『ヘブン』

第15話。

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　香澄には、もう一人、姪がいる。絵理だ。絵理も主婦で、梓と同じく、子供がいる。俺は、絵理のこともかわいくてしょうがない。お前もだいぶ、久実姉さんの経済的な苦労で、苦労したよな？叔父さんと同じだ。叔父さんは今、岩崎家の二階の部屋に追いやられている。レビー小体型認知症の馬鹿爺さんのせいで、だ。俺は、お前にも、いい洋服を買ってやりたい。そう思っている。あの馬鹿爺さんは終わりだ。うちの町の人間は、誰一人相手しない。東京にある暴力舎弟大学をズルして出て、会社を潰して、倒産させて、それを全額、親族に弁済させて、自分は、レビー小体型認知症。俺は、あの爺さんの永代供養は、ないものと思っている。また、何も買ってやりたくない。それが結論だ。あの馬鹿爺さんは、命尽きるだろう。俺はそう思っている。夜は浴びるほど、酒を飲んで、顔も洗わないで、グーグー寝る。いずれ、穏便に葬ってやるつもりだ。絵理、お前も精一杯生きろ！そして、必ず、いい人生を歩め！俺は今から、あの馬鹿爺さんが朝食を取ってから、油断して、自室で寝てる隙に、池田家への名誉ある献金を、あの馬鹿爺さんの財布から、ちょうだいする。俺に対する慰謝料、名誉棄損への対価でもある。あの馬鹿爺さんの年金は、全額、財布から抜き取って、池田家に献金するから、安心しろよ。じゃあまたな。