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圏ガクの夏休み!!
決壊
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自分が泣いているんだと、口の中に染み込んだしょっぱさで気が付いた。必死で止めようと、手のひらで目元を拭うが、オレの意思なんてお構いなしに、涙は流れ続ける。
「ごめん……なんか、これ、とまんねーや……おかしいな」
恥ずかしくて笑って誤魔化そうとした時、隠したい所を何かが覆ってくれた。先輩の体温が目の前にあって、肩に背中に触れる大きな手があって、
「大丈夫だ。俺がここにいるから、何も心配しなくていい」
痛いくらい優しい言葉で、トドメを刺された。
嗚咽が込み上げ、声を上げて泣いた。先輩の服を掴んで先輩の胸に顔を埋めて、自分の中にあるモノをぶつけるみたいに泣いた。
何度も母さんを呼びながら泣き続けた。
本当は全部分かっていたはずなのに、どうしても割り切れなかった。母さんも父さんも新しい生活があって、新しい家族を持とうとしていて、それにオレが邪魔なんだって分かっていた。
二回目の受験に失敗して母さんがオレを諦めた時、オレは見て見ぬ振りをして諦めなかった。今度こそ母さんの期待に応えるんだって、必死で勉強し続けた。
エスカレーター式の学校だったから、オレが受からなかった時に受かった奴らを高校でまとめて負かせば、全て挽回できると思っていた。
中学に入るまでは、塾の送り迎えを母さんがしてくれていたけど、受験に失敗してからは、一人で電車とバスを乗り継いで塾に通った。送り迎えだけじゃなく、母さんはまともにオレを見てくれなくなっていたから。
あの日から、母さんが泣きながらオレを叩いた日から、食事を取るのも一人になった。それまでも、楽しい会話や家族団欒なんて上等なモノは、何一つない食卓だったけど、母さんが作ったごはんを二人で一緒に食べていた。それも、あの日を境になくなった。コンビニ弁当が冷蔵庫に入っているようになって、それすらなくなると食卓に毎日食事代として千円が置かれていた。
塾から帰ってきたら、母さんは既に自室に籠もって「おかえり」すら言ってくれなくなり、それでもオレにとっては、母さんがいてくれるだけで安心だった。
そんな馬鹿なオレでも、オレの知らない誰かと家族ごっこをしている母さんの姿を目の当たりにして、ようやく心が折れた。
オレには一度も向けてくれた事のない優しい顔で、優しい声で、誰かと手を繋いでいる。それを見て、もう挽回なんて不可能な事を思い知った。
それなのに、まだ残っていた。未練たらしい自分がまだ。
少しでもいい。オレの事を思いだしてくれたら、それで十分。
一声でいい。贅沢は言わない、聞き慣れた嫌悪の滲む声音でも構わない、名前を呼んでくれたら、我慢出来たのに……。
携帯電話が解約されていた時点で、嫌な予感はしていた。でも、確かめずにはいられなかった。
「なんかさ、電話する時、文句言ってやろうとか思ってたのに、頭に浮かぶのは『学校で友だち出来て毎日楽しい』とか『優しい先輩や先生によくしてもらってる』とか、そんなのばっかりで……ほんと馬鹿すぎて笑えるよな」
涙と鼻水を先輩に借りたタオルで拭いながらぼやくと、ポンポンと頭を撫でられた。そうやって、オレの吐き出すモノを全部、先輩は何も言わず黙って受け止めてくれた。
自分一人では受け止めきれなかったモノを、先輩が一緒に支えてくれたおかげで、ちゃんと正面から見つめる事が出来た気がする。
鼻を啜りながら、先輩を見上げると、いつもの暢気とは違う、頼もしい真剣な表情と目が合う。
「せんぱい、ありがと。なんか……ちゃんと泣いてスッキリした」
何年も溜め込んでいた涙は、一時間ほど泣き続けてようやく底を突いたらしく、洪水のような泣き様に逃げ出していた羞恥心が、徐々に戻って来る気配を感じた。ガキみたいに大泣きした恥ずかしさから逃れたくて、少しだけ母さんの事を想う。
きっと、母さんも泣いてスッキリしたのだろう。あの日、母さんもこんな気持ちになっていたらいいなと想った。オレを初めて叩きながら、何年も溜め込んだ涙を流し尽くして。
「……あんなババァ、こっちから願い下げだ」
軽くなった気持ちで試しに悪態を吐く。まだ少し、本当に未練たらしくて嫌だが、違和感が消えない。
「あのな、セイシュン……色々と思う所はあるだろうけど、俺はあんまり嫌って欲しくないな」
違和感を見抜かれたのかと思い、表情を探るように先輩を見つめると、何故か照れ臭そうに笑って見せた。
「お前の両親がいなかったら、俺はセイシュンに会えなかったと思うから……ッどうしたセイシュン!」
先輩の言葉を聞いて、止まったはずの涙がまたドバッと出た。泣きながら先輩に飛びつき全力で頷き返していると、見えない所に温かい何かが溜まっているような不思議な感覚があった。
涙腺がゆるくなっていたオレは、それから何度も先輩の言葉に嬉し泣きを繰り返した挙げ句、先輩の膝にしがみつきながら泣き疲れて爆睡してしまった。
気付けば夕方、広場の方から賑やかな祭り囃子が聞こえてくる。
「オレ、学校に帰るまで、どっかで時間潰してくる。先輩は夏祭り行って来て」
泣き腫らした目元が気になり、公民館の手洗い場で顔を洗ってみたが『泣いてました!』という真っ赤な目や鼻を見てしまうと、オレは楽しみにしていた全てを潔く諦めた。驚いた顔を見せる先輩に事情を説明すると、何故か「大丈夫だ」と自信ありげに笑って見せる。
「サボっていたのを俺が厳しく説教して、セイシュンを泣かしたって事にしておこう」
「いや、それ……結局、泣いてたの隠せてないし」
このなんとも言えない恥ずかしさを先輩は理解出来ないらしく、唸りながら再考した結果「なら、俺がセイシュンに目潰しを食らわせたって言おう」と先輩が指を構えて迫ってきたので、覚悟を決めて広場に戻る事にした。
オレが変だと心配して、先輩を探し回ってくれた小吉さんにお礼を言いたかったが、丸半日、奉仕作業をサボった事を正直に報告する為に、まずは担任を探そうと決めた。
広場には既に人が溢れかえっており、見慣れた年寄りばかりではなく、物珍しささえ覚える同年代の姿も数多く見える。ヒラヒラと金魚のような色鮮やかな浴衣をついジッと眺めてしまい、目の前を通り過ぎる女子たちに何事かヒソヒソと噂され笑われてしまった。
「セイシュン、表から行くと他の客の迷惑になるだろうから、裏側に回ろう」
先輩は早々に担任の姿を見つけたらしく、祭りの空気に呑まれてオロオロしているオレの手を引いて、文字通り祭りの裏側に連れて行ってくれた。
鉄板で焦げるソースの香ばしさに、焼きたてカステラの甘い湯気、空腹を全力で意識させるカレーの刺激。広場の外周、屋台の裏側を歩きながら、漂ってくる匂いに滅多打ちにされる。昼食を抜いた腹が死に物狂いで主張してくる中、担任はそんな匂いの真っ只中にいた。
「貴方は確か家でお会いしましたよね。少し待って下さいね……谷垣先生、生徒さんがお見えですよ」
鉄板で焼きそばを焼く、どう見ても本職にしか見えない担任は、大量の汗を掻きながら隣に美人を侍らせていた。
響先生の娘さん、名前はなんだったか……その人が、甲斐甲斐しく担任に寄り添い、額の汗を手にしたハンカチでそっと拭っている姿を目の当たりにして、思わず絶句してしまう。
「夷川に金城か。少し待て、すぐ終わる」
オレが絶句した状況など、担任はまるで意に介しておらず、一瞥だけくれて作業に戻ってしまった。見てはいけないモノを見てしまったような気がして、先輩の服を後ろで引っ張ると、響先生の娘さんと目が合ってしまう。
「あら、目が真っ赤。炭を熾す時に煙がすごかったものね。よかったら、これで目元を冷やしてみて。少しは楽になると思うの」
目の事を指摘されてカッと顔が熱くなったが、何か誤解してくれたらしく、凍ったペットボトルのお茶を差し出された。鉄板の側で暑苦しいオッサンといるせいか、汗で髪が額にくっついているが、微笑まれると先輩が隣にいるのに見惚れてしまうくらい相変わらずとんでもなく綺麗な人だった。
「ごめん……なんか、これ、とまんねーや……おかしいな」
恥ずかしくて笑って誤魔化そうとした時、隠したい所を何かが覆ってくれた。先輩の体温が目の前にあって、肩に背中に触れる大きな手があって、
「大丈夫だ。俺がここにいるから、何も心配しなくていい」
痛いくらい優しい言葉で、トドメを刺された。
嗚咽が込み上げ、声を上げて泣いた。先輩の服を掴んで先輩の胸に顔を埋めて、自分の中にあるモノをぶつけるみたいに泣いた。
何度も母さんを呼びながら泣き続けた。
本当は全部分かっていたはずなのに、どうしても割り切れなかった。母さんも父さんも新しい生活があって、新しい家族を持とうとしていて、それにオレが邪魔なんだって分かっていた。
二回目の受験に失敗して母さんがオレを諦めた時、オレは見て見ぬ振りをして諦めなかった。今度こそ母さんの期待に応えるんだって、必死で勉強し続けた。
エスカレーター式の学校だったから、オレが受からなかった時に受かった奴らを高校でまとめて負かせば、全て挽回できると思っていた。
中学に入るまでは、塾の送り迎えを母さんがしてくれていたけど、受験に失敗してからは、一人で電車とバスを乗り継いで塾に通った。送り迎えだけじゃなく、母さんはまともにオレを見てくれなくなっていたから。
あの日から、母さんが泣きながらオレを叩いた日から、食事を取るのも一人になった。それまでも、楽しい会話や家族団欒なんて上等なモノは、何一つない食卓だったけど、母さんが作ったごはんを二人で一緒に食べていた。それも、あの日を境になくなった。コンビニ弁当が冷蔵庫に入っているようになって、それすらなくなると食卓に毎日食事代として千円が置かれていた。
塾から帰ってきたら、母さんは既に自室に籠もって「おかえり」すら言ってくれなくなり、それでもオレにとっては、母さんがいてくれるだけで安心だった。
そんな馬鹿なオレでも、オレの知らない誰かと家族ごっこをしている母さんの姿を目の当たりにして、ようやく心が折れた。
オレには一度も向けてくれた事のない優しい顔で、優しい声で、誰かと手を繋いでいる。それを見て、もう挽回なんて不可能な事を思い知った。
それなのに、まだ残っていた。未練たらしい自分がまだ。
少しでもいい。オレの事を思いだしてくれたら、それで十分。
一声でいい。贅沢は言わない、聞き慣れた嫌悪の滲む声音でも構わない、名前を呼んでくれたら、我慢出来たのに……。
携帯電話が解約されていた時点で、嫌な予感はしていた。でも、確かめずにはいられなかった。
「なんかさ、電話する時、文句言ってやろうとか思ってたのに、頭に浮かぶのは『学校で友だち出来て毎日楽しい』とか『優しい先輩や先生によくしてもらってる』とか、そんなのばっかりで……ほんと馬鹿すぎて笑えるよな」
涙と鼻水を先輩に借りたタオルで拭いながらぼやくと、ポンポンと頭を撫でられた。そうやって、オレの吐き出すモノを全部、先輩は何も言わず黙って受け止めてくれた。
自分一人では受け止めきれなかったモノを、先輩が一緒に支えてくれたおかげで、ちゃんと正面から見つめる事が出来た気がする。
鼻を啜りながら、先輩を見上げると、いつもの暢気とは違う、頼もしい真剣な表情と目が合う。
「せんぱい、ありがと。なんか……ちゃんと泣いてスッキリした」
何年も溜め込んでいた涙は、一時間ほど泣き続けてようやく底を突いたらしく、洪水のような泣き様に逃げ出していた羞恥心が、徐々に戻って来る気配を感じた。ガキみたいに大泣きした恥ずかしさから逃れたくて、少しだけ母さんの事を想う。
きっと、母さんも泣いてスッキリしたのだろう。あの日、母さんもこんな気持ちになっていたらいいなと想った。オレを初めて叩きながら、何年も溜め込んだ涙を流し尽くして。
「……あんなババァ、こっちから願い下げだ」
軽くなった気持ちで試しに悪態を吐く。まだ少し、本当に未練たらしくて嫌だが、違和感が消えない。
「あのな、セイシュン……色々と思う所はあるだろうけど、俺はあんまり嫌って欲しくないな」
違和感を見抜かれたのかと思い、表情を探るように先輩を見つめると、何故か照れ臭そうに笑って見せた。
「お前の両親がいなかったら、俺はセイシュンに会えなかったと思うから……ッどうしたセイシュン!」
先輩の言葉を聞いて、止まったはずの涙がまたドバッと出た。泣きながら先輩に飛びつき全力で頷き返していると、見えない所に温かい何かが溜まっているような不思議な感覚があった。
涙腺がゆるくなっていたオレは、それから何度も先輩の言葉に嬉し泣きを繰り返した挙げ句、先輩の膝にしがみつきながら泣き疲れて爆睡してしまった。
気付けば夕方、広場の方から賑やかな祭り囃子が聞こえてくる。
「オレ、学校に帰るまで、どっかで時間潰してくる。先輩は夏祭り行って来て」
泣き腫らした目元が気になり、公民館の手洗い場で顔を洗ってみたが『泣いてました!』という真っ赤な目や鼻を見てしまうと、オレは楽しみにしていた全てを潔く諦めた。驚いた顔を見せる先輩に事情を説明すると、何故か「大丈夫だ」と自信ありげに笑って見せる。
「サボっていたのを俺が厳しく説教して、セイシュンを泣かしたって事にしておこう」
「いや、それ……結局、泣いてたの隠せてないし」
このなんとも言えない恥ずかしさを先輩は理解出来ないらしく、唸りながら再考した結果「なら、俺がセイシュンに目潰しを食らわせたって言おう」と先輩が指を構えて迫ってきたので、覚悟を決めて広場に戻る事にした。
オレが変だと心配して、先輩を探し回ってくれた小吉さんにお礼を言いたかったが、丸半日、奉仕作業をサボった事を正直に報告する為に、まずは担任を探そうと決めた。
広場には既に人が溢れかえっており、見慣れた年寄りばかりではなく、物珍しささえ覚える同年代の姿も数多く見える。ヒラヒラと金魚のような色鮮やかな浴衣をついジッと眺めてしまい、目の前を通り過ぎる女子たちに何事かヒソヒソと噂され笑われてしまった。
「セイシュン、表から行くと他の客の迷惑になるだろうから、裏側に回ろう」
先輩は早々に担任の姿を見つけたらしく、祭りの空気に呑まれてオロオロしているオレの手を引いて、文字通り祭りの裏側に連れて行ってくれた。
鉄板で焦げるソースの香ばしさに、焼きたてカステラの甘い湯気、空腹を全力で意識させるカレーの刺激。広場の外周、屋台の裏側を歩きながら、漂ってくる匂いに滅多打ちにされる。昼食を抜いた腹が死に物狂いで主張してくる中、担任はそんな匂いの真っ只中にいた。
「貴方は確か家でお会いしましたよね。少し待って下さいね……谷垣先生、生徒さんがお見えですよ」
鉄板で焼きそばを焼く、どう見ても本職にしか見えない担任は、大量の汗を掻きながら隣に美人を侍らせていた。
響先生の娘さん、名前はなんだったか……その人が、甲斐甲斐しく担任に寄り添い、額の汗を手にしたハンカチでそっと拭っている姿を目の当たりにして、思わず絶句してしまう。
「夷川に金城か。少し待て、すぐ終わる」
オレが絶句した状況など、担任はまるで意に介しておらず、一瞥だけくれて作業に戻ってしまった。見てはいけないモノを見てしまったような気がして、先輩の服を後ろで引っ張ると、響先生の娘さんと目が合ってしまう。
「あら、目が真っ赤。炭を熾す時に煙がすごかったものね。よかったら、これで目元を冷やしてみて。少しは楽になると思うの」
目の事を指摘されてカッと顔が熱くなったが、何か誤解してくれたらしく、凍ったペットボトルのお茶を差し出された。鉄板の側で暑苦しいオッサンといるせいか、汗で髪が額にくっついているが、微笑まれると先輩が隣にいるのに見惚れてしまうくらい相変わらずとんでもなく綺麗な人だった。
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