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新学期!!
苦い思い出
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「しまった! 手ぇ出すなって言われてたんだった」
髭に釘を刺されてたのに!
「だいじょーぶ。手じゃないよ、足だからセーフ」
コウスケの能天気なジャッジに電光石火で同意し、オレはついでにもう一人の腹にも蹴りを入れた。
笹倉の名前で、こいつらの顔を何処で見たのか思い出したのだ。
遠足前夜に校舎へ忍び込んだ時、笹倉と一緒にいた奴らだ。間違いない。クソッ、胸糞悪いモン思い出しちまったじゃねぇか。
不快感を拭いたくて、追加で二三発蹴り飛ばしてやろうと、目の前の二人を睨み付けたが、既にコウスケが実行済みだった。
「おい……もういい。止めろ、コウスケ」
オレも同じ事をやろうとしていたのだが、思わず止めてしまう程に容赦なく殴られていた二人は、床の上で頭を抱えて蹲り、ひたすらに謝罪を繰り返している。
「えべっさん、やっさしー。あー、でもそうか、こいつら必要だったね。ごめんごめん」
どこまでも軽く言うコウスケに、嫌悪感を感じずにはいられなかったが、それこそ今更だ。これが嫌で、あまりコウスケたちとは連みたくないのだ。
コイツやスバルの暴力はケンカとは呼べない。相手を倒してからが本番なのだ。戦意を失った奴を気が済むまで痛めつける。
「でも、うちのポチとクロがえべっさんに何かやったんでしょ? それはダメだわ。後でちゃぁーんとお仕置きしてやるからな」
さっきまで自分のケツを掘ってくる相手を全力で庇ってた奴とは思えないな。まともそうに見えても、圏ガクに入学した理由は当然持ち合わせてる訳で、それがコレだとしたら納得だな。
執拗に嬲ろうとするコウスケを引き剥がし、オレはボロボロの二人の前でしゃがみ込んだ。自分の身を守るよう丸まって震える二つの塊が、不憫に思えてきてオレは溜め息を吐いた。
笹倉と連んでた頃、コウスケに目を付けられたんだろう。笹倉はコウスケが好きなスバルの顔を思いきり蹴り飛ばしてたからな。スバルも酢豚がどうのこうのと訳の分からない事を言っていた。その巻き添えを食ったか。
思い出して一瞬カッとなってしまったが、オレがこいつらと関わるのは不味いと気が付く。先輩が笹倉に手を出した事を大っぴらには絶対にしたくない。
「興津って奴を知ってるか?」
頑張って穏やかな声で尋ねる。けれど、余程コウスケに酷い目に遭わされているようで、まともに話が出来る状態ではなかった。ひたすら「許してくれ」を繰り返している。
「あれあれ~お前らの耳って聞こえてねーの? それ飾りなの? それともオレら無視ですかぁ?」
脅しにしか聞こえない言葉を呼吸するように吐き出すコウスケ。
「話が進まないから、ちょっと外出てろコウスケ」
不服そうな声を上げやがるので、出て行かないならさっきの話は無しだと、こちらも脅してやった。それでようやく、コウスケを窓の外へ、ベランダに追い出す事に成功した。
盗み聞きされても面倒だと思い、しっかり窓に鍵もしておく。新館の窓は二重窓とでも言うのか、硝子が二枚重なっているような構造なので、よほど大声で話さない限り外に漏れ聞こえる事もないだろう。
オレはコウスケの姿を隠すよう、カーテンも閉めた上で、蹲る二人に慎重に声をかける。
「……さっきは、いきなり蹴り飛ばして、悪かった」
抵抗がなかった訳ではないが、コウスケの作った空気を換える為に謝罪から口にしてみた。すると、目の前の塊は震えが止まり、恐る恐る顔を上げる。二人はコウスケに殴られて腫れ上がった顔を更に涙でグシャグシャにしていた。
「……仕返しに、来たんじゃないのか?」
ガタイのいい方、コウスケが『クロ』と呼んでいた奴が、探るように聞いてくる。
「違う。オレらに面識はない……って事になってるんだろ。ひげ、真山先輩からそう言われてるだろ」
クロは髭の名前を聞くと、更に表情を暗くさせ、何か出かかった言葉を飲み込んだ後、静かに頷いて見せた。
「じゃあ、何しに……ボクらを見て笑うために?」
もう一人いるヒョロッとした印象の『ポチ』が、無駄にビクビクしながら失礼な事を呟く。コウスケたちと同列に考えるのは止めろと、つい怒鳴ってしまい、再び丸まった塊を開くのに時間がかかってしまった。
「今、オレに懸賞金がかかってるだろ。それを主催してる奴に用があって、ここに来た」
「闇市を捜してるのか。無駄なことを」
オレの状況は分かっているらしく、クロの方は少し余裕が出て来たようだ。オレの言葉を鼻で笑い飛ばした。闇市の正体が興津だとは知らないらしい。
「当てはある。オレの言う奴をここへ連れて来て欲しい。手伝って貰えないか」
頭こそ下げなかったが、丁重に頼みを口にすると、クロは手のひらで涙を拭い『少し待て』と目線で寄越し、どうするべきか考え出した。そして、不安そうなポチを一瞥して、クロは「条件がある」と切り出してきた。
「この部屋を返してくれ。鍵の一つをアイツに奪われてる」
コウスケが持っている鍵を取り戻したいって事か。オレは返事をする前に、状況を説明するよう求めると、二人は苦虫を噛み潰したような顔でポツポツと話し出した。
クロとポチが、スバルやコウスケに目を付けられたのは、予想通り笹倉と連んでいたからだった。笹倉が上手くスバルたちの相手をしていたが、奴がいなくなってからは誰にも頼れず、ただ耐え忍ぶ日が続いているのだとか。
「相手が一年だから、ひげじゃなくて真山先輩も放置してんのか?」
「真山さんは頼れない……ボクたちは、恩情から逃げたから」
髭が三年のテリトリーである新館で、一年がのさばるのを許しているのかと疑問を口にすると、ポチはまた不安げに呟いた。
「お前との一件で、真山さんは恩情を下さった。でも、苛酷すぎてついて行けず、途中で逃げたんだ。それ以降、おれらに居場所はないんだ。この与えられた個室以外には」
要領を得ないポチの言葉をクロが引き継いでくれたので、一応は現状を理解出来た。恐らく髭に睨まれ、自分たちの学年の中で浮いた存在になっているのだろう。
「一つ聞くが、部屋の鍵はオレが取り返したとしても、コウスケたちはどうするつもりだ? まさかあいつらが大人しく諦めるとは思ってないよな?」
鍵の奪取は根本的な解決にはならない。むしろ怒りを買いそうだが、その辺ちゃんと分かっているのかと伝えると、ポチは青ざめた顔でクロを見た。
「この部屋で籠城する気か?」
それも甘いとオレはバッサリ切り捨てる。するとクロは何も言えず、視線を床に落とした。
「ここしか居場所がないって言ってたな。ここにわざわざ戻って来てるのは、外にいると三年に絡まれるからか?」
髭がどの程度こいつらをいびっているのかは知らないが、コウスケ(と多分スバルもセットだよな)が待ち構えている部屋にわざわざ戻って来るってのは、よっぽどなのかと気になって尋ねてみた。
「ち、違う。真山さんはボクらを切り捨てたって……だから、誰も、何もして来ない」
なるほど、いないものとして扱われているのか。なら、どうして『ここ』に拘るのか、オレは不思議に思った。
「そ、外に居る奴が……絶対に、戻って来いって……そうしないと、もっと酷い目に遭わせるって言うから」
クロにとっては屈辱でしかないんだろうな。今度はポチが答えた。
まあ、今日の様子を見ただけでも分かるか、コウスケはこいつらを玩具として見ている。
面倒臭くて溜め息が出た。同情する必要なんてないはずだが、見なかった事にするのは難しく、頭の中を整理しながら考える。
「だいたい事情は分かった。オレから提案出来る条件はこうだ。オレがお前らの居場所を作ってやるから、お前らは闇市を誘き出すのを手伝う」
スバルの事を絡めれば、コウスケも納得するだろう。オレの負担は倍以上になりそうだったが、十も二十も大差ないと割り切る。
そんな旨い話があるのかと不安そうではあるが、他に手はないと覚悟を決めたらしいポチとクロの目の前に、オレは手を差し出した。
「とりあえず、お前らの持ってる鍵をオレに渡せ」
髭に釘を刺されてたのに!
「だいじょーぶ。手じゃないよ、足だからセーフ」
コウスケの能天気なジャッジに電光石火で同意し、オレはついでにもう一人の腹にも蹴りを入れた。
笹倉の名前で、こいつらの顔を何処で見たのか思い出したのだ。
遠足前夜に校舎へ忍び込んだ時、笹倉と一緒にいた奴らだ。間違いない。クソッ、胸糞悪いモン思い出しちまったじゃねぇか。
不快感を拭いたくて、追加で二三発蹴り飛ばしてやろうと、目の前の二人を睨み付けたが、既にコウスケが実行済みだった。
「おい……もういい。止めろ、コウスケ」
オレも同じ事をやろうとしていたのだが、思わず止めてしまう程に容赦なく殴られていた二人は、床の上で頭を抱えて蹲り、ひたすらに謝罪を繰り返している。
「えべっさん、やっさしー。あー、でもそうか、こいつら必要だったね。ごめんごめん」
どこまでも軽く言うコウスケに、嫌悪感を感じずにはいられなかったが、それこそ今更だ。これが嫌で、あまりコウスケたちとは連みたくないのだ。
コイツやスバルの暴力はケンカとは呼べない。相手を倒してからが本番なのだ。戦意を失った奴を気が済むまで痛めつける。
「でも、うちのポチとクロがえべっさんに何かやったんでしょ? それはダメだわ。後でちゃぁーんとお仕置きしてやるからな」
さっきまで自分のケツを掘ってくる相手を全力で庇ってた奴とは思えないな。まともそうに見えても、圏ガクに入学した理由は当然持ち合わせてる訳で、それがコレだとしたら納得だな。
執拗に嬲ろうとするコウスケを引き剥がし、オレはボロボロの二人の前でしゃがみ込んだ。自分の身を守るよう丸まって震える二つの塊が、不憫に思えてきてオレは溜め息を吐いた。
笹倉と連んでた頃、コウスケに目を付けられたんだろう。笹倉はコウスケが好きなスバルの顔を思いきり蹴り飛ばしてたからな。スバルも酢豚がどうのこうのと訳の分からない事を言っていた。その巻き添えを食ったか。
思い出して一瞬カッとなってしまったが、オレがこいつらと関わるのは不味いと気が付く。先輩が笹倉に手を出した事を大っぴらには絶対にしたくない。
「興津って奴を知ってるか?」
頑張って穏やかな声で尋ねる。けれど、余程コウスケに酷い目に遭わされているようで、まともに話が出来る状態ではなかった。ひたすら「許してくれ」を繰り返している。
「あれあれ~お前らの耳って聞こえてねーの? それ飾りなの? それともオレら無視ですかぁ?」
脅しにしか聞こえない言葉を呼吸するように吐き出すコウスケ。
「話が進まないから、ちょっと外出てろコウスケ」
不服そうな声を上げやがるので、出て行かないならさっきの話は無しだと、こちらも脅してやった。それでようやく、コウスケを窓の外へ、ベランダに追い出す事に成功した。
盗み聞きされても面倒だと思い、しっかり窓に鍵もしておく。新館の窓は二重窓とでも言うのか、硝子が二枚重なっているような構造なので、よほど大声で話さない限り外に漏れ聞こえる事もないだろう。
オレはコウスケの姿を隠すよう、カーテンも閉めた上で、蹲る二人に慎重に声をかける。
「……さっきは、いきなり蹴り飛ばして、悪かった」
抵抗がなかった訳ではないが、コウスケの作った空気を換える為に謝罪から口にしてみた。すると、目の前の塊は震えが止まり、恐る恐る顔を上げる。二人はコウスケに殴られて腫れ上がった顔を更に涙でグシャグシャにしていた。
「……仕返しに、来たんじゃないのか?」
ガタイのいい方、コウスケが『クロ』と呼んでいた奴が、探るように聞いてくる。
「違う。オレらに面識はない……って事になってるんだろ。ひげ、真山先輩からそう言われてるだろ」
クロは髭の名前を聞くと、更に表情を暗くさせ、何か出かかった言葉を飲み込んだ後、静かに頷いて見せた。
「じゃあ、何しに……ボクらを見て笑うために?」
もう一人いるヒョロッとした印象の『ポチ』が、無駄にビクビクしながら失礼な事を呟く。コウスケたちと同列に考えるのは止めろと、つい怒鳴ってしまい、再び丸まった塊を開くのに時間がかかってしまった。
「今、オレに懸賞金がかかってるだろ。それを主催してる奴に用があって、ここに来た」
「闇市を捜してるのか。無駄なことを」
オレの状況は分かっているらしく、クロの方は少し余裕が出て来たようだ。オレの言葉を鼻で笑い飛ばした。闇市の正体が興津だとは知らないらしい。
「当てはある。オレの言う奴をここへ連れて来て欲しい。手伝って貰えないか」
頭こそ下げなかったが、丁重に頼みを口にすると、クロは手のひらで涙を拭い『少し待て』と目線で寄越し、どうするべきか考え出した。そして、不安そうなポチを一瞥して、クロは「条件がある」と切り出してきた。
「この部屋を返してくれ。鍵の一つをアイツに奪われてる」
コウスケが持っている鍵を取り戻したいって事か。オレは返事をする前に、状況を説明するよう求めると、二人は苦虫を噛み潰したような顔でポツポツと話し出した。
クロとポチが、スバルやコウスケに目を付けられたのは、予想通り笹倉と連んでいたからだった。笹倉が上手くスバルたちの相手をしていたが、奴がいなくなってからは誰にも頼れず、ただ耐え忍ぶ日が続いているのだとか。
「相手が一年だから、ひげじゃなくて真山先輩も放置してんのか?」
「真山さんは頼れない……ボクたちは、恩情から逃げたから」
髭が三年のテリトリーである新館で、一年がのさばるのを許しているのかと疑問を口にすると、ポチはまた不安げに呟いた。
「お前との一件で、真山さんは恩情を下さった。でも、苛酷すぎてついて行けず、途中で逃げたんだ。それ以降、おれらに居場所はないんだ。この与えられた個室以外には」
要領を得ないポチの言葉をクロが引き継いでくれたので、一応は現状を理解出来た。恐らく髭に睨まれ、自分たちの学年の中で浮いた存在になっているのだろう。
「一つ聞くが、部屋の鍵はオレが取り返したとしても、コウスケたちはどうするつもりだ? まさかあいつらが大人しく諦めるとは思ってないよな?」
鍵の奪取は根本的な解決にはならない。むしろ怒りを買いそうだが、その辺ちゃんと分かっているのかと伝えると、ポチは青ざめた顔でクロを見た。
「この部屋で籠城する気か?」
それも甘いとオレはバッサリ切り捨てる。するとクロは何も言えず、視線を床に落とした。
「ここしか居場所がないって言ってたな。ここにわざわざ戻って来てるのは、外にいると三年に絡まれるからか?」
髭がどの程度こいつらをいびっているのかは知らないが、コウスケ(と多分スバルもセットだよな)が待ち構えている部屋にわざわざ戻って来るってのは、よっぽどなのかと気になって尋ねてみた。
「ち、違う。真山さんはボクらを切り捨てたって……だから、誰も、何もして来ない」
なるほど、いないものとして扱われているのか。なら、どうして『ここ』に拘るのか、オレは不思議に思った。
「そ、外に居る奴が……絶対に、戻って来いって……そうしないと、もっと酷い目に遭わせるって言うから」
クロにとっては屈辱でしかないんだろうな。今度はポチが答えた。
まあ、今日の様子を見ただけでも分かるか、コウスケはこいつらを玩具として見ている。
面倒臭くて溜め息が出た。同情する必要なんてないはずだが、見なかった事にするのは難しく、頭の中を整理しながら考える。
「だいたい事情は分かった。オレから提案出来る条件はこうだ。オレがお前らの居場所を作ってやるから、お前らは闇市を誘き出すのを手伝う」
スバルの事を絡めれば、コウスケも納得するだろう。オレの負担は倍以上になりそうだったが、十も二十も大差ないと割り切る。
そんな旨い話があるのかと不安そうではあるが、他に手はないと覚悟を決めたらしいポチとクロの目の前に、オレは手を差し出した。
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