『ビデオの女』

篠崎俊樹

文字の大きさ
上 下
1 / 1

ビデオの女

しおりを挟む
 俺は、自宅の部屋のパソコンで、アダルトDVDを見ている。何と言うか、毎日やっていることで、甲斐性なのだ。パソコンは、デスクトップとノートで、DVDは、適当にアマゾンで買ってから、見ている。別に俺にとって、DVD鑑賞は日常的なもので、アダルトじゃなくても、映画でも、ドキュメンタリーでも、何でも見ている。俺にとって、DVDは、生活の一部なのだ。
 普段見ているアダルトDVDに、女優の女が出てくる。目つきが独特で、俺も最初、違和感があったが、どうやら、専門でDVDに出ているようで、俺は躊躇いがなかった。また、あるわけもない。俺の家の隣に住んでいる、初老のオヤジも、その女優が好きで、しょっちゅう、DVDを見ているらしい。何と言うか、好きなのだろう。俺も、暇があれば、パソコンのDVDインサート口に、DVDを挿入して、再生してから、見ている。
 ビデオの女は、俺にとって、虜みたいなものだ。一番好きで、俺も、好き好きとは言っても、結構、頻繁に見ている。実際、俺には妻がいるが、妻とは、もう、何年も性交渉等がなく、もっぱら、DVDを見ながら、オナニーなどの自慰行為に耽っているのだ。俺も寂しいけど、それでもいいと思う。実際、妻は、五十代で、俺より、十歳以上年上だ。俺としても、仕事は、新聞配達で、早朝の三時間頑張れば、あとは、自宅に帰ってきて、通っている精神科で処方されている睡眠導入剤を、コップの水で服用して、寝る。何と言うか、規則正しすぎて、しょうがない。ビデオの女の性行為の芝居にお世話になるのは、寝付けない夜だけだ。実際、俺は、新聞配達以外に、作家という副業を持っていて、夜はパソコンに向かって、原稿を書いてから、ネット上の投稿サイトにアップするのだった。新聞配達で足りないお金は、創作で稼ぐ。実際、投稿サイトは、アクセスに応じて、課金される仕組みになっていて、俺も、お金にして、一万円ほど、原稿料代わりにもらった。薄謝だが、貴重なお金である。俺はそう思っている。ちなみに、この短編小説の結びに言っておくと、俺は、これからも、創作を続けるつもりだ。ビデオの女が出てくるDVDは、たまに見る程度でいい。そう思っている。俺にとって、今通っている新聞配達のアルバイトと、創作の両輪で、日常は十分すぎるぐらい、十分に回る。そう思っている。余暇は、頭休め程度だ。俺にとって、さっき言及した二つの道は、決して終わることのない道であって、永遠に続くことはないにしても、簡単には放擲しないだろう。そう書き記して、この短編小説を結稿することにする。
                          (了)
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

バーチャル女子高生

廣瀬純一
大衆娯楽
バーチャルの世界で女子高生になるサラリーマンの話

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

処理中です...