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圏ガクの夏休み!!
夏祭り!
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ご厚意をありがたく受ける事にしたオレは、早速お茶の氷で目元を冷やす。腫れぼったい瞼が引き締まるようで気持ちがいい。
「響さん、すいませんがお願い出来ますか」
「はい、谷垣先生のお願いなら、よろこんで」
鉄板の上にあった、出来たての焼きそばを手早く折りに詰めると、担任は申し訳なさそうに後を頼み、その甘ったるい返事にやや怯みながら、オレらの方へとやって来た。
ペットボトルを下ろして、担任に向き合うと、ジロリと一睨みされてしまう。普段なら条件反射で背筋が伸びて体は硬直する状況だが、年下の美人に、鼻の下こそ伸ばしていないが、たじたじとなっている姿を目撃した後だと、どうにも居心地の悪さばかりが気になる。
何も言い出せず黙ったままのオレの足に、先輩がトントンと爪先で合図を送ってきた。どうやら担任の作る焼きそばは美味しいらしく、屋台の先には列が出来上がっている。
「あの、すいませんでした。準備に参加せず、さぼ」
「今週の風呂掃除。お前一人でやれ、夷川。金城、お前は監視だ。わかったな」
サボりましたと言い終わる前に、担任は有無を言わさぬ声量で、今回の罰則をオレらに言い渡した。オレはその甘い裁量に面食らったが、隣に立つ先輩が「はい」と気持ちよく返事をしたのに気付いて、慌ててそれに続く。
「祭りの終わりを放送が知らせてくれる。放送を聞いたら、広場の入り口に集合だ。そこで遅れたら、風呂掃除程度では済まんから覚えておけ。それまで自由にしていい。分かっているとは思うが、一般の参加者に迷惑かけたら櫓から吊すぞ」
今度は先輩と一緒に「はい」と返事する事が出来た。オレらの返事を聞き届け、持ち場に戻ろうとした担任は、ふと何を思ったのか足を止め、隣の屋台に声をかけた。顔見知りらしい屋台の店主と(担任と違いこういう場所が似合わない風貌の男だった)二三やり取りをした後、どういう理由か隣の屋台の出し物らしいホットドッグをオレらに手渡してくれた。
「どうせお前ら昼飯抜いてんだろが、目玉飛び出るほど旨いから食ってみろ」
言うだけ言って、鉄板に向かう担任とは入れ代わりに、娘さんがまたこちらにやって来た。手には担任が作っていた焼きそばが二つ。
「はい、こっちはもっと美味しいですよ。どうぞ、召し上がれ」
この微笑みが何十倍にも美味しさを増す、焼きそばの隠し味に違いない。熱々の焼きそばをその手から受け取り、ちょっと担任を羨ましく思いつつ、その場を後にした。
右手に焼きそば、左手にホットドッグ。両手が塞がったまま歩き回るのは止めようと、手近にあったベンチに座り、まずはホットドッグから腹におさめる事にした。以前、食堂で食べた物と違って、妙な言い方だと思うが見た目からして本格的で『目玉が飛び出るほど』の美味しさにも期待が増し、先輩と二人並び大口でガブリとやる。
担任の言葉に嘘偽りはなく、思わず目を見開いてしまうくらい、ホットドッグは美味しかった。
「これ売ってた人、新館の食堂で定期的に腕を振るってる料理人さんだったからなぁ」
さっきの男は会長が自分専属にと雇ったシェフならしく「どうして、こんな所にいるんだろうな?」と先輩は首を傾げていた。確かに担任と比べれば、月とスッポンのような印象を受ける妙な人だったが、そんな事は右から左に流れてゆき、あっと言う間にオレはホットドッグを完食する。
ゆっくり味わっている先輩は、半分ほどをその手に残して「食べるか?」と聞いてくれたのだが、焼きそばや焼きとうもろこしの待っている身だと、涙を呑んで断った。
先輩が食べ終わるのを待つ間、貰ったペットボトルで目元を冷やして顔面の回復をはかる。
「ん、でもよかったな。ちゃんと自由時間もらえて。俺は正直ちょっと諦めてたんだけどな」
チラッと横目で見ると、先輩はホットドッグを咥えて口元をモサモサさせていた。ちょっとエロい。
「なんだかんだで、夏休みまで仕事しようかって先生らは、生徒に甘いよな」
あははと笑う先輩の口端にケチャップが付いてるのを見つけてしまった。どうしよう、先輩の口元から目が離せない! と言うか舐めたい、全力で!
「準備をサボった分、片付けで頑張ろう……おーい聞いてるか?」
あぁぁあああ! ペロッと自分で舐め取りやがったこの野郎! あと数秒の猶予があれば、それはオレが舐め取っていたのに! 人目が決心を鈍らせた……こんな事なら、人目のない場所で腰を下ろすべきだった。後悔先立たず、無念。
「うん、かたづけがんばる」
燃え尽きながらも、本心から同意すると、先輩の指がオレの口元をスッと撫でた。そして、その指先を先輩は当然のように口に持っていく。
「口にケチャップ付いてたぞ。俺も人の事は言えないけどな」
照れ臭そうに笑う先輩は、オレの唇をなぞった指で自分の口も拭う。そのまま口に吸い込まれそうになった指を手ごと掴む。そして餌に飛びつく犬みたいに、先輩の指を
「いだッ! 痛いぞセイシュン何するんだ! これは俺の指で食い物じゃない!」
勢い余って囓ってしまった。
何故なんだ。先輩にされてドキッとする事をオレが真似してやり返すと、ドキッを通り越してビクッとさせてしまう。
「そんなに腹が減ってるなら、先に言え。これは俺の指だ。ホットドッグじゃない。だから、噛みついたら駄目だ。さすがにやれん」
まるで餌をやる飼い主の指ごと齧りつく駄犬のような(いや、反論は全く出来ないんだが)扱いに納得出来ず素直に謝れなかった。
まだ噛みつく気かとオレの反省の見えない態度に身構える先輩は、焼きそばに手を伸ばすと、早く食えと言わんばかりに押しつけてきた。
失敗によるものか、はたまた先輩の指やら舌に欲情した気恥ずかしさか、とにかく自分の顔の熱さを誤魔化すべく、ペットボトルを頬やら額に当てながら、口で割り箸を割って焼きそばを貪る。
「うわ、本気でこの焼きそば美味しい」
先に食べた感動すら覚えるホットドッグに負けていない味に箸が進む。鉄板で焼いているせいか、食堂で出るベチャッとした焼きそばとは別物だ。
自分が食われるのを恐れてか、先輩が無言でオレの折りに焼きそばを置いていく。初めて本物の焼きそばを食ったくらいの感動が、さっきまであった他の食い物が入らなくなるという心配を掻き消してしまったので、遠慮無く平らげた。
これから色々な屋台を回るのだ。貰った焼きそばの分を他で返せばいい……と思いつつも、先輩の分を半分以上も食ってしまったのは申し訳なかった。本当に美味しかったから。
そんなオレの反省は名案を呼ぶ。財布を取り出して調べてみれば、焼きそばの食券がしっかり入っていた。先輩にコレでもう一度焼きそばを食べようと提案すると、サッと食券を抜き取られ没収されてしまった。
「コレは後で谷垣先生の所に持って行くぞ。食券の使い回しなんて駄目だからな。食い足りないなら、もう一つ俺が買ってやるからさ」
少し乱暴に頭を撫でられる。なんか先輩のオレに対する扱いが、犬で固定されたら嫌だな。まあ、こんなふうに撫でられるのも悪くはないが。
「じゃあ屋台を全制覇しようぜ」
食べ終わった折りと割り箸をゴミ箱に投げ込み、オレは先に立ち上がって先輩の手を引く。
「だいぶ出遅れてるから急ごう、先輩。オレ小吉さんの焼きとうもろこし食べたいんだ」
色々なモノを吹っ切って、自然と笑ってしまう自分が可笑しかった。
「よし、行くか」
先輩が優しい顔で手を握り返してくれて、先輩が隣を歩いてくれて、当たり前のように幸せという感覚が生まれる。けれど、当然のように離された手が、いつも以上に悲しく思えた。
「響さん、すいませんがお願い出来ますか」
「はい、谷垣先生のお願いなら、よろこんで」
鉄板の上にあった、出来たての焼きそばを手早く折りに詰めると、担任は申し訳なさそうに後を頼み、その甘ったるい返事にやや怯みながら、オレらの方へとやって来た。
ペットボトルを下ろして、担任に向き合うと、ジロリと一睨みされてしまう。普段なら条件反射で背筋が伸びて体は硬直する状況だが、年下の美人に、鼻の下こそ伸ばしていないが、たじたじとなっている姿を目撃した後だと、どうにも居心地の悪さばかりが気になる。
何も言い出せず黙ったままのオレの足に、先輩がトントンと爪先で合図を送ってきた。どうやら担任の作る焼きそばは美味しいらしく、屋台の先には列が出来上がっている。
「あの、すいませんでした。準備に参加せず、さぼ」
「今週の風呂掃除。お前一人でやれ、夷川。金城、お前は監視だ。わかったな」
サボりましたと言い終わる前に、担任は有無を言わさぬ声量で、今回の罰則をオレらに言い渡した。オレはその甘い裁量に面食らったが、隣に立つ先輩が「はい」と気持ちよく返事をしたのに気付いて、慌ててそれに続く。
「祭りの終わりを放送が知らせてくれる。放送を聞いたら、広場の入り口に集合だ。そこで遅れたら、風呂掃除程度では済まんから覚えておけ。それまで自由にしていい。分かっているとは思うが、一般の参加者に迷惑かけたら櫓から吊すぞ」
今度は先輩と一緒に「はい」と返事する事が出来た。オレらの返事を聞き届け、持ち場に戻ろうとした担任は、ふと何を思ったのか足を止め、隣の屋台に声をかけた。顔見知りらしい屋台の店主と(担任と違いこういう場所が似合わない風貌の男だった)二三やり取りをした後、どういう理由か隣の屋台の出し物らしいホットドッグをオレらに手渡してくれた。
「どうせお前ら昼飯抜いてんだろが、目玉飛び出るほど旨いから食ってみろ」
言うだけ言って、鉄板に向かう担任とは入れ代わりに、娘さんがまたこちらにやって来た。手には担任が作っていた焼きそばが二つ。
「はい、こっちはもっと美味しいですよ。どうぞ、召し上がれ」
この微笑みが何十倍にも美味しさを増す、焼きそばの隠し味に違いない。熱々の焼きそばをその手から受け取り、ちょっと担任を羨ましく思いつつ、その場を後にした。
右手に焼きそば、左手にホットドッグ。両手が塞がったまま歩き回るのは止めようと、手近にあったベンチに座り、まずはホットドッグから腹におさめる事にした。以前、食堂で食べた物と違って、妙な言い方だと思うが見た目からして本格的で『目玉が飛び出るほど』の美味しさにも期待が増し、先輩と二人並び大口でガブリとやる。
担任の言葉に嘘偽りはなく、思わず目を見開いてしまうくらい、ホットドッグは美味しかった。
「これ売ってた人、新館の食堂で定期的に腕を振るってる料理人さんだったからなぁ」
さっきの男は会長が自分専属にと雇ったシェフならしく「どうして、こんな所にいるんだろうな?」と先輩は首を傾げていた。確かに担任と比べれば、月とスッポンのような印象を受ける妙な人だったが、そんな事は右から左に流れてゆき、あっと言う間にオレはホットドッグを完食する。
ゆっくり味わっている先輩は、半分ほどをその手に残して「食べるか?」と聞いてくれたのだが、焼きそばや焼きとうもろこしの待っている身だと、涙を呑んで断った。
先輩が食べ終わるのを待つ間、貰ったペットボトルで目元を冷やして顔面の回復をはかる。
「ん、でもよかったな。ちゃんと自由時間もらえて。俺は正直ちょっと諦めてたんだけどな」
チラッと横目で見ると、先輩はホットドッグを咥えて口元をモサモサさせていた。ちょっとエロい。
「なんだかんだで、夏休みまで仕事しようかって先生らは、生徒に甘いよな」
あははと笑う先輩の口端にケチャップが付いてるのを見つけてしまった。どうしよう、先輩の口元から目が離せない! と言うか舐めたい、全力で!
「準備をサボった分、片付けで頑張ろう……おーい聞いてるか?」
あぁぁあああ! ペロッと自分で舐め取りやがったこの野郎! あと数秒の猶予があれば、それはオレが舐め取っていたのに! 人目が決心を鈍らせた……こんな事なら、人目のない場所で腰を下ろすべきだった。後悔先立たず、無念。
「うん、かたづけがんばる」
燃え尽きながらも、本心から同意すると、先輩の指がオレの口元をスッと撫でた。そして、その指先を先輩は当然のように口に持っていく。
「口にケチャップ付いてたぞ。俺も人の事は言えないけどな」
照れ臭そうに笑う先輩は、オレの唇をなぞった指で自分の口も拭う。そのまま口に吸い込まれそうになった指を手ごと掴む。そして餌に飛びつく犬みたいに、先輩の指を
「いだッ! 痛いぞセイシュン何するんだ! これは俺の指で食い物じゃない!」
勢い余って囓ってしまった。
何故なんだ。先輩にされてドキッとする事をオレが真似してやり返すと、ドキッを通り越してビクッとさせてしまう。
「そんなに腹が減ってるなら、先に言え。これは俺の指だ。ホットドッグじゃない。だから、噛みついたら駄目だ。さすがにやれん」
まるで餌をやる飼い主の指ごと齧りつく駄犬のような(いや、反論は全く出来ないんだが)扱いに納得出来ず素直に謝れなかった。
まだ噛みつく気かとオレの反省の見えない態度に身構える先輩は、焼きそばに手を伸ばすと、早く食えと言わんばかりに押しつけてきた。
失敗によるものか、はたまた先輩の指やら舌に欲情した気恥ずかしさか、とにかく自分の顔の熱さを誤魔化すべく、ペットボトルを頬やら額に当てながら、口で割り箸を割って焼きそばを貪る。
「うわ、本気でこの焼きそば美味しい」
先に食べた感動すら覚えるホットドッグに負けていない味に箸が進む。鉄板で焼いているせいか、食堂で出るベチャッとした焼きそばとは別物だ。
自分が食われるのを恐れてか、先輩が無言でオレの折りに焼きそばを置いていく。初めて本物の焼きそばを食ったくらいの感動が、さっきまであった他の食い物が入らなくなるという心配を掻き消してしまったので、遠慮無く平らげた。
これから色々な屋台を回るのだ。貰った焼きそばの分を他で返せばいい……と思いつつも、先輩の分を半分以上も食ってしまったのは申し訳なかった。本当に美味しかったから。
そんなオレの反省は名案を呼ぶ。財布を取り出して調べてみれば、焼きそばの食券がしっかり入っていた。先輩にコレでもう一度焼きそばを食べようと提案すると、サッと食券を抜き取られ没収されてしまった。
「コレは後で谷垣先生の所に持って行くぞ。食券の使い回しなんて駄目だからな。食い足りないなら、もう一つ俺が買ってやるからさ」
少し乱暴に頭を撫でられる。なんか先輩のオレに対する扱いが、犬で固定されたら嫌だな。まあ、こんなふうに撫でられるのも悪くはないが。
「じゃあ屋台を全制覇しようぜ」
食べ終わった折りと割り箸をゴミ箱に投げ込み、オレは先に立ち上がって先輩の手を引く。
「だいぶ出遅れてるから急ごう、先輩。オレ小吉さんの焼きとうもろこし食べたいんだ」
色々なモノを吹っ切って、自然と笑ってしまう自分が可笑しかった。
「よし、行くか」
先輩が優しい顔で手を握り返してくれて、先輩が隣を歩いてくれて、当たり前のように幸せという感覚が生まれる。けれど、当然のように離された手が、いつも以上に悲しく思えた。
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