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新学期!!
変態といっしょ
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「うん、分かってる。付き合うって、もちろんそういう意味でもあるんだけど、それだけじゃなくて、もう少しバルちんと遊んであげて欲しいって意味もあるんだ」
スバルと遊ぶ時間、スバルと絡む時間を増やせって事か。
「放課後、バルちんから逃げ回っているのは分かってるんだけどさ、もう少し一緒に過ごしてくれると多少違うと思うんだ」
別に逃げ回っている訳ではなく(撒いてはいくが)放課後は一目散に先輩の所へ行っているだけなのだが、説明は無理だな。
「えべっさん成分が足りれば、最中はオレのケツに集中してくれると思うんだよね」
オレの成分とやらをお前らの行為に巻き込まないで欲しい。なんか嫌だ。
「間違えた。そうじゃなくて、えべっさんと一緒にいる事で満足できたら、オレの方に来なくなるかもしれないじゃん。ちょっとでもオレがホモから脱却出来るような可能性が生まれるじゃん」
どっちが本心なんだよ。真逆の事を平然と言うな。
「後の方、ノーホモ。ケツに安息をもたらしたい。未来永劫に!」
「三回まわってワンと鳴いたら、掘るのに手をかしてやってもいいぞ」
その場で華麗に三回ターンを決めて、全力でワンとほざきやがったので、こちらも全力でその横顔に平手を叩き込んでやった。
「ひ、酷い。嘘吐くなんて」
「嘘は吐いてない。ちゃんと手伝ってやっただろ、お前が墓穴掘るのを」
頬を押さえ恨みがましい目で見上げてくるコウスケに、自分の状況を正しく理解させるべく平手をサービスしてやったら、ベッドに顔を埋めて呻きだした。
どう考えても既に手遅れだろ。ズッポリ嵌まりすぎだ。しかも相手が誰でもいいって、生徒会の奴らと同レベルじゃねぇか。
「誰でも良くないよ! この学校でオレの美意識をクリアしてる奴なんて、バルちんとえべっさんくらいだからね!」
探せば他にもいるはずだ。寮長や、どっからどう見ても女にしか見えないメイドの格好した奴とか!
「車椅子に乗ってる相手に乗っかれって言うのえべっさん。オレにだって良心の欠片くらい残ってるよ。でも、想像したら興奮してきた。アリかもしんない、どう思う?」
真剣な顔をこちらに向けてきたので、赤く腫れていない方の頬も思いきり叩いてやった。
そんな事しようとしたら、間違いなく執事モドキに殺されるだろうが、きっかけを作ったオレも同罪だろうな。今の不快な状況に誰かを巻き込めないかと、つい思いつきを口にしてしまったが、オレは心の底から反省した。
「メイドの方は確かにバルちんに勝るとも劣らない超美少女だけどさ、アレが小さそうじゃん。そこ大事なんだよね」
スバルの事を美少女(みたい)だと思ってんのか。本気で顔だけしか見てないんだな。ちょっと可哀想になってきた。てか、どうあっても掘られたいんだな。
その辺に落ちてる適当な棒でも拾って一人で遊んでろと言いたいが、同じ事を先輩に言われたらショックだなと考えてしまい、この出口の見えない不毛な会話をぶった切るタイミングを逃してしまった。両頬に平手をくらっても折れないメンタルに、こっちの精神がやられている。
もう、ここまで振り切れた変態が相手なので『オレもお前と同じ掘られる方だ』と暴露してこの部屋を出たい。そして、二度と関わりたくない。
「お前は完全に手遅れだ。諦めてスバルと仲良くやる方法を探せよ」
本心からアドバイスしてやると、コウスケはハッと我に返ったような顔をした。
「オレ、元の自分に戻りたいんだ。こんなケツ掘られるだけが生き甲斐なんて、ほんとありえないじゃん」
自嘲するコウスケに再度スバルの調教を提案してみたが、可哀想の一点張りで話は膠着状態に陥った。スバルにベタ惚れじゃねぇーかとツッコミを入れてみたが、コウスケは照れも否定もせず、脱力気味に口を開いた。
「このまま、ズルズルとホモになるの嫌なんだ」
ホモになるのは嫌、普通ならそうだよな。オレは運良く惚れた相手に受け入れて貰えたからいいようなもので、一方通行な感情に振り回されてホモに転身してしまうのなんて死んでも嫌だ。
さっきまでの変態発言を聞き流すのは難しいが、コウスケの本心な気がして茶化すのは止めておいた。
「……ずっとは無理だぞ」
めんどくせーなぁと思いながらも、放課後にスバルと遊んでやるとコウスケに伝える。信じられないと言いたげな顔で「いいの?」と聞いてきたので、やけくそ気味に「いいよ」と答えてやった。
どういう意味で喜んでいるのか分からないが、赤く腫れた顔をぱぁっと輝かせたコウスケは「ありがとう、えべっさん」と少し震える声で言った。
それは気の毒な程に落ち込んでいた初めてスバルに掘られた時の姿に重なり、コウスケの中に眠る秘められておくべき性癖を再び沈める為に、オレに出来る事ならやってやろうという気持ちになった。
まずは駄目元でスバルを説得する所から始めるか……非常に困難な課題に早速頭を悩ませていたら、突然部屋の扉が恐る恐る開いた。
大丈夫だと分かっていても、いつでも動けるように身構え扉を注視していると、扉に何かが投げつけられ外から小さな悲鳴が聞こえた。
「とっとと入れよ、絞め殺すぞ愚図が」
来訪者を急かす声の主へ顔を向けると、さっきまでの姿が嘘のような凶悪な顔をしたコウスケがベッドの上でふんぞり返っていた。……おたふくのように頬を腫らして。
コウスケに怒鳴られた何者かは二人いたようで、そいつらは室内に滑り込むように入って来た。怯えているのか、体を縮こまらせて、互いに寄り添うように扉の前に立っている。
「……ッひぃ! え、夷川!」
そして、オレの姿を見るや、寄り添う所か抱き合うようにして、更に怯えの色を濃くした。
「あれ、えべっさんもこいつらのこと知ってんの?」
怯える二人の姿は確かに見覚えがあるような気がしたが、どうにもはっきりとしない。でも、見れば見るほど、自分でも分からないが無性に苛立った。
「どっかで見た事あると思うんだが、どうにも思い出せん。誰だ、お前ら」
思い出せない気持ちの悪さをなんとかしようと、そいつらに近づく。恐怖で歪んだ顔は、日常的に見ている一年や二年のそれではない。恐らく、この部屋を割り当てられた生徒、三年なのだろう。
「お前ら、なに黙ってんの? えべっさんが思い出せずに困ってるだろ。ちゃんと説明しろよ」
両頬を赤く膨らせた面白い顔で威圧的に近づいて来たコウスケは、一人の頭を髪を毟るように掴み、扉に叩きつけ急かした。
「ち、違うんだ。あの時は、さ、笹倉が悪乗りしただけで、ボクたちは別にッ」
笹倉という単語で、記憶が鮮明になり、気付けば目の前の男の顎を蹴り上げていた。
スバルと遊ぶ時間、スバルと絡む時間を増やせって事か。
「放課後、バルちんから逃げ回っているのは分かってるんだけどさ、もう少し一緒に過ごしてくれると多少違うと思うんだ」
別に逃げ回っている訳ではなく(撒いてはいくが)放課後は一目散に先輩の所へ行っているだけなのだが、説明は無理だな。
「えべっさん成分が足りれば、最中はオレのケツに集中してくれると思うんだよね」
オレの成分とやらをお前らの行為に巻き込まないで欲しい。なんか嫌だ。
「間違えた。そうじゃなくて、えべっさんと一緒にいる事で満足できたら、オレの方に来なくなるかもしれないじゃん。ちょっとでもオレがホモから脱却出来るような可能性が生まれるじゃん」
どっちが本心なんだよ。真逆の事を平然と言うな。
「後の方、ノーホモ。ケツに安息をもたらしたい。未来永劫に!」
「三回まわってワンと鳴いたら、掘るのに手をかしてやってもいいぞ」
その場で華麗に三回ターンを決めて、全力でワンとほざきやがったので、こちらも全力でその横顔に平手を叩き込んでやった。
「ひ、酷い。嘘吐くなんて」
「嘘は吐いてない。ちゃんと手伝ってやっただろ、お前が墓穴掘るのを」
頬を押さえ恨みがましい目で見上げてくるコウスケに、自分の状況を正しく理解させるべく平手をサービスしてやったら、ベッドに顔を埋めて呻きだした。
どう考えても既に手遅れだろ。ズッポリ嵌まりすぎだ。しかも相手が誰でもいいって、生徒会の奴らと同レベルじゃねぇか。
「誰でも良くないよ! この学校でオレの美意識をクリアしてる奴なんて、バルちんとえべっさんくらいだからね!」
探せば他にもいるはずだ。寮長や、どっからどう見ても女にしか見えないメイドの格好した奴とか!
「車椅子に乗ってる相手に乗っかれって言うのえべっさん。オレにだって良心の欠片くらい残ってるよ。でも、想像したら興奮してきた。アリかもしんない、どう思う?」
真剣な顔をこちらに向けてきたので、赤く腫れていない方の頬も思いきり叩いてやった。
そんな事しようとしたら、間違いなく執事モドキに殺されるだろうが、きっかけを作ったオレも同罪だろうな。今の不快な状況に誰かを巻き込めないかと、つい思いつきを口にしてしまったが、オレは心の底から反省した。
「メイドの方は確かにバルちんに勝るとも劣らない超美少女だけどさ、アレが小さそうじゃん。そこ大事なんだよね」
スバルの事を美少女(みたい)だと思ってんのか。本気で顔だけしか見てないんだな。ちょっと可哀想になってきた。てか、どうあっても掘られたいんだな。
その辺に落ちてる適当な棒でも拾って一人で遊んでろと言いたいが、同じ事を先輩に言われたらショックだなと考えてしまい、この出口の見えない不毛な会話をぶった切るタイミングを逃してしまった。両頬に平手をくらっても折れないメンタルに、こっちの精神がやられている。
もう、ここまで振り切れた変態が相手なので『オレもお前と同じ掘られる方だ』と暴露してこの部屋を出たい。そして、二度と関わりたくない。
「お前は完全に手遅れだ。諦めてスバルと仲良くやる方法を探せよ」
本心からアドバイスしてやると、コウスケはハッと我に返ったような顔をした。
「オレ、元の自分に戻りたいんだ。こんなケツ掘られるだけが生き甲斐なんて、ほんとありえないじゃん」
自嘲するコウスケに再度スバルの調教を提案してみたが、可哀想の一点張りで話は膠着状態に陥った。スバルにベタ惚れじゃねぇーかとツッコミを入れてみたが、コウスケは照れも否定もせず、脱力気味に口を開いた。
「このまま、ズルズルとホモになるの嫌なんだ」
ホモになるのは嫌、普通ならそうだよな。オレは運良く惚れた相手に受け入れて貰えたからいいようなもので、一方通行な感情に振り回されてホモに転身してしまうのなんて死んでも嫌だ。
さっきまでの変態発言を聞き流すのは難しいが、コウスケの本心な気がして茶化すのは止めておいた。
「……ずっとは無理だぞ」
めんどくせーなぁと思いながらも、放課後にスバルと遊んでやるとコウスケに伝える。信じられないと言いたげな顔で「いいの?」と聞いてきたので、やけくそ気味に「いいよ」と答えてやった。
どういう意味で喜んでいるのか分からないが、赤く腫れた顔をぱぁっと輝かせたコウスケは「ありがとう、えべっさん」と少し震える声で言った。
それは気の毒な程に落ち込んでいた初めてスバルに掘られた時の姿に重なり、コウスケの中に眠る秘められておくべき性癖を再び沈める為に、オレに出来る事ならやってやろうという気持ちになった。
まずは駄目元でスバルを説得する所から始めるか……非常に困難な課題に早速頭を悩ませていたら、突然部屋の扉が恐る恐る開いた。
大丈夫だと分かっていても、いつでも動けるように身構え扉を注視していると、扉に何かが投げつけられ外から小さな悲鳴が聞こえた。
「とっとと入れよ、絞め殺すぞ愚図が」
来訪者を急かす声の主へ顔を向けると、さっきまでの姿が嘘のような凶悪な顔をしたコウスケがベッドの上でふんぞり返っていた。……おたふくのように頬を腫らして。
コウスケに怒鳴られた何者かは二人いたようで、そいつらは室内に滑り込むように入って来た。怯えているのか、体を縮こまらせて、互いに寄り添うように扉の前に立っている。
「……ッひぃ! え、夷川!」
そして、オレの姿を見るや、寄り添う所か抱き合うようにして、更に怯えの色を濃くした。
「あれ、えべっさんもこいつらのこと知ってんの?」
怯える二人の姿は確かに見覚えがあるような気がしたが、どうにもはっきりとしない。でも、見れば見るほど、自分でも分からないが無性に苛立った。
「どっかで見た事あると思うんだが、どうにも思い出せん。誰だ、お前ら」
思い出せない気持ちの悪さをなんとかしようと、そいつらに近づく。恐怖で歪んだ顔は、日常的に見ている一年や二年のそれではない。恐らく、この部屋を割り当てられた生徒、三年なのだろう。
「お前ら、なに黙ってんの? えべっさんが思い出せずに困ってるだろ。ちゃんと説明しろよ」
両頬を赤く膨らせた面白い顔で威圧的に近づいて来たコウスケは、一人の頭を髪を毟るように掴み、扉に叩きつけ急かした。
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