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72話 メキシカ防衛戦2(大和攻防戦その2)
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1942年7月7日 7:00
大和CICにて
「艦長!味方艦隊に爆撃編隊を全て大和で迎撃、手出し無用と大見得を切りましたが、本当に大丈夫なのですか?」
「ふむ、副長。君は確か帝国海軍大学校出身だったか?」
「ハイ、江田島卒業後に海軍大学校に入学し、甲種36期卒業であります」
「ほほう、エリート街道一直線だな。だがな、副長。帝国で学んだ基礎知識は生かしても良いが、通常の常識は全て捨てるように」
「どうしてでありますか?艦長!」
「うむ、これから行う戦闘は君が知らない未知のモノだからな」
「未知のモノですか?」
「そうだ!副長、返事はどうした?」
「ハイ!艦長。今言われたことは肝に銘じます!」
「さて、そろそろ敵さんが我が方の射程に入りつつあるな。
副長、このチカチカした画面を見ても何も分からないと思うから、俺の指揮を黙って見学していてくれ。
ああ、それから俺が言う指示の復唱は副長はしないで宜しい。
多分、訳が分からない単語が沢山出てくるから黙って見て欲しい。
それと黙って見学と言ったが、君自身が疑問に思ったことは戦闘中で緊急事態でない限り質問に答えるぞ」
「ハイ、分かりました」
「さて、副長。先に君が心配したとおり、改造前の大和なら確実に撃沈されるな。だが、今回の改造で大幅に兵装や防衛システムが向上し、例え敵航空機が1万機いても絶対大丈夫との国防装備庁開発陣のお墨付きだ」
「自分には敵航空機が1万機でも大丈夫とは信じられません」
「ま、『百聞は一見にしかず』というからな。いくら口で説明されても実際に目で見れば理解出来ると思うぞ。
それと、元々の分厚い装甲は以前の1/3になっているが、超硬強靱成分を主体とした鋼板をハニカム構造にして船体の軽量化を図っている。
それと、絶対の防護である電磁バリア発生装置を搭載しているから、大和の46cm主砲の砲弾が直撃しても、船体手前で弾き飛ばして船体には傷一つ付かないから」
「え?何ですか、その電磁ナントカというのは?」
「ふむ、電磁バリアとは電磁的に人間に見えない障壁を空間に創り出して、敵の攻撃を味方手前で防御するんだ」
「それは凄い技術ですね、艦長」
「艦長!敵機がVLSの対空ミサイル内に入りつつあります」
「了解、レーダー担当。敵が単装砲射程に入ったら教えてくれ」
「了解!」
「艦長、VLS(ミサイル垂直発射装置)を使わないのですか?」
「それはな、砲雷長。実は、、、、」
艦長は砲雷長に対し、これから行う航空戦で大和に新装備されたVLSを使用せずに単装砲で対処することを説明していた。
何故ならば、レシプロ機相手にミサイルを使うのは割に合わず、コストが圧倒的に安価な砲弾で迎撃出来れば良いと、艦長及び艦隊司令官は判断していたからであった。
「レーダー担当、敵航空機の数は判明するか?」
「ハイ、レーダー画面では戦闘機が約1,000機、爆撃機が約500機を示しています」
「砲雷長、敵の戦闘機と爆撃機は単装砲で確実に撃墜出来るか?」
「ハイ、艦長。可能だと思います。砲術長、艦長に説明を」
「ハッ、127mm単装砲2基を爆撃機迎撃を担当し、オート・メラーラ76mm速射砲を戦闘機迎撃を担当する予定ですが、127mm単装砲は2基しかないので、おそらく爆撃機を76mm速射砲で迎撃応援させる予定です」
「よし、分かった。敵機が単装砲射程に入った時点で、敵機をロックオン後に砲雷長の合図で攻撃を開始してくれ」
「了解、艦長。任せて下さい」
「艦長、砲雷長。間もなく敵機は単装砲射程に入ります」
「了解、砲術長は敵機をロックオンしてスタンバイ」
「了解、ロックオン完了です」
「砲雷長、敵機が単装砲射程に突入して来ました」
「砲術長、撃ちー方始め!」
「了解。単装砲担当全員、撃ちー方始め!」
砲術長は砲雷長の発射命令に従って復唱すると、各単装砲担当はそれぞれの単装砲トリガーの引き金を引いた。
引き金を引くと同時に一斉に単装砲はロックオンした敵航空機に次々と砲弾の雨を浴びせ、敵航空部隊の第1陣は、何もすることも出来ずに海の藻屑に消えていた。
その様子を眺めていた副長は、旧帝国の戦略・戦術を学んできた常識が一変に吹き飛ぶ位の戦闘シーンと言えた。
「し、信じられない位の精密な砲撃だ」
「砲雷長。やはり先の戦闘では127mm単装砲だけでB-17を撃墜するには発射速度が間に合わず、オート・メラーラ76mm速射砲を使用してカバーしました。だが、この速射砲でもB-17には充分過ぎる火力だと思います」
「了解、砲術長。懸命な判断だ」
「ピコーン、ピコーン」
「艦長、ソナーに敵潜水艦と思われる反応あり。数は20隻で我が艦を半包囲すべく扇状に展開中です」
アメリア太平洋艦隊には、戦艦、空母、巡洋艦、駆逐艦等の艦船の他に潜水艦隊が編成配備されていたが、水上艦船部隊の殆どが日本海軍艦隊との戦闘で撃沈され、潜水艦隊は行き場を失い西海岸地域の防衛に回されていた。
本作戦も、日本軍に装備されているステルス、光学迷彩機能を駆使することで秘密裏に攻撃は可能であった。
しかし、今回は大和艦隊が西海岸を攻撃する情報を、あえてアナログ無線で平文で流し、電磁バリア機能によるスクリーンで艦隊全体を覆い、ホログラム映像による偽装をし、今回は特に大和を前時代の戦艦を模した映像で艦船全体を覆って航行していた。
そして、今回西海岸防衛中の潜水艦隊はアメリア軍司令部から迎撃の指令を受けて、大和の進路に立ち塞がったわけである。
「了解、空の次は海中か。余程この大和を敵さんは沈めたいわけだな」
「艦長。太平洋艦隊は全滅させましたが、まだアメリアの潜水艦隊は健在でしたからね」
「そうだな、砲雷長」
「それにまだ大西洋艦隊も健在ですから、まだまだ油断は出来ません」
「さて、副長。この敵潜水艦隊にどう対処するのか?」
「ハッ?ハッ、ハイ!これらの潜水艦隊は我が艦に随伴している駆逐艦が爆雷攻撃により対処しますが、えっ?違いましたか?」
「オイオイ、副長。ウチは大和1隻だぞ。駆逐艦は1隻もいないのだが?」
「ハハッ、そうでした。で、どう対処するのですか?艦長」
「まあ、彼等を見ていれば分かるから。砲雷長、潜水艦隊を全て排除願う」
「了解、艦長からの撃沈命令が出たぞ。水雷長、魚雷撃てるか?」
「砲雷長、既にロックオン済みです。後は発射ボタンを押すだけです」
「お、手早いな。よし、水雷長の判断で発射して良し」
「任されました。ウチの魚雷発射管は一斉に攻撃出来る座標は24カ所です。
敵が20隻いるので、1隻に魚雷1本が当たるようにロックオンしました。
残り4本は予備です」
「了解、敵を全滅させて頂戴!」
「了解!魚雷、順次発射します」
水雷長は、CICのコンソールに設置されている魚雷発射ボタンを、ピアノの鍵盤をなぞるように20個の発射ボタンを指で順に押して行くと、ボタン表面の色が緑から赤に変わり、それと同時に甲板に設置されていた魚雷発射管から白煙が上がると同時に、黒色の魚雷合計20本が次々と海中に滑り込んだ。
「次弾装填、急ぎます」
「凄いですね、艦長。大和に魚雷が搭載されているとは。
まあ、一部の戦艦には搭載されているものもありますが」
「副長、改造前の大和に魚雷が搭載されていないのは意外だよな」
「軍幹部上層部は、戦艦は巨砲で敵戦艦を撃沈させるのが主な任務で、海中にコソコソと隠れて魚雷攻撃をする卑怯な潜水艦を相手するのは、駆逐艦等の下位艦船に任せるのが妥当と考えており、その思想が根強く残っています」
「国防総省はそういう老害になる帝国幹部の大半を辞めさせたが、まだ若干の数が残っているようだな。しかし今大戦ではもう影響力は皆無だな」
「艦長、5分後に敵潜水艦を撃沈予定です」
「了解、それより空の方はどうなったか?砲雷長」
「敵の第1陣はウチの単装砲攻撃で全機撃墜しました。
残り第2陣も単装砲で片付けますか?」
「ふむ、それより敵の第2陣は発進したのか?」
「先程、早期警戒隊からロサンゼルス基地から発進したと連絡があり、コチラの到着予想時刻は今から30分後です」
「副長、第1陣と同じ数だよな」
「自分も、艦長と同じ数だと予想します」
「よし、航空管制担当。F-35B改でB-17と戦闘機の迎撃を願う」
「了解、艦載機の兵装を全て対空仕様に変更後、順次発艦させます。
それと、艦長。艦載機の対空ミサイルに比べて敵の数が多いですが、もしかしてアレを使うのですか?」
「そうだ。出来ればミサイルをB-17に使用し、残りの戦闘機をアレの餌食にしても良いし、ま、運用は航空管制オペレーターに任せる」
「了解!直ちにF-35B改を発艦させます」
以前の大和艦後部には後部砲塔が設置され、さらに艦尾にカタパルトを装備し、偵察用航空機7機を搭載していた。
改造後は後部砲塔を取り外すことにより、かなり広い空間が生まれてF-35B改10機、対潜哨戒ヘリ2機を搭載出来るようになっていた。
また、F-35B改はVTOL(垂直離着陸)機であるため、ヘリと同等の運用が可能で、カタパルト等の設備は不要であった。
F-35B改は、航空管制担当官の指示により大和の後部格納庫から発着甲板に進行し、次々と垂直離陸を開始して合計10機が敵迎撃に飛び立って行った。
大和CICにて
「艦長!味方艦隊に爆撃編隊を全て大和で迎撃、手出し無用と大見得を切りましたが、本当に大丈夫なのですか?」
「ふむ、副長。君は確か帝国海軍大学校出身だったか?」
「ハイ、江田島卒業後に海軍大学校に入学し、甲種36期卒業であります」
「ほほう、エリート街道一直線だな。だがな、副長。帝国で学んだ基礎知識は生かしても良いが、通常の常識は全て捨てるように」
「どうしてでありますか?艦長!」
「うむ、これから行う戦闘は君が知らない未知のモノだからな」
「未知のモノですか?」
「そうだ!副長、返事はどうした?」
「ハイ!艦長。今言われたことは肝に銘じます!」
「さて、そろそろ敵さんが我が方の射程に入りつつあるな。
副長、このチカチカした画面を見ても何も分からないと思うから、俺の指揮を黙って見学していてくれ。
ああ、それから俺が言う指示の復唱は副長はしないで宜しい。
多分、訳が分からない単語が沢山出てくるから黙って見て欲しい。
それと黙って見学と言ったが、君自身が疑問に思ったことは戦闘中で緊急事態でない限り質問に答えるぞ」
「ハイ、分かりました」
「さて、副長。先に君が心配したとおり、改造前の大和なら確実に撃沈されるな。だが、今回の改造で大幅に兵装や防衛システムが向上し、例え敵航空機が1万機いても絶対大丈夫との国防装備庁開発陣のお墨付きだ」
「自分には敵航空機が1万機でも大丈夫とは信じられません」
「ま、『百聞は一見にしかず』というからな。いくら口で説明されても実際に目で見れば理解出来ると思うぞ。
それと、元々の分厚い装甲は以前の1/3になっているが、超硬強靱成分を主体とした鋼板をハニカム構造にして船体の軽量化を図っている。
それと、絶対の防護である電磁バリア発生装置を搭載しているから、大和の46cm主砲の砲弾が直撃しても、船体手前で弾き飛ばして船体には傷一つ付かないから」
「え?何ですか、その電磁ナントカというのは?」
「ふむ、電磁バリアとは電磁的に人間に見えない障壁を空間に創り出して、敵の攻撃を味方手前で防御するんだ」
「それは凄い技術ですね、艦長」
「艦長!敵機がVLSの対空ミサイル内に入りつつあります」
「了解、レーダー担当。敵が単装砲射程に入ったら教えてくれ」
「了解!」
「艦長、VLS(ミサイル垂直発射装置)を使わないのですか?」
「それはな、砲雷長。実は、、、、」
艦長は砲雷長に対し、これから行う航空戦で大和に新装備されたVLSを使用せずに単装砲で対処することを説明していた。
何故ならば、レシプロ機相手にミサイルを使うのは割に合わず、コストが圧倒的に安価な砲弾で迎撃出来れば良いと、艦長及び艦隊司令官は判断していたからであった。
「レーダー担当、敵航空機の数は判明するか?」
「ハイ、レーダー画面では戦闘機が約1,000機、爆撃機が約500機を示しています」
「砲雷長、敵の戦闘機と爆撃機は単装砲で確実に撃墜出来るか?」
「ハイ、艦長。可能だと思います。砲術長、艦長に説明を」
「ハッ、127mm単装砲2基を爆撃機迎撃を担当し、オート・メラーラ76mm速射砲を戦闘機迎撃を担当する予定ですが、127mm単装砲は2基しかないので、おそらく爆撃機を76mm速射砲で迎撃応援させる予定です」
「よし、分かった。敵機が単装砲射程に入った時点で、敵機をロックオン後に砲雷長の合図で攻撃を開始してくれ」
「了解、艦長。任せて下さい」
「艦長、砲雷長。間もなく敵機は単装砲射程に入ります」
「了解、砲術長は敵機をロックオンしてスタンバイ」
「了解、ロックオン完了です」
「砲雷長、敵機が単装砲射程に突入して来ました」
「砲術長、撃ちー方始め!」
「了解。単装砲担当全員、撃ちー方始め!」
砲術長は砲雷長の発射命令に従って復唱すると、各単装砲担当はそれぞれの単装砲トリガーの引き金を引いた。
引き金を引くと同時に一斉に単装砲はロックオンした敵航空機に次々と砲弾の雨を浴びせ、敵航空部隊の第1陣は、何もすることも出来ずに海の藻屑に消えていた。
その様子を眺めていた副長は、旧帝国の戦略・戦術を学んできた常識が一変に吹き飛ぶ位の戦闘シーンと言えた。
「し、信じられない位の精密な砲撃だ」
「砲雷長。やはり先の戦闘では127mm単装砲だけでB-17を撃墜するには発射速度が間に合わず、オート・メラーラ76mm速射砲を使用してカバーしました。だが、この速射砲でもB-17には充分過ぎる火力だと思います」
「了解、砲術長。懸命な判断だ」
「ピコーン、ピコーン」
「艦長、ソナーに敵潜水艦と思われる反応あり。数は20隻で我が艦を半包囲すべく扇状に展開中です」
アメリア太平洋艦隊には、戦艦、空母、巡洋艦、駆逐艦等の艦船の他に潜水艦隊が編成配備されていたが、水上艦船部隊の殆どが日本海軍艦隊との戦闘で撃沈され、潜水艦隊は行き場を失い西海岸地域の防衛に回されていた。
本作戦も、日本軍に装備されているステルス、光学迷彩機能を駆使することで秘密裏に攻撃は可能であった。
しかし、今回は大和艦隊が西海岸を攻撃する情報を、あえてアナログ無線で平文で流し、電磁バリア機能によるスクリーンで艦隊全体を覆い、ホログラム映像による偽装をし、今回は特に大和を前時代の戦艦を模した映像で艦船全体を覆って航行していた。
そして、今回西海岸防衛中の潜水艦隊はアメリア軍司令部から迎撃の指令を受けて、大和の進路に立ち塞がったわけである。
「了解、空の次は海中か。余程この大和を敵さんは沈めたいわけだな」
「艦長。太平洋艦隊は全滅させましたが、まだアメリアの潜水艦隊は健在でしたからね」
「そうだな、砲雷長」
「それにまだ大西洋艦隊も健在ですから、まだまだ油断は出来ません」
「さて、副長。この敵潜水艦隊にどう対処するのか?」
「ハッ?ハッ、ハイ!これらの潜水艦隊は我が艦に随伴している駆逐艦が爆雷攻撃により対処しますが、えっ?違いましたか?」
「オイオイ、副長。ウチは大和1隻だぞ。駆逐艦は1隻もいないのだが?」
「ハハッ、そうでした。で、どう対処するのですか?艦長」
「まあ、彼等を見ていれば分かるから。砲雷長、潜水艦隊を全て排除願う」
「了解、艦長からの撃沈命令が出たぞ。水雷長、魚雷撃てるか?」
「砲雷長、既にロックオン済みです。後は発射ボタンを押すだけです」
「お、手早いな。よし、水雷長の判断で発射して良し」
「任されました。ウチの魚雷発射管は一斉に攻撃出来る座標は24カ所です。
敵が20隻いるので、1隻に魚雷1本が当たるようにロックオンしました。
残り4本は予備です」
「了解、敵を全滅させて頂戴!」
「了解!魚雷、順次発射します」
水雷長は、CICのコンソールに設置されている魚雷発射ボタンを、ピアノの鍵盤をなぞるように20個の発射ボタンを指で順に押して行くと、ボタン表面の色が緑から赤に変わり、それと同時に甲板に設置されていた魚雷発射管から白煙が上がると同時に、黒色の魚雷合計20本が次々と海中に滑り込んだ。
「次弾装填、急ぎます」
「凄いですね、艦長。大和に魚雷が搭載されているとは。
まあ、一部の戦艦には搭載されているものもありますが」
「副長、改造前の大和に魚雷が搭載されていないのは意外だよな」
「軍幹部上層部は、戦艦は巨砲で敵戦艦を撃沈させるのが主な任務で、海中にコソコソと隠れて魚雷攻撃をする卑怯な潜水艦を相手するのは、駆逐艦等の下位艦船に任せるのが妥当と考えており、その思想が根強く残っています」
「国防総省はそういう老害になる帝国幹部の大半を辞めさせたが、まだ若干の数が残っているようだな。しかし今大戦ではもう影響力は皆無だな」
「艦長、5分後に敵潜水艦を撃沈予定です」
「了解、それより空の方はどうなったか?砲雷長」
「敵の第1陣はウチの単装砲攻撃で全機撃墜しました。
残り第2陣も単装砲で片付けますか?」
「ふむ、それより敵の第2陣は発進したのか?」
「先程、早期警戒隊からロサンゼルス基地から発進したと連絡があり、コチラの到着予想時刻は今から30分後です」
「副長、第1陣と同じ数だよな」
「自分も、艦長と同じ数だと予想します」
「よし、航空管制担当。F-35B改でB-17と戦闘機の迎撃を願う」
「了解、艦載機の兵装を全て対空仕様に変更後、順次発艦させます。
それと、艦長。艦載機の対空ミサイルに比べて敵の数が多いですが、もしかしてアレを使うのですか?」
「そうだ。出来ればミサイルをB-17に使用し、残りの戦闘機をアレの餌食にしても良いし、ま、運用は航空管制オペレーターに任せる」
「了解!直ちにF-35B改を発艦させます」
以前の大和艦後部には後部砲塔が設置され、さらに艦尾にカタパルトを装備し、偵察用航空機7機を搭載していた。
改造後は後部砲塔を取り外すことにより、かなり広い空間が生まれてF-35B改10機、対潜哨戒ヘリ2機を搭載出来るようになっていた。
また、F-35B改はVTOL(垂直離着陸)機であるため、ヘリと同等の運用が可能で、カタパルト等の設備は不要であった。
F-35B改は、航空管制担当官の指示により大和の後部格納庫から発着甲板に進行し、次々と垂直離陸を開始して合計10機が敵迎撃に飛び立って行った。
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