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螺旋 2

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フワリと毛布が開かれた気がして、海翔が薄く目を覚ます
視線をずらすと窓の外は明らかに朝を迎える薄闇色に変化していた

あれからそのまま寝てしまったらしい
すっぽり被ったはずの毛布は胸元までを包み、頭はちゃんと枕の上だ

そして

 朋・・・

海翔の腕の上に乗せられた朋の頭にそっと触れてみる
サラリと朋の額に細い髪がかかると、うぅーんと顔をしかめながら朋がゆっくりと目を開けた

「んんっ!」

目を開けた瞬間、海翔の体が朋の上に覆いかぶさりその唇を塞ぐ
海翔の熱い吐息が朋の中に流れこむと、朋は海翔の首に腕を回し唾液と共にそれを飲み込んだ

「とも・・・」

激しく朋の髪をかき乱し切ない吐息の合間に何度も朋の名前を囁きながら海翔の舌先が悩まし気に朋の舌に絡みつく
それに応えるように目を細め朋が優しく海翔の髪を撫でた瞬間、ビクンと海翔の肩が震えた
朋の指先が海翔の髪を梳く度にその震えは大きくなっていく
薄明かりの中、甘えるように朋の唇を貪る海翔の瞳が次第に潤みポトリと朋の頬に雫が落ちた

「海翔・・・」

海翔の唇がゆっくり離れると、朋は海翔の頭を自分の胸に抱き寄せ小さく震える背中を優しく摩りながら

「海翔・・・大丈夫だよ。僕は信じてる。海翔が信じてくれてるのも分かってる」
と海翔の耳元で囁いた
海翔の喉が低く鳴り朋の耳に小さな嗚咽が届く

「僕、ちゃんと陸たちと夕飯食べたよ。それから、日付が変わるまで待ったよ。偉いでしょ?」

小刻みに震える海翔の髪に唇をつけながら歌うように朋の言葉に海翔は小さく頷いて顔を上げた

「偉いな」

涙に濡れた瞳が優しく朋を見下ろすと、朋は嬉しそうに小さく微笑んだ

「朋。信じてる」

「うん」

「俺は死ぬまでお前と一緒にいたい」

「うん」

「だから・・・」

ギシッとベッドが軋み、海翔の手が朋の首元からシャツの下へと滑り込む
朋の体が小さく跳ね、思わず上げそうになった切ない声を慌てて押し戻した

「俺はもう我慢しない」

じっと朋を見つめながら、海翔の指がゆっくりと朋の敏感な部分を刺激していく
声を上げれない苦しさで足をバタつかせる朋が、海翔のシャツを強く握り締める

「朋を好きだっていう気持ちを我慢しない」

 「っっんんっ…かいと…」

 「お前を誰にも渡さない」

背中をのけ反らせながら腕を伸ばして首にしがみついた朋の耳元で、あの時聞いた言葉をゆっくりと海翔が囁いた

「俺、お前が好きだ」

うん、と吐息の合間に頷き朋が海翔の唇を求めと、柔らかな朋の唇を噛むように口づける海翔の手が優しく朋の肌をなでる
その爪先が胸の突起に触れる度に、悩まし気に顔を歪める朋の喉が小さく鳴った

何かに急かされるように胸元から離れた海翔の手がスルリと朋の下着に入り込み、後孔をもどかしそうにノックする

「海翔待って、今起きたばっかりだから・・・」

腰を浮かして朋が懇願するように海翔を見つめた
海翔はその唇を塞ぎ激しく舌を動かしながら、腕を伸ばしてヘッドボードの引き出しを開けローションとコンドームを取り出し唇を離すと、上気した朋の頬をペロリと舐め上げた

「ふふふっ」

朋がくすぐったさに身を捩りながら目を細める

カチャッとベルトを外す音に目を向けた朋が呆れた声を出した

「海翔、まだ制服着てたの?」

「悪いか」

ズボンと下着を脱ぎ捨てると、朋が履いていたスウェットと下着を一気に脱がせ、露わになった朋の下半身を指先でなぞる

「っんん・・・海翔っ・・・早く・・」

「お前、待てって言ったじゃん」

海翔はそう言いながら朋にコンドームを手渡すと、クチュりとローションで自分の指先を濡らした
朋が袋から取り出したコンドームで海翔の愛欲を包みながらそれを刺激する

「くっ」

海翔の眉間が切なく寄せられ、それと同時にしなやかな指先が朋の中へと滑り込んだ

「あぁぁんんんっ」

思わず声を上げて仰け反った朋が慌てて両手で口を塞ぐ

「とも・・・かわいい・・・」

指の隙間から漏れる朋の喘ぎ声にドクンと下半身が脈打つ

内壁をこするように、曲げられた海翔の指先がゆっくり奥へと入り込むと

「もう・・もういいから・・・お願い」と、朋がその手を強く掴んだ

「分かった・・・」

スッと抜かれた指に沈んだ朋の腰が、次の衝撃に大きく跳ね上がる

朋が咄嗟に掴んだ毛布を口に当てた瞬間、海翔は一気に朋の体を穿った
苦し気に頭を左右に振る朋の下半身を握った手を同じリズムでスライドさせると、眩暈がするほどの快感が海翔の体を駆け巡る

「ともっ・・・いくっっ・・・」
「んんっ・・ふぅぅっっっ!!」

声を押し殺すように海翔が低く息を吐き出すと、朋の体が美しく弧を描くように反り返りビクンと震えた

「くっっ・・」

ドクンと溢れ出る熱さを感じながら、海翔がゆっくりと朋の上に覆いかぶさり強く抱きしめる
その下で朋から放出された白液が卑猥な音を立てた

「か・・いと・・・汚れちゃうから・・・」

毛布を口から離すと、力尽きた声で朋が呟く

「いいよ、別に・・・後でシャワー浴びるから」

「でも・・・」

「朋を抱いていたい・・・目覚ましが鳴るまで・・・」

静かな声でそう言いながら、海翔が朋の肩に顔を埋める

「・・・うん・・・」

気だるい疲労感の中で、朋はそっと手を伸ばし海翔の髪を撫でた

「目覚まし、鳴らなきゃいいのに」

「そうだな・・・でも・・・」

海翔が頭を上げて、朋を見下ろす

「もう朋を泣かさない。そう決めたんだ」

「海翔・・・」

優しい海翔の眼差しに、あっという間に朋の瞳に涙が浮かぶと、海翔が愛おし気に微笑んだ

「嬉し涙は許す」

「よかった・・・」

照れたように朋が細めた目から流れた涙を海翔の指が掬うと、静かに昇り始めた太陽のほのかな光が、朋の涙の跡を淡く照らした

















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