『レイニー・マーダー』

第9話。

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　桜は、ルーペを使って、捜査資料を読み終えると、目元から取り、刑事課の中を歩き始めた。実際、疲れているのだ。ルーペをポーチに仕舞い、ゆっくりと、歩き回る。警察はフェアだが、刑事たちのやり方は、フェアなわけがない。また、この雨の日の殺人事件、いわゆる、レイニー・マーダーを解決するには、ある程度の物証が必要だ。早苗も、追い始めた。桜は刑事課にいるが、早苗は、所轄を出て、一気に、Ｔ市内を覆面パトカーに乗り込んで、走り出す。実際、警察は、いろんな捜査網を持っていて、刑事たちはみな、目を光らせていた。実際、警察は、邪魔する人間に対しては、容赦なく、粛清のようなことをする。組織にとって、何かされれば、報復等の措置を下すことだってあるのだ。警察にとって、いつでも、事件捜査はフェアだった。もちろん、空腹だって覚える。桜も、早苗も、北島も、いつも、捜査本部に届けられるお弁当は、一個じゃ足りなくて、二個食べていた。本職の刑事にとって、食欲は命だ。（以下次号）