上 下
19 / 60
第三章 塔

第十八話 武具

しおりを挟む
 「なにそのチート能力は……」

 途中から言葉を無くしているようだ。

 「【創造権能】も超絶チートだけど、【技能奪取】も十分チートじゃんか」

 確かに、突っ込みを入れたくなる強さだ。わかる。だって、俺もそれチートだと思うもん。

 「なるほど、これはこっち応援した方か良さげだな」

 そして、彼はこう言った。

 「僕の味方になれ」

 命令しているように見えるが、お願いに近い口調だった。

 「大丈夫……です。たぶん」

 俺はこの世界で何にも属していないし、仲間は欲しかった。なので、ちょうどいい提案だなと思った。

 「そっか。君ならそう言ってくれると思ってたよ」

 笑顔で言いながら、空間に黒い穴を開ける。そこに手を突っ込み、沢山のものを取り出した。どっかの青い狸のようだ。

 「今から君に沢山のアイテムをあげるよ。仲間の装備が貧相じゃ、こっちも困るからね」

 まずは銀色と金色が混ざり合ったような色の剣だった。

 「【金聖剣】エクスカリバーだ。この世界にある希少金属でできている。能力は魔眼で見ればわかる」

 俺は早速、魔眼で見てみる。

 【金聖剣】エクスカリバー
  【製作者】アルフレッド
  【評価】SS
  【付与《エンチャント》】
   【術式破壊】
   【自動修復】
   【形状変化】
    〔長剣〕〔短剣〕〔細剣〕……Etc
  【説明】【製作王】により創られた一品。多種多様な付与は見事の一言。また、使われている素材も対魔術性を持っていることから、対魔術戦闘に用いることができる。

 えっ? なにこれ、強すぎない?

 「防具は動きを阻害するから、護符ね」

 【対物護符】
 【対魔護符】
 【守護護符】

 三つ。だが、能力は格別だ。
 それぞれ、瀕死になりそうな物理攻撃、魔術攻撃、全攻撃を代わりに受けるそうだ。製作者の込めた魔力量と純度によって受けれる回数は変動する。【異界勇者】として保有魔力量は多く、高純度なものが込められている。恐らく、数十回は防げるだろう。
 売りに出したらこぞって買いにくるだろうなと俺は思う。いっそ、売ったらいくらになるだろうなんて考えてしまう。

 もう、なんかさっきからチート性能なものばっかなんですけど……

 「後は靴」

 【風帝の靴】
  【製作者】アルフレッド
  【評価】A
  【付与《エンチャント》】
   【空中歩行】
   【速度上昇】
  【説明】【製作王】により創られた一品。過去に風を統べると言われていた帝【風帝】が生涯をかけて、作った靴を再現したもの。空中歩行は魔力を使うので注意。

 付与だけ見てもわかるとおり、チートだ。


 うわぁー、空が飛べちゃうね。やったー。


 「後は便利なグッズだね」

 【虚空庫之指輪《リング・オブ・アイテムボックス》】
 【魔力増大之指輪《リング・オブ・マナアップ》】
 【異界の智慧板《スマホ》】

 うん。最後のにめちゃくちゃ突っ込みをいれてやりたい。

 異世界に来てもスマホを貰えちゃった。でも、これって電話とかできるのか?

 「スマホの能力としては低いかもしれないけど、電話とかできるから安心してね」

 なんか、仕組みはよくわからないが、一応聞いてみた。相互の魔力を強制的に使用し、同時に双方側の端末から空間属性の転送系統魔術を強制発動させる。で、音を拾って、その音を転送するらしい……。何やら凄いことをやっているのはわかるが、全く意味がわからない。

 「このぐらいかな。今日はここで休んで、明日から町へ行ってみようか」
 「うん。わかったよ」

 もう、なんか疲れた。



 ちなみに、用意された部屋のベッドがこれまた豪華だったっていうのも別の話。
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

加護とスキルでチートな異世界生活

どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!? 目を覚ますと真っ白い世界にいた! そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する! そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる 初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです ノベルバ様にも公開しております。 ※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

身体強化って、何気にチートじゃないですか!?

ルーグイウル
ファンタジー
 病弱で寝たきりの少年「立原隆人」はある日他界する。そんな彼の意志に残ったのは『もっと強い体が欲しい』。       そんな彼の意志と強靭な魂は世界の壁を越え異世界へとたどり着く。でも目覚めたのは真っ暗なダンジョンの奥地で…?  これは異世界で新たな肉体を得た立原隆人-リュートがパワーレベリングして得たぶっ飛んだレベルとチートっぽいスキルをひっさげアヴァロンを王道ルートまっしぐら、テンプレート通りに謳歌する物語。  初投稿作品です。つたない文章だと思いますが温かい目で見ていただけたらと思います。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~

暇人太一
ファンタジー
 大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。  白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。  勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。  転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。  それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。  魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。  小説家になろう様でも投稿始めました。

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた

こばやん2号
ファンタジー
 とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。  気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。  しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。  そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。  ※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。

処理中です...