8 / 47
第8話
しおりを挟む
「どう見ても雑魚じゃん!」
「エリアボスに雑魚なんているわけないだろ!?」
雷汰がアイテムを独り占めしようとエリアボスに突撃する。
ダンジョンではエリアボス討伐特典があり、一番ダメージを与えた者にその特典が与えられる。
鬨人が警告したが、無視して小さなエリアボスに大鎚を振り下ろそうと近づいていく。
グシャ、と肉と骨を砕く音がすると、小さな化け物の頭があっけなく潰れた。
ただの雑魚キャラだった?
あまりにも弱すぎる。
「まあ、俺にかかればこんなモンだし!?」
「うしろをよく見ろ!」
「きゃぁあああああッ!」
鬨人の声に反応して、振り返った雷太は巨大な拳に頭を砕かれた。
膝をついて、そのまま前に崩れ落ちる。
ダンジョン配信アプリ「Stream Of Dungeon」上で配信を視聴している人達にはこういったセンシティブな部分は自動でモザイクがかかるので、配信事故にはならない。だが、いくらセーブ地点から復活できるとしても間近で見るとトラウマになってしまいそう。
頭が潰れているのに平然と立っている化け物。
右腕の前腕部だけが数十倍に膨れ上がっている。その腕の皮膚がボコボコと無数の突起が生まれ、皮膚を引き裂くと小型犬くらいの大きさの蜘蛛が大量に出てきて亜理紗たちへ迫る。
「【聖鎧】!」
華が魔法を唱えると全身を白く光り輝く鎧で身を包んだ。
「亜理紗、麗音! ふたりとも俺のうしろに下がれ!?」
鬨人がそう叫びながら小瓶を周囲にばら撒くと、爆発するように炎が噴きあがる。
「くそっ数が違い過ぎる!」
炎の柱の間を抜けて侵入してくる蜘蛛を剣で刻みながら鬨人が呻くようにつぶやく。
麗音は腰の両側に提げている矢を精度を無視して速射を心がけて前に射っているが、10本中1本くらい蜘蛛に当たるかどうか。亜理紗は短剣しか持っておらずステータスも低いので1匹仕留めるのがやっとだった。アイテムで生み出した炎の柱の勢いが徐々に失われていく。炎の柱が壁となっていたが、消えてしまったらもう防ぎようがない。
華の方を見ると、白く光る鎧に触れた蜘蛛はバチッと電撃を受けて次々と弾いており、ひとりだけ平気そう。
名無し
:あのエリアボス……【白狒】だよ
名無し
:アカン奴きたwww
名無し
:普通にゲームオーバーやろ?
かなり手強いボスだと視聴者が教えてくれる。
「おい、華! 突っ立ってないでこっちを手伝えよ」
「ゴメーン、今、自分の身を守るのが精いっぱいで」
鬨人が仁科華へ呼びかけるが、彼女はヨロヨロとひとりだけ後ろへ下がっていく
炎の柱を避けるため、少し迂回する形だが、よろけている割には足取りがしっかりしている。
自分だけ助かろうとしている?
あのエリアボスは尋常ではないのは見てわかる。
でも、逃げてもどうせ結界で外には出られない。
ここは力を合わせてエリアボスに立ち向かわなければならないのに……。
だが、華の行動は裏目に出てしまった。
ゴスッと鈍い音が聞こえると視界の隅に黒い影が通過していった。
仁科華が化け物に殴られて吹き飛ばされた。
後ろにある木に背中を打って地面に転がった。
魔法の鎧のお陰で即死は避けられたようだが、もう立ち上がる力も残っていなさそう。
名無し
:まあ、詰んだな
名無し
:ワイの華ちゃんが
名無し
:腰がピヤピヤするwww
炎の柱も消え失せ、鬨人も苦しそう。
麗音も矢を使い果たし、短剣を握る。
亜理紗の方は武器の短剣が折れてしまい、焦りながらアイテムや武器を保存しておける亜空間収納に手を突っ込んだ。
あれ?
こんなのいつの間に?
手に触れたものを取り出すと、ギザギザの刃がついた剣が出てきた。
柄のところにボタンがついおり、親指で押すとチェーンソーのようにギザギザの刃が回転しだした。
名無し
:あの武器、カッコ良すぎん?
名無し
:【ソーブレード】だね
名無し
:なん、だと……って知らんけどw
剣を草刈り機のように地面スレスレを左右に振るだけで、蜘蛛が面白いように千切れ飛んで行く。
でも、問題はあの白狒とかいう化け物。
亜理紗は疲れ果ててその場で座り込んだ鬨人の前に出る。
蜘蛛はいなくなったが、右腕が異常に膨らんでいる化け物は微動だにせずこちらを見ている。
亜理紗が化け物に近づいていき、残り10歩を切ったところで、化け物が急に動いた。
右のバカみたい巨大な腕で拳を作り、真っすぐパンチを繰り出してくる。亜理紗はその巨大な拳に向かってソーブレードを振り下ろした。すると当たれば即死しそうな拳が裂けるグミを軽く千切るように手応えもなく真っ二つになった。
名無し
:ほんまに威力がレベチ!
名無し
:それれな!?
名無し
:それれれな!?
しかし……。
半分に千切れた腕がさらに巨大な二本の腕に変わる。
ソーブレードで少しでも受け損ねたら終わってしまいそう。
二本の巨大な腕が違う角度で亜理紗を襲う。
ズドっと上の方から迫っていた巨大な腕に風穴が空き、腕が横へ流れた。亜理紗はもう1本の腕を先ほどと同じように切り裂いてなんとかやりすごせた。
化け物へいったいなにが飛んできた!?
でも、今はその疑問は意識の底へ沈めておく。
右腕が4本に増えた。
これ以上はホント無理。
でも……後ろに鬨人と麗音がいる。
亜理紗が避けたり、後ろに下がったら二人とも化け物にやられてしまう。
化け物が4本の右腕を振り上げた瞬間、また、なにかが飛んできて化け物の4本の腕を吹き飛ばした。
「はぁぁあッ!」
一気に前に踏み込む。
鋭く息を吐き出しソーブレードを斜めに斬り上げ化け物の腰から肩にかけて斜めに真っ二つにした。
でも手をそこで止めなかった。
化け物を細切れになるまでソーブレードを振り続けた。
戻ろうと蠢いている。
それどころか膨張してさらに大きくなろうとしていることに気付き、鳥肌が立つ。だが、直後にゴリッと石が割れる音が聞こえると、大きなバケツをひっくり返したように化け物の肉片は動かなくなった。
名無し
:この子、いい……
名無し
:可愛いけど、ギリ、感動が勝った
名無し
:神々しいオーラすら感じるw
何とか倒せた。
それにしても先ほどの「砲撃」はいったい誰がしたんだろう……。
「エリアボスに雑魚なんているわけないだろ!?」
雷汰がアイテムを独り占めしようとエリアボスに突撃する。
ダンジョンではエリアボス討伐特典があり、一番ダメージを与えた者にその特典が与えられる。
鬨人が警告したが、無視して小さなエリアボスに大鎚を振り下ろそうと近づいていく。
グシャ、と肉と骨を砕く音がすると、小さな化け物の頭があっけなく潰れた。
ただの雑魚キャラだった?
あまりにも弱すぎる。
「まあ、俺にかかればこんなモンだし!?」
「うしろをよく見ろ!」
「きゃぁあああああッ!」
鬨人の声に反応して、振り返った雷太は巨大な拳に頭を砕かれた。
膝をついて、そのまま前に崩れ落ちる。
ダンジョン配信アプリ「Stream Of Dungeon」上で配信を視聴している人達にはこういったセンシティブな部分は自動でモザイクがかかるので、配信事故にはならない。だが、いくらセーブ地点から復活できるとしても間近で見るとトラウマになってしまいそう。
頭が潰れているのに平然と立っている化け物。
右腕の前腕部だけが数十倍に膨れ上がっている。その腕の皮膚がボコボコと無数の突起が生まれ、皮膚を引き裂くと小型犬くらいの大きさの蜘蛛が大量に出てきて亜理紗たちへ迫る。
「【聖鎧】!」
華が魔法を唱えると全身を白く光り輝く鎧で身を包んだ。
「亜理紗、麗音! ふたりとも俺のうしろに下がれ!?」
鬨人がそう叫びながら小瓶を周囲にばら撒くと、爆発するように炎が噴きあがる。
「くそっ数が違い過ぎる!」
炎の柱の間を抜けて侵入してくる蜘蛛を剣で刻みながら鬨人が呻くようにつぶやく。
麗音は腰の両側に提げている矢を精度を無視して速射を心がけて前に射っているが、10本中1本くらい蜘蛛に当たるかどうか。亜理紗は短剣しか持っておらずステータスも低いので1匹仕留めるのがやっとだった。アイテムで生み出した炎の柱の勢いが徐々に失われていく。炎の柱が壁となっていたが、消えてしまったらもう防ぎようがない。
華の方を見ると、白く光る鎧に触れた蜘蛛はバチッと電撃を受けて次々と弾いており、ひとりだけ平気そう。
名無し
:あのエリアボス……【白狒】だよ
名無し
:アカン奴きたwww
名無し
:普通にゲームオーバーやろ?
かなり手強いボスだと視聴者が教えてくれる。
「おい、華! 突っ立ってないでこっちを手伝えよ」
「ゴメーン、今、自分の身を守るのが精いっぱいで」
鬨人が仁科華へ呼びかけるが、彼女はヨロヨロとひとりだけ後ろへ下がっていく
炎の柱を避けるため、少し迂回する形だが、よろけている割には足取りがしっかりしている。
自分だけ助かろうとしている?
あのエリアボスは尋常ではないのは見てわかる。
でも、逃げてもどうせ結界で外には出られない。
ここは力を合わせてエリアボスに立ち向かわなければならないのに……。
だが、華の行動は裏目に出てしまった。
ゴスッと鈍い音が聞こえると視界の隅に黒い影が通過していった。
仁科華が化け物に殴られて吹き飛ばされた。
後ろにある木に背中を打って地面に転がった。
魔法の鎧のお陰で即死は避けられたようだが、もう立ち上がる力も残っていなさそう。
名無し
:まあ、詰んだな
名無し
:ワイの華ちゃんが
名無し
:腰がピヤピヤするwww
炎の柱も消え失せ、鬨人も苦しそう。
麗音も矢を使い果たし、短剣を握る。
亜理紗の方は武器の短剣が折れてしまい、焦りながらアイテムや武器を保存しておける亜空間収納に手を突っ込んだ。
あれ?
こんなのいつの間に?
手に触れたものを取り出すと、ギザギザの刃がついた剣が出てきた。
柄のところにボタンがついおり、親指で押すとチェーンソーのようにギザギザの刃が回転しだした。
名無し
:あの武器、カッコ良すぎん?
名無し
:【ソーブレード】だね
名無し
:なん、だと……って知らんけどw
剣を草刈り機のように地面スレスレを左右に振るだけで、蜘蛛が面白いように千切れ飛んで行く。
でも、問題はあの白狒とかいう化け物。
亜理紗は疲れ果ててその場で座り込んだ鬨人の前に出る。
蜘蛛はいなくなったが、右腕が異常に膨らんでいる化け物は微動だにせずこちらを見ている。
亜理紗が化け物に近づいていき、残り10歩を切ったところで、化け物が急に動いた。
右のバカみたい巨大な腕で拳を作り、真っすぐパンチを繰り出してくる。亜理紗はその巨大な拳に向かってソーブレードを振り下ろした。すると当たれば即死しそうな拳が裂けるグミを軽く千切るように手応えもなく真っ二つになった。
名無し
:ほんまに威力がレベチ!
名無し
:それれな!?
名無し
:それれれな!?
しかし……。
半分に千切れた腕がさらに巨大な二本の腕に変わる。
ソーブレードで少しでも受け損ねたら終わってしまいそう。
二本の巨大な腕が違う角度で亜理紗を襲う。
ズドっと上の方から迫っていた巨大な腕に風穴が空き、腕が横へ流れた。亜理紗はもう1本の腕を先ほどと同じように切り裂いてなんとかやりすごせた。
化け物へいったいなにが飛んできた!?
でも、今はその疑問は意識の底へ沈めておく。
右腕が4本に増えた。
これ以上はホント無理。
でも……後ろに鬨人と麗音がいる。
亜理紗が避けたり、後ろに下がったら二人とも化け物にやられてしまう。
化け物が4本の右腕を振り上げた瞬間、また、なにかが飛んできて化け物の4本の腕を吹き飛ばした。
「はぁぁあッ!」
一気に前に踏み込む。
鋭く息を吐き出しソーブレードを斜めに斬り上げ化け物の腰から肩にかけて斜めに真っ二つにした。
でも手をそこで止めなかった。
化け物を細切れになるまでソーブレードを振り続けた。
戻ろうと蠢いている。
それどころか膨張してさらに大きくなろうとしていることに気付き、鳥肌が立つ。だが、直後にゴリッと石が割れる音が聞こえると、大きなバケツをひっくり返したように化け物の肉片は動かなくなった。
名無し
:この子、いい……
名無し
:可愛いけど、ギリ、感動が勝った
名無し
:神々しいオーラすら感じるw
何とか倒せた。
それにしても先ほどの「砲撃」はいったい誰がしたんだろう……。
26
お気に入りに追加
100
あなたにおすすめの小説
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
クマちゃんと森の街の冒険者とものづくり ~転生赤ちゃんクマちゃんのもふもふ溺愛スローライフ~
猫野コロ
ファンタジー
転生したもこもこは動揺を隠し、震える肉球をなめ――思わず一言呟いた。
「クマちゃん……」と。
猫のような、クマのぬいぐるみの赤ちゃんのような――とにかく愛くるしいクマちゃんと、謎の生き物クマちゃんを拾ってしまった面倒見の良い冒険者達のお話。
犬に頭をくわえられ運ばれていたクマちゃんは、かっこいい冒険者のお兄さん達に助けられ、恩返しをしたいと考えた。
冷たそうに見えるが行動は優しい、過保護な最強冒険者の青年ルークに甘やかされながら、冒険者ギルドの皆の助けになるものを作ろうと日々頑張っている。
一生懸命ではあるが、常識はあまりない。生活力は家猫くらい。
甘えっこで寂しがり屋。異世界転生だが何も覚えていないクマちゃんが、アイテム無双する日はくるのだろうか?
時々森の街で起こる不思議な事件は赤ちゃんクマちゃんが可愛い肉球で何でも解決!
最高に愛らしいクマちゃんと、癖の強い冒険者達の愛と癒しと仲良しな日常の物語。
【かんたんな説明:良い声のイケメン達と錬金系ゲームと料理と転生もふもふクマちゃんを混ぜたようなお話。クマちゃん以外は全員男性】
【物語の主成分:甘々・溺愛・愛され・日常・温泉・お料理・お菓子作り・スローライフ・ちびっこ子猫系クマちゃん・良い声・イケボ・イケメン・イケオジ・ややチート・可愛さ最強・ややコメディ・ハッピーエンド!】
《カクヨム、ノベルアップ+、なろう、ノベマ!にも掲載中です》
異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜
カイ
ファンタジー
主人公の沖 紫惠琉(おき しえる)は会社からの帰り道、不思議な店を訪れる。
その店でいくつかの品を持たされ、自宅への帰り道、異世界への穴に落ちる。
落ちた先で紫惠琉はいろいろな仲間と穏やかながらも時々刺激的な旅へと旅立つのだった。
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!
町島航太
ファンタジー
ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。
ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる