
一応聞いておく。
「ふむ。確かにそうだな。でも【王権】暴風を奪えたんだろう? じゃあ大丈夫だろう」
なんか適当な気が……まぁ、別にいいか。
「まぁ、万が一も考えている。それと同時に強化にもつながる方法を」
「方法? 安全な?」
魔獣を大量に召喚して、そいつら全部を殺せ、みたいな方法の強化かと思った。
「大丈夫だ。技能を昇華させればいい」
そう言って、虚空に黒い穴をあけて、中から小さなものを取り出す。
「【美徳と大罪の種】。この世界の中でも屈指の能力、【美徳】と【大罪】へと昇華させるための種さ」
元、創造神の手には小さな種が二つ置かれていた。
「ちょ、服は?」
俺は思わずテンパって声を出してしまう。
「衣服など必要ありません」
そして、胸を張って言う。
「私は羞恥という無駄な思考を持っていないのです」
もう意味がわかんない。何なんだ。この女は……
混乱した俺は思わず、悪魔を睨み付ける。
ゴホンッとわざとらしい咳をして、悪魔は説明した。
「彼女は元、管理者である神であり、現在はその殆どの権限を没収され、魂を世界樹に封印されています。だが、強大な魂のせいで、亡霊として、世界樹の封印を抜け出すことができるのです」
はえー、すごい。神のレベルの封印を抜け出すなんて。
「まぁ、そこまでしても、この巨大迷宮【世界樹】内しか移動できないわけですが」
【【世界樹】とは巨大な迷宮、『アースガルズ』『ヴァナヘイム』『ミズガルズ』『ヨトゥンヘイム』『アールヴヘイム』『スヴァルトアールヴヘイム』『ニダヴェリール』『ムスペルヘイム』『ニブルヘイム』の九つの迷宮から成る超巨大複合迷宮。現在地は『ミズガルズ』】
【叡智】から補足が入った。
元の世界で言うと、確か、【世界樹】って北欧神話だったよな。確か、ミズガルズが人の国だった気がする。まぁ、いいか。
「まぁ、正確にいうと、ある意味、ここは一つの世界そのものですけどね。【世界樹】自体が一つの大きな世界とう認識もできます」
うーん。よくわかんないなぁ。理解力がないのか……
「あなたがこの世界に来る際に干渉したのですが、【理】にばれて、権限レベルを大幅に下げられまして」
うーん。記憶がないけど、そんなこと聞いたような……。確か【世界樹】から干渉をされてたよな……
「我々、悪魔たちは彼女に魅了されています。悪魔は数百万、数千万、数億の時を生きる不死の存在です。昔の世界に戻ってほしいというのが願いです。先程、あなたと戦った【姫】もその一人なのです」
あー、そうだったのか。道理で強いわけだ。魔王クラスならそれも当然だな。魔王より上の【神祖】だった気がしたが、まぁ、出鱈目に強かった。暴風之龍王《テュポーン》の力を奪った俺なら、戦えるかな?
俺と王女様二人がかりでも苦戦したし、やっぱり、難しいか……
……ん? 何か忘れているんような?
……!
王女様!?
「俺と一緒にいた王女様はどうなった!?」
「うん? あなたが去った後、【姫】も撤退したから、多分、自力で帰ったと思われますが?」
一応、確認しておこう。
「【龍眼】」
【龍眼】には沢山の眼に関係する能力が内包さえている。勿論、【千里眼】の能力も内包されている。俺はそれを使って、【透視】も発動させて迷宮内から地上を見る。
「王宮にいるのか……なら大丈夫か」
俺は一安心した。とりあえず、次の質問を悪魔に尋ねる。
「ちなみに彼我の戦力はどうなんだ?」
もし、こちらの味方した時、戦力差が激しいなら、俺も死ぬだけだろう。
「創造の権能を持っているので、相手は理論上、無限の戦力を持っています。だけど、軍にいる【堕天使】の一人が、広範囲殲滅魔術で一掃するから構わないわ」
ふむ。創造の権能ね。どっかで聞いたことがある名前だな。
俺の【特殊技能《ユニークスキル》】の中でも目立っていた名前だな。うん。言わないでおこう。
元、創造神は続ける。
「恐ろしい権能だが、君の【技能奪取】で強奪すれば可能性はある」
「本当に奪えるんでしょうか」
一応、【特殊技能】の欄に表示されているが、【権能】は凄まじい力だ。多分、実際は【王権】よりも上のランクの技能だ。
まぁ、俺が持っているので、関係ないが……!
一応聞いておく。
「ふむ。確かにそうだな。でも【王権】暴風を奪えたんだろう? じゃあ大丈夫だろう」
なんか適当な気が……まぁ、別にいいか。
「まぁ、万が一も考えている。それと同時に強化にもつながる方法を」
「方法? 安全な?」
魔獣を大量に召喚して、そいつら全部を殺せ、みたいな方法の強化かと思った。
「大丈夫だ。技能を昇華させればいい」
そう言って、虚空に黒い穴をあけて、中から小さなものを取り出す。
「【美徳と大罪の種】。この世界の中でも屈指の能力、【美徳】と【大罪】へと昇華させるための種さ」
元、創造神の手には小さな種が二つ置かれていた。
13
お気に入りに追加
1,853
あなたにおすすめの小説
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません
身体強化って、何気にチートじゃないですか!?
ルーグイウル
ファンタジー
病弱で寝たきりの少年「立原隆人」はある日他界する。そんな彼の意志に残ったのは『もっと強い体が欲しい』。
そんな彼の意志と強靭な魂は世界の壁を越え異世界へとたどり着く。でも目覚めたのは真っ暗なダンジョンの奥地で…?
これは異世界で新たな肉体を得た立原隆人-リュートがパワーレベリングして得たぶっ飛んだレベルとチートっぽいスキルをひっさげアヴァロンを王道ルートまっしぐら、テンプレート通りに謳歌する物語。
初投稿作品です。つたない文章だと思いますが温かい目で見ていただけたらと思います。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~
暇人太一
ファンタジー
大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。
白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。
勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。
転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。
それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。
魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。
小説家になろう様でも投稿始めました。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる