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第五章 迷宮都市

第三十八話 c+冒険者へ

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 外に戻ってきた俺たちは組合《ギルド》に行くことにした。

 「ようこそ、冒険者組合イデア支部へ。本日はどういったご用件で」

 受付嬢から丁寧な挨拶が返ってくる。

 「討伐証明部位を売りたいんだけど」
 「わかりました。では、素材カウンターまでどうぞ」

 と言って番号付きの板を渡された。番号が呼ばれた自分の番ってことか。取りあえず、三番と書かれているので、番号を聞き漏らさないようにしないと。

 「組合《ギルド》に来るのは久しぶりです」
 「そっか。というか組合《ギルド》に来たことがあるんだ」
 「組合《ギルド》は色々な危険な物や重大な物が集まったりします。そういう物の回収に付いていったことがありますので」

 納得しながら、俺は「三番の方ー!」と呼ぶ声が聞こえたので、素材カウンターの方に行くことにした。素材カウンターに居たのは筋骨隆々な男だった。

 「名前とランク、討伐数を教えろ」

 先ほどの丁寧な対応とは異なり、乱暴そうな言い方だ。

 「翔です。ランクはEです。討伐数は、えと、取りあえず数えてないので、わかりません」
 「十匹以上か?」
 「えぇ。三桁以上です」

 一瞬、羊皮紙に記録していた男の手が止まる。

 「お前はEランクだったよな。虚偽報告は駄目だぞ」
 「討伐証明部位を出しましょうか?」
 「あぁ、出せるもんなら出してみろ。数十が関の山だろ」

 俺は無言で【虚空庫之指輪《リング・オブ・アイテムボックス》】から討伐証明部位を出していく。緑子鬼《ゴブリン》は牙、狼《ウルフ》は毛皮、人犬《コボルト》は耳。だった。
 【虚空庫之指輪《リング・オブ・アイテムボックス》】から出てくる討伐証明部位の山。俺はわかりやすいように素材ごとにわけておく。

 「百以上はあると思いますよ」
 「……確かにそうだ。取りあえず、集計させてくれ。査定金額も出す」

 俺は番号付きの板を貰い、素材カウンターから離れた。

 「驚いてましたね」

 遠目から見てた王女様が言う。

 「そうだね。やっぱり今度からもっと下の階層で狩ろう」
 「わかりました。しかし、どれくらいが私たちの適正階層なのでしょうか」

 うーん。正直それは思った。一晩で行こうと思ったら、いくら強化をしたところで十階層が限界だろう。あの冒険者たちは十階層より下でも余裕って言ってたし、テントとかを買ってくる必要があるな。
 と考えていると「三番の方ー!」と番号が呼ばれた。

 「組合《ギルド》に聞けばわかるかもしれませんよ」

 確かにそうだ。

 「取りあえず、百八十五匹の討伐だ。査定金額は金貨七枚と銀貨三十七枚だ。内訳は緑子鬼、百五匹、狼《ウルフ》、三十匹、人犬《コボルト》、二十五匹、赤猪《レッドボア》、十匹、白猪《ホワイトボア》、十匹、妖狐、三匹、二頭蛇《ツヴァイヘッドスネーク》、一匹、そして緑子鬼将軍《ゴブリンジェネラル》が一匹だ」

 恐らく、二頭蛇《ツヴァイヘッドスネーク》や緑子鬼将軍《ゴブリンジェネラル》なんかは王女様が倒したんだろう。

 係の男が続ける。

 「Dクラス達成用件のDランク魔獣討伐数十匹を達成により、Dランク昇格。Cランク達成用件のCランク魔獣討伐数五匹+Dランク討伐数百匹を達成によりCランク昇格だ。緑子鬼将軍《ゴブリンジェネラル》はBランク魔獣なので、Cランク十匹分の実績に追加されている。ここまで質問は?」
 「ありません」
 「魔獣討伐数が百を超えたことにより、C+にランク更新となる。これからはC+冒険者だ。C+冒険者は適正階層が十から二十になる。覚えておけ」
 「はい」

 なんか。すごいことになった。一気にC+になった。

 「冒険者カードを出せ。更新する」

 【虚空庫之指輪《リング・オブ・アイテムボックス》】から冒険者カードを出す。それを男はカウンターの奥に持って行き、新しいカードと交換してくれた。

 「金貨七枚と銀貨三十七枚はこの袋の中に入っている。討伐ご苦労だった」

 俺はC+冒険者になった。
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